9月28日放送のカンブリア宮殿『ジャパンミラクルで大躍進!外資系食品企業のイノベーショ
ン戦略』ネスレ日本の回、ご覧になられましたか?コーヒーの「ネスカフェ」、日本で最も
売れているチョコレート菓子「キットカット」など、強力なブランド商品を展開するネスレは、
100年以上の歴史を持ち、スイスに本社を置く外資系の老舗グローバル企業です。そんな食の
巨大企業、ネスレの中で、一際業績を伸ばしているのが、日本の現地法人「ネスレ日本」です。
そして、そのトップこそ、日本人初の生え抜き社長となった今回の主役高岡浩三さん。
高岡さんは、11歳の時、父親をガンで亡くされたそうです。祖父も父親も若くして亡くなった
事の影響か、若くして大きな仕事ができる外資系企業を選んだそうです。神戸大学を卒業後、
ネスレ日本に入社し、主にマーケティングを担当。すると41歳の時、大きな試練が訪れ、売り
上げが不振だったキットカットの再生を、5%の成長ではなくて、5年で5倍にしろとスイス
本社から託されてしまいます。
社長就任後、社員の発想力を高めようと、イノベーションアワードを実施。社員のやる気を
上げ、顧客が気づいていない問題点を見つけ、解決していく】という独自のイノベーション
戦略で好業績を続け、マイナス成長をプラスに転じさせます。なんと、与えられた5倍の目標
も4年で達成し、スイスの本社からは「ジャパンミラクル」と称賛されたのです。
そんな社長の金言は、【イノベージョンは 個人の発想からしか生まれない】・・・創業者で
薬剤師のアンリ・ネスレは、母乳で育つことのできない新生児のためにベビーフードを開発
されたそうです。母乳やそれまで一般的だった代替品も受け付けなかった早産児にも効果が
あったことで、瞬く間にヨーロッパで広く販売されるようになったそうです。
そんな前身からか、ソニーと共同でコーヒーメーカーとタブレットで連動できる音声認識シス
テムまで開発しています。この音声認識システムを使うと、タブレットに呼びかけるだけで
簡単にお好みのコーヒーを淹れてくれるのです。このシステムの凄い所は、超高齢化社会を
見据えており、独居老人が難しい操作をすることがなく、対話形式で安否確認もできるので、
地方の自治体も熱い視線をよせており、思わず千葉から離れた仙台で一人暮らす祖父にとも…。
村上龍の編集後記では、こんな事が書かれていました。
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ネスレ、ネスレ日本、両社とも歴史的な企業だが、常に「先端的」だ。印象的だったのは、
イノベーションという言葉のとらえ方だ。ウォークマン、カップ麺など、画期的な製品・
商品開発がイノベーションだと、どこかでずっと思いこんでいた。商品・製品が消費者の
手に入るまで、すべての過程にイノベーションは存在すると、高岡さんに教わった。「創造
的な思考を、ミもフタもなく長時間続けること」まさに真理だ。「アイデアが出ない」とい
う言い訳が無効になる。アイデアが出ないわけではない、充分に考えていないだけなのだ。
一言『イノベーションの新しい定義』
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今回は【イノベーション】という言葉が再三出てきたので、改めてWikipediaで調べてみると、
このように書いてありました。・・・イノベーションとは、物事の「新結合」「新機軸」
「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のこと。一般には
新しい技術の発明を指すと誤解されているが、それだけでなく新しいアイデアから社会的意義
のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い
変革を意味する。つまり、それまでのモノ・仕組みなどに対して全く新しい技術や考え方を
取り入れて新たな価値を生み出して社会的に大きな変化を起こすことを指す。
良い「アイデアが出ない」と嘆きたい時に思い出したいですね…
「創造的な思考を、ミもフタもなく長時間続けること」
まさに真理だ。「アイデアが出ない」という言い訳が無効になる。
アイデアが出ないわけではない、充分に考えていないだけなのだ。