昨日に続いて、NHKスペシャル『「人体」“腎臓”があなたの寿命を決める』ご覧になられまし
たか?普段あまり意識しない「腎臓」が、なんと寿命をも左右する、人体の「隠れた要」だ
というお話。10月1日の「人体」第1集・腎臓では、そんな「腎臓の知られざる正体」について
放送されたのです。中身は言うまでもなく濃いものでしたので、ここで全てについて触れる
ことなど、とてもできませんので、是非、見逃された方は再放送を録画してでもご覧頂ければ
と思います。
腎臓が血液をろ過しておしっこをつくる際、同時に、巧妙な仕掛けによって「血液の成分調整」
を行っています。腎臓の本当の役割は、血液の成分を厳密に適正に維持する、「血液の管理」
だったのです。その時その時、体にどんな成分がどれだけ必要なのか。「再吸収」を行う際、
腎臓はさまざまな臓器から情報を受け取って、血液の成分を絶妙にコントロールしています。
まさに「人体ネットワーク」の要ともいうべき存在だったのです。
つまり、腎臓の異常が全身のほかの臓器にも悪影響をもたらし、逆にほかの臓器で異常が起き
ると、その影響が腎臓に及びます。世界中の医学論文を解析したある研究では、入院患者全体
のうち5人に1人が「急性腎障害(AKI)」という症状を発症し、命のリスクにさらされている
ことが明らかになってきました。気づかずに放置すれば、腎臓の障害が全身のほかの臓器にも
飛び火し、「多臓器不全」を起こして死に至ることも少なくないというのです。
治療のために投与される薬などが腎臓に負担をかけていることも、その一因になっていると
指摘されています。命を守るために、常に腎臓を見守る。そんな新しい医療の発想が、取り
上げられたイギリスの病院では、既に導入されていました。心拍数だけでなく、腎臓の状態も
常に監視していたのです。
私事ですが、昨年の秋に、健康保険協会から慢性腎臓病(CKD)の疑いがあるという通知が
突然届きました。理由は、その指標となる推算糸球体濾過量(eGFR)が低い状態が何年も
続いているからという事でした。ちなみに、このeGFRは血清クレアチニン値と年齢と性別から
計算でき、『知ろう。ふせごう。慢性腎臓病(CKD)』という協和発酵キリン株式会社サイトの
トップページ右下の『調べてみようeGFR測定』というボタンをクリックする事でも、簡単に
診断が出来ます。
で、元に戻りますが、番組の前半で触れられた『腎臓を鍛える』…というお話。
標高およそ2,000mにあるプールで行われる競泳選手による【酸素の薄い】「高地トレーニ
ング」。トレーニングを始めて間もない練習後、血液中の酸素量(血中酸素飽和度)を計測
すると、80%台。平地では通常96%を切ることはないそうです。体がたいへんな酸欠状態に
陥っていったというのです。
ところが、それから2週間後。ふたたび練習後に測定を行うと、90%を超える値に回復して
いました。「高地順応」と呼ばれる現象で、体が酸素の薄い環境に見事に適応したのです。
このとき鍛えられていたのが【腎臓】。体内に酸素が足りなくなると、それを察知し、
「酸素がほしい!」という腎臓からのメッセージを全身に伝えます。
これによって骨の内部、「骨髄」では、酸素を運ぶ「赤血球」が増産され、体中に効率よく
酸素を運べるようになるのです。実際、高地トレーニングを行うと、2週間ほどで赤血球が
大幅に増えるそうです。
腎臓機能が弱くなっていると言われてしまうと、こうした番組を見た後に思うのは『私って
短命なのか?』と落ち込んでしまうこと…。沢山止められない薬を飲み続けて腎臓に負担を
かけているし…。
そして、『腎臓を鍛える』という話を聞いてしまうと、『私も高地トレーニングすれば?』
って、思ってしまいますよねぇ…。この年で、そんな事をしたら、腎臓の前に心臓が止まって
しまいそうです…。思考が単純すぎますかねぇ…。でも、『腎臓にも思いやりが必要』だとは
痛いほど感じる事が出来ました。
【第2集“脂肪と筋肉”の会話がメタボを治す】…またまた私に深く関係しているテーマのよう
で、11月5日(日) 21時〜の放送となっています。お見逃しなく!!私も、見逃さないようにしな
くては・・・