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結果的に笑顔なのと、笑顔を求めるのは違う・・・

2017-10-16 NEW!
カテゴリ:つぶやき

 

NHKスペシャル『亜由未が教えてくれたこと~障害者の妹を撮る~』ご覧になられた方は

居られるでしょうか。

 

2016年7月26日、相模原市の障害者施設で入所者ら46人が刺され、19人が亡くなった事件が

ありました。犯人の言葉「障害者は不幸を作ることしかできない」という悲しい偏見に驚か

されたのも…記憶に新しい所です。

 

とても残念な話でしたが、今回は犠牲者と同じ重度の障害を持つ亜由未さんが主役。カメラで

追っていくのが、NHK青森でディレクターをしている実のお兄さんでした。お兄さんは『自分の

家族は不幸じゃない』と伝えたかったそうですが、小さい頃から介助や世話は親任せ。障害者の

家族は幸せだと胸を張って言えるのか…両親に相談し、介助をしながら亜由未さんを1か月に

わたり撮影することになったのです。

 

亜由未さんは、両親やヘルパーさんには幸せそうに笑顔を見せるのに、お兄さんには不機嫌

な顔で、なかなか警戒心を解いてくれませんでした。介助の大変さばかり感じ焦る毎日が続き

ました。そんなある日、両親から「結果的に笑顔だったのと、笑顔を求めるのは違う。障害

者は幸せじゃないと生きる価値がないと言っている植松被告と同じ考えになってしまう」と

戒められてしまいます。

 

亜由未さんは先天性の心臓病で、生後4日目に手術を受けました。脳の血管が破れ、障害が

残ったのです。脳性まひで首と右手以外はほとんど動かせません。鼻から胃に通したチューブ

で栄養と水分を取っています。1日2回の散歩が日課で、亜由未さんは、近所の人たちから

何度も声を掛けられる笑顔の素敵な人でした。

 

18年前にお母さんは大きな病気を患い、大腸を全摘出しています。寝ている間も体位交換は

欠かせないので、お母さんは週5日、1時間おきに朝まで介助を行っています。本当に大変な

事です…。

 

亜由未さんの家は4年前から「あゆちゃんち」という看板を掲げていました。亜由未さんが

地域の人と交流できるように、自宅で月に数回、英語教室や太極拳などのイベントを開催し

ているのです。障害者への偏見が生まれるのは、地域に障害者の居場所が少ないからだと

お母さんは考えていました。障害者が『生きていても仕方ない』などと言われるのは、障害者

自身ではなく社会のせいだとお母さんは話します。

 

ほとんど言葉を発することができない亜由未さんを、理解しようともがくお兄さんの姿を

通じて、障害者を育てる家族の本音、大変なのと不幸は違うということ、そして共に生きる

幸せとは何かを考えさせてくれました。

 

【結果的に笑顔だったのと、笑顔を求めるのは違う。障害者は幸せじゃないと

        生きる価値がないと言っている植松被告と同じ考えになってしまう】

 

どんなに大変でも、どんなに辛くても、生きていて欲しいという家族の思い。自由に動きた

くても動けない…それでも、その命を全うしようとするひたむきな姿。どんなに不自由であっ

ても、幸せになる権利は誰にだってあるはずです。生きているからには、少しでも、そんな

体験をさせてあげたいと思うのが家族なのではないでしょうか。

 

私にも障害を持った甥っ子がいます。左足が折れて右足が変形し、自分では動く事すらでき

なくなっしまった動物の家族もいます。サポートする家族の苦労は、痛いほど分かります。

できることなら、本人や家族の負担が、少しでも軽減できるように、社会のサポート体制や

環境が整っていって欲しいものです。優れた医療器具や技術の進歩を、国も率先して支援し

て欲しい…そんな事を、心から願うばかりです。


 

  

 

 

 

 

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