9月30日テレビ東京で放送された『起業人のキセキ 業界の常識を打ち破れ』ご覧になられまし
たか? 番組では3人の起業家が紹介されていました。
1人目はairClosetの社長さん。洋服は自分で選ぶという常識を打ち破って、プロのスタイリスト
が毎月3着の服をコーディネートして、素敵な箱に収めて贈ってくれるというインターネットビ
ジネス。
2人目は、『100年後は世界一になる』と語るライフネット生命の社長さん。今はコメンテー
ターとしても活躍されている出口さんと組んでの会社設立。余計な固定費を削減することで
生命保険料を格安にしてしまったことは有名なお話。
そして、3人目が、『車椅子は押して動かす』という常識を打ち破った株式会社ジンリキの社長
さん。車椅子が、わずか1㎝の段差すら、簡単には越えられないことを、恥ずかしながら初めて
知りました。今回初めて知った会社なので、この『JINRIKI』の社長中村さんについて、今日は、
お話ししたいと思います。
中村さんの4歳下の弟さんは、生まれて間もなく小児麻痺を患い、車いす生活を余儀なくされ
たそうで、幼少期を共に過ごした弟さんは13歳であまりにも短い生涯を閉じたそうです。
一度は『引く』という車いすの発想を思いつきながら断念していた中村さんですが、東日本大
震災をきっかけに『自分にできることは何だろうと、改めてもう1回考えたときに…。もしか
したら、1人でも2人でも…。やるべきことはそれかなと思い…。』JINRIKIを形にする取り
組みが始まったそうです。
この【押す】のではなく【引く】車いすは、介助する人の負担を軽減するだけでなく、これま
で難易度の高く、行ける所が限定されていたのを開放し、災害の避難経路すら健常者と変わら
ない時間で移動する事を可能にしていました。東日本大震災が起こってから、車いす生活だっ
た人は、何かあった時は、他の人と同じように生き抜けないと諦めていた方も居られたようで、
この車椅子の存在を知った事で『あなたは命の恩人です』と『これで皆と同じように生きていけ
ます』そう話してくれたそうです。
中村さんは、全国の観光地にも積極的な働きかけを行っており、和歌山城では、忍者に扮した
スタッフがJINRIKI付きの車いすで案内してくれるそうです。車いす利用者にも気兼ねなく来て
もらうためJINRIKIを採用する観光地は増えているとのこと。また、昨年インドで行われた障害
者について考える世界会議にも招待されるなど、確実にその裾野を広げています。
最後に中村さんは、こんな事を話されていました。
『圧倒的足りない部分は皆さんのサポート体制というかケア』『大丈夫ですよ、前輪持ち上げ
ますよ、「ひと言」声をかけて手伝っていただけるこの状況が、もっともっと広がればホント
の意味でのバリアフリーになった。』『今の状況の中でやるべき事は、もっともっと皆さんに、
一般の方が、全員が、「誰でも車いすを押せますよ。」更にJINRIKIを使ってどこでも行けます
よ。』そんな車いす利用者にとって本当の意味での優しい世界を目指したいと話されていたの
です。
番組の中では、実際に進行を務める人たちが【引く】車椅子と【押す】車椅子の違いを体験
されていましたが、貴重なシーンだったと思います。『これで皆と同じように生きていけま
す』というメッセージ、暫くは頭から離れそうもありません。知る事、大切ですね。
昨日に続いて、NHKスペシャル『「人体」“腎臓”があなたの寿命を決める』ご覧になられまし
たか?普段あまり意識しない「腎臓」が、なんと寿命をも左右する、人体の「隠れた要」だ
というお話。10月1日の「人体」第1集・腎臓では、そんな「腎臓の知られざる正体」について
放送されたのです。中身は言うまでもなく濃いものでしたので、ここで全てについて触れる
ことなど、とてもできませんので、是非、見逃された方は再放送を録画してでもご覧頂ければ
と思います。
腎臓が血液をろ過しておしっこをつくる際、同時に、巧妙な仕掛けによって「血液の成分調整」
を行っています。腎臓の本当の役割は、血液の成分を厳密に適正に維持する、「血液の管理」
だったのです。その時その時、体にどんな成分がどれだけ必要なのか。「再吸収」を行う際、
腎臓はさまざまな臓器から情報を受け取って、血液の成分を絶妙にコントロールしています。
まさに「人体ネットワーク」の要ともいうべき存在だったのです。
つまり、腎臓の異常が全身のほかの臓器にも悪影響をもたらし、逆にほかの臓器で異常が起き
ると、その影響が腎臓に及びます。世界中の医学論文を解析したある研究では、入院患者全体
のうち5人に1人が「急性腎障害(AKI)」という症状を発症し、命のリスクにさらされている
ことが明らかになってきました。気づかずに放置すれば、腎臓の障害が全身のほかの臓器にも
飛び火し、「多臓器不全」を起こして死に至ることも少なくないというのです。
治療のために投与される薬などが腎臓に負担をかけていることも、その一因になっていると
指摘されています。命を守るために、常に腎臓を見守る。そんな新しい医療の発想が、取り
上げられたイギリスの病院では、既に導入されていました。心拍数だけでなく、腎臓の状態も
常に監視していたのです。
私事ですが、昨年の秋に、健康保険協会から慢性腎臓病(CKD)の疑いがあるという通知が
突然届きました。理由は、その指標となる推算糸球体濾過量(eGFR)が低い状態が何年も
続いているからという事でした。ちなみに、このeGFRは血清クレアチニン値と年齢と性別から
計算でき、『知ろう。ふせごう。慢性腎臓病(CKD)』という協和発酵キリン株式会社サイトの
トップページ右下の『調べてみようeGFR測定』というボタンをクリックする事でも、簡単に
診断が出来ます。
で、元に戻りますが、番組の前半で触れられた『腎臓を鍛える』…というお話。
標高およそ2,000mにあるプールで行われる競泳選手による【酸素の薄い】「高地トレーニ
ング」。トレーニングを始めて間もない練習後、血液中の酸素量(血中酸素飽和度)を計測
すると、80%台。平地では通常96%を切ることはないそうです。体がたいへんな酸欠状態に
陥っていったというのです。
ところが、それから2週間後。ふたたび練習後に測定を行うと、90%を超える値に回復して
いました。「高地順応」と呼ばれる現象で、体が酸素の薄い環境に見事に適応したのです。
このとき鍛えられていたのが【腎臓】。体内に酸素が足りなくなると、それを察知し、
「酸素がほしい!」という腎臓からのメッセージを全身に伝えます。
これによって骨の内部、「骨髄」では、酸素を運ぶ「赤血球」が増産され、体中に効率よく
酸素を運べるようになるのです。実際、高地トレーニングを行うと、2週間ほどで赤血球が
大幅に増えるそうです。
腎臓機能が弱くなっていると言われてしまうと、こうした番組を見た後に思うのは『私って
短命なのか?』と落ち込んでしまうこと…。沢山止められない薬を飲み続けて腎臓に負担を
かけているし…。
そして、『腎臓を鍛える』という話を聞いてしまうと、『私も高地トレーニングすれば?』
って、思ってしまいますよねぇ…。この年で、そんな事をしたら、腎臓の前に心臓が止まって
しまいそうです…。思考が単純すぎますかねぇ…。でも、『腎臓にも思いやりが必要』だとは
痛いほど感じる事が出来ました。
【第2集“脂肪と筋肉”の会話がメタボを治す】…またまた私に深く関係しているテーマのよう
で、11月5日(日) 21時〜の放送となっています。お見逃しなく!!私も、見逃さないようにしな
くては・・・
9月30日から始まったNHKスペシャルの新シリーズ【人体 プロローグ「神秘の巨大ネット
ワーク」】ご覧になられましたか?『驚異の小宇宙 人体』が放送されてから、もう28年経過
していたんだと知りましたが、その時司会をされていたタモリさんと、なんと、あのノーベル
医学・生理学賞を受賞された山中伸弥先生が司会進行をされていくのです!!
前シリーズの【驚異の小宇宙 人体】も、とても面白いものでしたが、このシリーズは、もっ
と凄い事になりそうです。番組概要としては、このようにホームページに書かれておりました。
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今、医学の世界で、これまでの「人体観」を覆す、巨大なパラダイムシフトが起こりつつあ
ります。今までは、人体のイメージと言えば、「脳が全体の司令塔となり、他の臓器はそれに
従う」というものでした。ところが最新科学は、その常識を覆しました。なんと、「体中の
臓器が互いに直接情報をやりとりすることで、私たちの体は成り立っている」。そんな驚き
の事実が明らかになってきたのです。
このいわば「臓器同士の会話」を知ることで、いま医療の世界に大革命が起きています。
例えば、がんや認知症、メタボなどの悩ましい病気を克服する画期的な方法が成果をあげ
始めているのです。
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新たな医学の潮流の全貌を翌日の10月1日から、殆ど毎月月初めの日曜日、全8回にわたって
紹介していく新シリーズ「人体」。プロローグでは、最先端の顕微鏡技術でとらえられた
驚異の体内映像と、がんを早期に発見する画期的な検診方法や、がんの再発を防ぐ新たな
治療方法などの最前線を分かりやすく紹介しながら、シリーズへの期待感を膨らませてくれ
ました。
息をのむ映像美! 全く新しい健康常識!神秘的な体の秘密を解き明かしていく知的エンター
テインメント!肺、心臓、胃など、さまざまな臓器があることは知っていますが、状況に
応じて、一糸乱れず働いてくれるのは、臓器同士がメッセージ物質を利用して情報交換を行い、
支え合って働いているからなんだとか…。
レゴブロックを使って、メッセージ物質が会話する様子をスマホ画像に映し出し、博多弁で
会話させることで表現していく・・・。どうかという気もしましたが、より楽しく、身近に感じる
には、むしろ良い方法だったのかもしれません。整形外科医からスタートされた山中先生が、
関節リウマチの患者と出会い、研究者を目指したことなど、ちょっとした話も興味深く聞く
事が出来ました。シリーズ今後がとても楽しみです!!初回から見逃されてしまった方!
是非、再放送は予約録画してご覧ください!!
9月21日放送のカンブリア宮殿『回転寿司からユニーク炊飯器まで!コメのプロ集団の革新的
おいしいコメビジネス』の回、ご覧になられましたか?長期にわたって政府の管理下に置か
れてきたお米業界。今回の主役【神明】は創業115年のお米卸最大手企業ですが、日本人の主食を
守ろうと、とにかくあの手この手で、保守的だったお米ビジネスの中で、業界を驚かす革新的な
取り組みを続けてきていました。
安くて安定した味を楽しめる『ブレンド米』をいち早く一般消費者向けに販売し、ヒットさせ
たのがこの神明。お米はお米屋で買うのが当たり前だった時代に、業界に先駆けてダイエー等の
スーパーでの販売に道を開いたのも、この会社。
それにしても驚いたのが、「わずか10分で炊ける炊飯器」。業界最速“10分炊飯”を可能にした
秘密は、特許技術を駆使した特別なお米。無洗米だから、忙しい独身生活の人でも、帰宅後
水を入れて炊飯器に投入しスイッチを入れてしまえば、着替えている間に炊けてしまうという
超便利な世界。さらには、お米農家が「毎日食べたい」と絶賛する、無添加・異臭無しのパック
ご飯も開発。業界最大手ならではのこだわり技術を詰め込み、「炊いたご飯と変わらない」
味を実現しています。
また、飲食店も多角経営、自慢のお米を提供しています。サバ料理専門店の「サバープラス」
では玄米と白米を黄金比率でブレンドした特殊なお米を提供。寿司チェーン「魚べい」では、
独自ブレンドのお米を使い、客から「シャリがおいしい」と評判を集めていました。新規で
オープンさせた「直営おにぎり店」では、お米の種類から中に入れる具材・塩とオーダー時
に選択する形になっていて、注文を受けてからの完全オーダーメイド。本当に美味しそう
でした。
このように、お米に関するビジネスを川上から川下まで全面展開し、お米を直接消費者の口元
に届ける事業を拡大させたことで、お米の消費が減り続けているにも拘らず、神明の業績を
順調に押し上げてきたのです。
素敵だったのは、病気に強いお米の新品種を見つけて、農家に推奨し、収穫したお米を全量
買い取りして、ローソンの店舗へ卸している事。生産者と大手小売りを結びつけ、農家の
収益アップにつなげる取り組みです。さらに、耕作放棄地も何とかしたいと、バナナの栽培を
薦めていて、「どうして、そこまで…」と思えるぐらい素晴らしい取り組みを続けておられ
ました。
いつもの社長の金言は『お米の消費拡大で日本の農業を守る』でしたが、説得力のある言葉で
した。村上龍さんの編集後記・最後の一言では『ご飯の「幸福」』と書かれていましたが、
あの握りたての温かい【おにぎり】を食べると、本当に幸せになれるし、それだけに、こう
した【神明】という会社、有難いですよね。今回は【さらに】という言葉を連発していますが、
驚きの連続で、感謝感謝の物語でした。やっぱり日本人は【お米】ですよねぇ・・・。
9月14日放送の世界!ニッポン行きたい人応援団『“竹細工”愛す女性』の回、ご覧になられ
ましたか?今回の主役は、芸術大学時代に『竹の美しさ』に心を奪われたのがきっかけで、
ニッポンの伝統工芸・竹細工が大好きになり、本などを参考に自らも製作してきたという
アメリカのカリッサさん。いつもながら自力で作った作品も大したものでした。
カリッサさんが最初に向かったのは真竹生産量日本一の大分県別府市。ここにある竹工芸
訓練センターでは、沢山の竹細工を見させていただきました。「何時間でも見ていたい」と
カリッサさんは嬉しそうでした。
見本として様々なパターンの編み方が壁に飾られていましたが、あんなに色々なパターンが
あるのは、私も初めて知る事が出来ましたし、その精密な出来上がりに圧倒されもしました。
とても竹で編んだとは思えない、寄せ木細工のような物まで見る事が出来ました。
竹を加工している「永井製竹場」では、虫に食われたり、腐敗するのを防ぐために竹の油
抜きをする作業を見学。約8mの長い窯の中にまるまる竹を入れ、90℃のお湯で10分煮沸。
その後、窯から取り出しタオルで丁寧に浮き出た油を拭き取ります。処置をする前と、した
後の竹の色つやを見れば、どれほどこの作業が大切なものか、よく分かる事が出来ました。
4代続く竹細工職人の森上さんの工房では、竹を約0.3mmまで薄く割く、竹ひご作りにチャ
レンジ。カリッサさんは竹を割く道具「銅わっぱ」を使って上手く竹ひごを作ることがで
きました。翌日には四角模様や花柄の模様に応用できる「網代編み(あじろあみ)」を体験。
編み始めて4時間の作業を終えると、見事に竹細工のかごが完成していました。
最後には、カリッサさんが尊敬している竹工芸家の四代目田辺竹雲斎さんとのご対面。竹を
途中で枝分かれさせて作る花かごなど、竹雲斎さんの作品一つ一つに感動するカリッサさん。
この枝分かれさせて作られた花かごは、本当に美しく素晴らしい作品でした。お土産には
高そうな専用工具『竹割り包丁』を頂いていました。
毎回の事になってきましたが、本当に最高のお土産が選ばれている気がします。訪れた人の
『きっと、欲しいであろう物』を汲み取って贈っていくおもてなし…感動です。
最後に「ニッポンに来て職人さんや本物の竹細工に触れ、竹がますます好きになりました」
と話すカリッサさん。こちらも、日本人でありながら、お蔭様で竹細工の深さを知る事が
出来、竹細工を見る目が変わった気もします。いつもながら有り難うございました。
9月19日放送のガイアの夜明け『どう生きる? "シングル"社会』ご覧になられましたか?
七人に一人が"シングル"の世の中で、日本国内では今、単身世帯が急増しており、配偶者と
死別した高齢者だけでなく、一人暮らしの若者や、未婚の中高年の男女が増えているという
お話。
中でも気になったのが、今、「高齢者お断り」の賃貸物件が後を絶たないというお話。求人
広告ですら、男女の特定や年齢制限を設けてはならないという時代に、そんな『お断り』の
文言が堂々と書かれているとは…。
聞くところによると、家賃の支払いに不安があることや、孤独死のリスクを嫌っているため
だというのです。孤独死などがあった物件を事故物件というらしく、そうした物件には、
次の人が入りにくくなってしまうのだそうな。言われてみれば、確かにそう言うものかも
しれません。これは、賃貸を探すみんなの意識にも問題があるのかも・・・。
そんな高齢者に“逆風”が吹く中、あえて「65歳以上の顧客専門」を掲げた不動産会社が「R
65不動産」。この会社では、有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅ではなく、高齢者の
ための「普通の部屋探し」をサポートしています。開業したのは、まだ27歳という山本さん。
そのきっかけは、かつて勤めていた不動産会社で聞いた、ある高齢者の一言だったそうです。
「年齢だけを理由に部屋を借りることができない。この不動産屋さんで5軒目です」。実際、
高齢者も入居可の物件は、手持ちの物件の1割に満たなかったそうで、「自分もまた断る側だ
と気づいた」そうです。
そんな事があって、困難を承知で高齢者に特化することを決意し、2015年5月に「R65不
動産」をスタートさせたそうです。「1件成約させるまでに、200軒の不動産会社に電話する」
一方で、入居希望者からの電話は毎月40本以上もあるといいます。
どうやってこの困難な状況を打開するのか。そんな山本さんが繰り出した“秘策”が最新機器
の開発。部屋の天井に取り付ける照明の中に温度センサーを入れたもので、この機器によっ
て、部屋での活動状況が分かるというもの。在宅しているのに動きがなければ、何らかの
原因で動けなくなっている事が把握できるので、孤独死してしまう前に大家さんが対策を
講じられるというのです。
ふと思ったのが、老人同士が暮らせるシェアハウスがあれば良いのではということ。老人の
数は増えるはかりだし、覚悟のある人達ばかりだから、オーナーだって、システムさえ整備
してしまえば困らないのではと…。老人ホームに入るほどの余裕はない…というお年寄りに
朗報が欲しい…そんな思いを抱かされた今回でした。
27歳の若者1人が走り回るのではなくて、これは国として手を付けていかなければならない
気もしたりして…。頭の痛い問題ではありますが、増えゆく老人の受け皿が足りないという
話は、年金不安とともに、是非とも解消して欲しいお話でした・・・。
9月14日放送のカンブリア宮殿「途上国から世界に誇れるブランドを!女性起業家が挑む新た
なビジネス」の回、ご覧になられましたか?今回は、特に素晴らしかったですよ!!
ファッションの発信地、横浜の元町に評判のバッグ屋があるそうです。そのお店こそ、今回の
主役【マザーハウス】。「軽くて、色合いが美しい」「高級感があるのに値段がリーズナブル」
客を魅了するのはそのクオリティの高さと値頃感。このバッグ、タグを見ると全てバングラデ
シュ製。アジア最貧国と言われる途上国で製造された商品なのです。
マザーハウスの社長、山口さんは、途上国の生産にこだわり、かつ上質なモノづくりを掲げて
います。貧しい途上国の人達に世界に通用する一流の技術を伝え、『途上国からも世界に誇
れるブランドを…』作り上げようとしていました。『途上国にも豊かになって欲しい…』
そんな思いがそこにはありました。
山口さんの工場では、通常行われる分業制ではなくて、テーブル制にして、1人1人が全ての
工程に携わることで、分業では得られない生きた技術の習得を目指しているのです。番組では
触れられませんでしたが、ということはつまり、意識の高い者は、独立して自分の力で前に
進む事ができるという事でもあるのです。工場の中は空調などの環境を整えるばかりか、無料
で栄養ある食事まで提供していました。本当に涙が出るくらい素敵な女性でした。
山口さんは小学生時代にイジメに会い、その反動もあって、中学生では非行に走ったそうです。
そんな彼女を変えたのは、柔道との出会い。猛烈な練習の末、全国7位の成績を収め、勉学に
も精力を注ぎ、出身の工業高校からは初となる慶応大学に進学。そして、学生時代にバングラ
デシュに渡った時、途上国の貧困問題にどう自分が向き合えるのか考え始めたと言います。
悩んだ末に選んだ答えは、安い賃金と劣悪な環境で日々を過ごしている人たちと、輝き型を
一緒に見つけたいということでした。即座に大学を編入して2年間現地の大学院にまで進んで
います。
マザーハウスはバングラデシュで作るバッグだけでなく、スリランカやインドネシアなどの
途上国でも、ジュエリーなどを生産しています。そして、今、日本のマザーハウスで注目を
浴びているのが高級素材で作るストール。評判の素材は、2015年に大地震が起きたネパールの
繭農家が生産するシルクでした。
マザーハウスという社名は、マザー・テレサからヒントを得たと言います。ビジネスと社会
貢献の両立は無理だと言われる中、『誰かがババを引かなくても、上手く行くのでは?』と
突き進んできたそうです。バングラデシュで見つけた1つの麻袋から始まった1歩は、幾多の
苦境・困難に屈することなく、強い信念で今日に繋がっていました。
いきなりゴールを意識していたのではできなかったけれど『昨日よりは一歩前に進もう』と
いう姿勢で頑張って来れたそうです。それは、いじめから立ち直ろうとした時、いきなり教室
に入るのではなく、「今日は校門まで」「今日は下駄箱まで」といった、少しずつでも前に
進んだことで勝ち取れた経験がくれたもの…。
諦めそうになった時は『持っているカードを出しきったかな』と考えて、『まだ、できること
がある』と諦めずに頑張って来れたとか…。そんなマザーハウス代表、山口さんは全国各地から
講演会の誘いが頻繁にあるそうです。その聞き手は、女性が大半で、どの講演会も客で埋め尽く
されるとか。山口さんが語るのは、歩んできた苦難の道、そして、自分自身を鼓舞する信念です。
【世界で最も影響力のある100人】というのがありますが、山口さんもそんな一人に相応しい方
の様な…。いやぁ、本当に凄い人でした!! 映像の中では、サインや握手を求められていました
が、私もサインが欲しくなりましたよ…。久々に鳥肌が立つくらい素敵で素晴らしい人に出会え
たので、沢山の良い言葉を書き出して今回は、終わりたいと思います。
『輝き型を一緒に見つけたい』
『誰かがババを引かなくても、上手く行くのでは?』
『昨日よりは一歩前に進もう』
『持っているカードを出しきったか』
『つらい時間や経験は、絶対に無駄でも無意味でもない』
『大事なことは、どこまで続けるかという覚悟』
8月22日放送のガイアの夜明け『〝常識破り〟で市場を拓く!』の回、ご覧になられましたか?
"モノが売れない時代"だからこそ【新たなマーケットの創造が必要】と、常識破りの考え方で
活路を見出している企業がピックアップされていました。
最初に紹介されたのは、地図がそのままプリントされたゴルフウエア。女子プロゴルファーが
公式戦で着用していることもあって人気を集めているらしいのです。ウエアのデザインを担当
したのが、あの地図の「ゼンリン」。いまやパソコンやスマホで簡単に地図検索できる時代で
紙の地図離れがおこり、ゼンリンは方向転換を余儀なくされていたのです。
そんなゼンリンは、膨大な地図データをグッズに転用。わずか3名の女性チームで、地図デー
タをデザイン化した文房具「matimati(マチマチ)」シリーズを立ち上げ、新たな市場の開拓を
進めていたのです。意外な方向転換でした。
2つ目に紹介されたのは神奈川県愛甲郡の山の中。多くの観光客が押し寄せていましたが、お
目当ては、高さ150メートルを誇る「宮ヶ瀬ダム」の観光。ダム観光を終えるとツアー客は
隣接するカフェへ移動して、“宮ヶ瀬ダム観光カレー”を。ご飯に刺さったウインナーを引き
抜くと、ダム放流さながらカレールーが流れ出るという遊び心満載のカレーです。
「ダムを見たらダムカレーが定番」このブームに目をつけたのが「タカラトミーアーツ」の
企画担当、加藤さん。全国のダムを訪ね、子どもの頃、誰もが親しんだガチャガチャを、思い
出に寄り添える大人向けのダムカレーガチャにしてみせたのです。色々なダムカレー欲しさに
大人買いしている子供の様な大人さん…微笑ましいものでした。
最後は、衰退の一途をたどるニッポンの伝統工芸。「その技術を次世代につなげたい」と奮闘
しているのが「和える」の矢島さん。「和える」は、全国の伝統工芸の職人と組み、数々の
0歳から6歳向けの商品を手がけています。
大分県豊後大野市にある「しいのみ保育園」。お昼で楽しそうに食事をする園児たちの手元を
見てみると、何やら風変わりな食器。お皿は陶磁器で、内側には返しと呼ばれる加工が施され
ています。実はこれ、その名も“こぼしにくい器”。子どもがこぼさずに食事ができるという
コンセプトで作られた食器なのです。作ったのは愛媛県砥部町の「砥部焼き」の窯元。砥部焼き
といえば、国を代表する伝統工芸品です。
調べる地図➡楽しむ地図、子供のガチャ➡大人のガチャ、伝統工芸➡子供向けの商品…発想を
変えたり、ターゲットを変えたりすることで、新たな価値を生み出していく…いずれも女性の
活躍が目につきましたが、柔軟な考え方…大切ですよね。男性は頭が固いのですかねぇ…
9月17日放送の未来EYES『九州大学 工学研究院 化学工学部門』の回、ご覧になられました
か?日本が抱えている大きな問題…“ゴミ処理問題”。そんな、ゴミがあっというまになくなっ
てしまう、魔法のような研究をしているのが今回の主役、九州大学の渡邉先生。
温度が10,000℃以上にも達するこのエネルギーを利用して、フロンやハロン、PCBといった
有害物質を出さずにゴミ処理を行うという研究。そんな現象を可能にするのは、「プラズマ」
という粒子の集まりで、驚くべきはそれに必要な材料が「水」だけだということ。さらには
ゴミ処理の際に出るエネルギーまで活用しようとしているのですから超エコなお話でした。
実用化したいのは『水プラズマを発生させる装置』で、テレビではこれを使ってアルミ缶が
消えていく様子が映されました。溶けるのではなく分子レベルまで分解されて気体になって
しまうようなのです。将来は町の真ん中にプラズマの装置を置き、そこでゴミが水プラズマ
装置に入れられると、ゴミは消滅し、同時に水素などを取り出して電気などのエネルギーまで
作ってしまう。本当に夢の様なお話です。
渡邉先生は映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で未来の車がゴミを燃料に空飛ぶ姿を
見て科学の道に入っていったとか…。それにしても実現できれば本当に凄い事ですよね。番組
の後半では応用物理学会の後で、プラズマのスペシャリストたちが集まって飲み、語り合って
いるシーンも映されましたが、こんな夢の様な話の実現を考えている先生たち…子供がはしゃ
いでいるようにも見えて、何とも頼もしい限りでした。
そう言えば、今、弊社もお手伝いをさせて頂いている第55回日本生物物理学会大会が明日まで
を会期として行われているんですよ。【物理学会】の話が出てきたのでつい…。
たまたまですが、昨日の朝日新聞の1面に【急増する「ごみ出し困難世帯」5万世帯が支援
受ける】という記事が掲載されていました。ごみ出しが困難な高齢者や障害者の自宅まで
普通ごみの回収に行く支援だそうで、独身時代にゴミ当番で嫌な思いをしている私の事情とは
異なったけれど、本当にゴミは多くの問題を抱えています。新聞の記事には、こうした支援の
おかげで部屋の中で倒れている住人が救助されたケースも書かれ、急激に増えている「ごみ出し
困難世帯」に人手や資金不足に自治体も頭を痛めているという話でした。
私が嫌な思いをしたゴミ当番では、朝の分別用の用具出しは良いにしても、働いている人間に
昼間の見回りやゴミ回収後の用具回収は会社を休まない限り不可能なお話。集会で困難な状況を
伝えると『あなたはゴミを捨てないのですか?』と嫌みの一つ。『捨てるんなら当番をするのは
当然だろ』という話でした。幸い、隣の住人が親切な方だったのでできない部分をサポートし
てくださいましたが、ゴミ一つで色々な問題があるものです。
話が長くなりましたが、この水プラズマによるエコタウンの実現、大いに期待したいものです。
先日、NHKの7月9日放送のBS1スペシャル「ラスト・ドライブ」の再放送を見ました。
死を前にした人の最後の願いをかなえようという終活プロジェクトがヨーロッパで静かに
広がっているそうで、番組では、ドイツが取り上げられていました。
ドイツでは3年前から「願いの車」という名の車が旅を続けています。国籍も人種も問わ
ない無料のサービスです。普通ではお金がかかりすぎて実現できませんが、寄付で賄われ
るので、本当に夢のような話です。
医療従事経験のあるスタッフとボランティアが、本人や家族からの依頼をもとに人生最後
の旅のプランを作っていきます。同伴家族が居なくても介護師や救護資格を持った人など
ボランティアスタッフが無料で同行していくのです。
死にゆく人が最後に願う場所に行くお手伝いをする「ラストドライブ」。救急車を改造し
た車は「願いの車」と呼ばれ、ボランティアがラストドライブを介添えします。「死」と
いう人間の孤独な宿命と、人と生きることを考える番組ということでしたが、本当に色々
と考えさせられました。
番組を作られたディレクターさんは、心に残った言葉について、こう話されていました。
『家で死にたい末期患者を診ているお医者さんの言葉です。「ラストドライブ」そのも
のを否定する言葉ですが、名言だと思いました。
【願い事は、死の直前まで放ったらかしにせず、元気なうちに叶えておけばいいんです】』
印象に残った84歳で末期のがん患者マグダレーネさんの願いは亡くなった夫とよく行って
いた海。それも夫と行っていた海とは違う海に行きたいという願いでしたが、同行した
ボランティアの人たちの優しさ・思いやり…徐々に心を開いて喜びを言葉で表現出来るよ
うになっていくマグダレーネさん。
行った海はドイツを出たオランダの海。海岸には、既に終活で先行しているオランダが、
足の不自由な人でも海岸沿い…海水の近くまで行けるように作られた特別な手押し車。
本来、これほどまで病んでしまうと眺められない景色でも、叶えてもらえる…。本当に
幸せそうにしている笑顔のマグダレーネさんがとても印象的でした。
終末を迎えて逝く人たち、みんなが幸せに過ごせた訳ではないけれど、見知らぬ人でも
寄り添ってくれる人がいることが、どんなに心を癒してくれることか…。後日、願いが
叶った人を、旅に同行したボランティアが、再び訪ねて、『他に願いはないか』と訪ねると、
【何もない】…そう仕草で示したそうです。
尋ねた人は、最後の願いを叶えてもらったことで、
【死を受け入れる心構えができたのでは…】と話されていました。
1人1人、どんな終末を迎えていくのか分かりませんが、『願いの車』…
高齢者が多く、がん患者も多い日本でも、広がっていくような気がしました。
とても感慨深く、また、とても素敵なお話でした。