ティータイム

貧しい故郷を何とかしたい...そんな心が奇跡を生み出す!

2017-11-24 NEW!

 

11月9日 放送のカンブリア宮殿『急拡大!料理が激ウマになる絶品塩ビジネス!宮古島発、

故郷への愛が生んだ食卓革命』の回、ご覧になられましたか? 今、日本中で様々な製法の

個性あふれる塩が登場し、「塩ビジネス」が拡大しているそうです。そんな急拡大する塩市場

で急成長を遂げるのが、日本初の塩専門店「塩屋(まーすやー)」。変わった読み方と思う

かもしれませんが、沖縄発祥が、その理由。貧しい故郷を何とかしたい...今回は、そんな心が

奇跡を起こした感動のお話でした。

 

人口が減り続けていた沖縄の宮古島で生まれた西里社長。幼少の頃から父に「なにか島を

盛り上げる仕事に就け」と言われて育ったそうです。西里さんは、サトウキビしかない貧し

い島を観光客でいっぱいにしたいと、27歳の時、観光農園を開業。しかし、2年で3,000万円

の借金を抱えてしまいます。一方、西里さんの父親も、島に新たな産業を生み出そうとベン

チャーを立ち上げましたが、その事業も資金が底をつき挫折してしまいます。

 

そんなどん底の親子が最後の望みをかけて挑んだのが、当時、国による塩の専売が自由化

されたことで、各地で始まっていた塩づくりだったのです。西里親子が、宮古島特有の地下

海水から作った雪のようにサラサラした「雪塩」は、18種類のミネラルを含み、【最も多く

ミネラルを含む塩】としてギネス記録に認定されるという奇跡を起こしたのです。

 

今や、全国に7店舗展開する日本初の塩の専門店「塩屋(まーすやー)」。ペルーの岩塩や

ウユニ塩湖の塩など、世界中から厳選した360種類の絶品塩が並ぶ中、得に人気を集めて

いるのは、やはり【雪塩】。粉雪のようにサラサラで、独特の甘みを持った雪塩は、「雪塩

ちんすこう」や「雪塩カルピス」など、お菓子や飲料メーカーとのコラボ商品にも引っ張り

だこで、我が家でも家内が愛用しています。

 

4年前に西里さんがオープンさせた『島の駅みやこ』の産品の殆どは、宮古島産。ここで売ら

れる「雪塩もずく」や「雪塩ピクルス」なども、島の宝の付加価値を上げる商品開発として

西里さんが力を入れて産み出したものでした。

 

雪塩を17年前に開発した西里さんは、自分の塩を売るだけでなく「もっと塩の楽しみ方を伝え

れば市場が広がるのでは」と、ライバルともいえる他の塩を集めて専門店を開いたそうです。

各地で手間暇かけて作られる塩は、土地や製法によって含まれるミネラル成分のバランスが

異なります。単に塩を売るのではなく、塩と食材の相性を徹底的に研究し、それを客に伝え

ることで、塩屋を大繁盛店に磨き上げた西里さん。とても素敵な方でした。

 

いつもの村上龍の編集後記ではこんな風に書かれていました。
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「敵に塩を送る」の故事が示すとおり、かつて塩は貴重な戦略物資だった。西里さんは、独自

に、高品質で味わい深い塩を作ったが、その利益・名声を独占しようとしなかった。おおらか

で、慈愛にあふれ、かつ謙虚。沖縄らしいなと思う。「若者が島に戻ってくるように」宮古島

だけではなく、故郷を大切に想う人たち共通の願いだろう。「雪塩」誕生までの数々のエピソー

ドは、心温まるものだが、同時に苛烈でもある。雪塩は、やわらかで、優しい味だった。何度も

絶望の縁に立った人にはとても見えない、西里さんの笑顔と似ていた。
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貧しい故郷を何とかしたい…そんな故郷を大切に思う気持ちが奇跡を呼び込んでいったので

しょうねぇ。よいお話でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

驚きの巨大レンタル…SL、不気味な大量招き猫…

2017-11-22 NEW!

 

10月17日放送ガイアの夜明け『走れ!「レトロ」大作戦』の回、ご覧になられましたか?

全国各地で新たな施設や名所が誕生していますが、オープン当初は物珍しさもあって人が

やって来るものですが、やがて飽きられて集客に苦戦してしまう…よくある話です。そんな中、

昔からある建物やモノを活用したり、アレンジすることで集客の目玉にしようという動きが

出ているらしく、古いものこそ新しいという意識…〝レトロ〟を武器にしている企業が今回の

主役でした。

 

中でも一番目を引いたのが【SL貸します】の大阪市にある運送会社の「アチハ」。一般的な

知名度は低いようで、私も初めて知った会社ですが、鉄道車両やロケット、風力発電プラント

など、特殊な重量物の搬送では知る人ぞ知る会社だそうです。

 

そんなアチハは1923年に創業。現在は4代目となる阿知波孝明さん(40歳)が陣頭指揮を取っ

ています。阿知波さんが、新たに挑戦しているのが、蒸気機関車をリースするという日本初の

ビジネス。アチハは年間300台もの鉄道車両を全国に運ぶなか、自治体などから「集客の目玉に

SLを走らせることができれば」という声を多く聞いてきたそうです。

 

ところが本物のSLを走らせるには、整備に数年を要し、億単位のお金がかかるとのこと。

そんなに経費のかかるものだったんですね。そこでアチハは自らSLを購入・整備し、運送

から線路の設置、運転士までつけて1ヵ月2,000万円程度でリースする事業に乗り出しました。

目玉は、ただ乗るだけではなく、自分で運転できるというもの。実際に乗車している人たち

の嬉しそうな表情といったら、大人でも子供のような満面の笑顔でした。

 

私が住む千葉県の柏市には、汽車ポッポ公園というSLのある小さな公園がありますが、もう

少し、ありがたみを持って接しなくてはいけませんね。動く事はありませんが、あれだって、

それなりにお金のかかった事でしょうし…。

 

また、同じ電車繋がりで登場した東急電鉄では、利用者数のアップを図るためのプロジェクト

…名付けて「招き猫大作戦」を始動させていました。目をつけたのは近年増え続ける外国人

観光客。東急のお膝元ともいえる渋谷には、数多くの外国人観光客が訪れるらしいのですが、

そんな外国人たちを東急沿線に呼び込もうというのです。

 

集約の舞台に選んだのが、2両編成で住宅の間をかすめるように走る〝レトロ感〟いっぱいの

世田谷線。沿線には歴史的建造物や施設が並ぶ、まさに昭和の日本を垣間みることができる

古き良き路線。外国人観光客と学生を結ぶサイトを運営して沿線沿いの名所をアピール。

何度かテレビで紹介された事のある招き猫発祥の地といわれる豪徳寺と組んだ取り組みは、

少しずつ結果を出しているようでした。この豪徳寺…招き猫の数が本当に半端ではなく…
 

 

訪れている外国人には「かわいい」という声もありましたが「気持ち悪い」という声も…。

いずれにしても反応があるという事は、SNSで拡散される可能性も高く、良い集客につながる

のでしょうねぇ。オリンピックに向けて、こうした外国人向けの取り組みは、様々な所でおこり

日本人である私たちにも、新たな発見をさせてくれるのかもしれませんね・・・

 

 

 

 

 

第一次世界対戦前の1913年にやって来た老舗のネスレ日本!!

2017-11-21 NEW!

 

【メルクリウスの扉~日本が世界に誇る100の“ストーリー”~】テレビ東京のこんな番組を

ご存知でしょうか?以前にもご紹介したかもしれませんが、毎週やっている訳ではないので、

私も取り上げたか否か…うる覚えでして…。それでも今回で7回目。これまで紹介されてきた

企業は、『明治』『サントリービール』『東京エレクトロン』『アイホールディングス』

『イオンモール』『日本マクドナルド』…そして今回の『ネスレ日本』。つい先日も「がっ

ちりマンデー」でしたか、特集されていたような…。

 

番組サイトでは、以下のように番組紹介されています。
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「メルクリウスの扉」とはー
 挫折…苦悩…情熱…成功への扉が今開かれるー
  混沌とする世界経済、新興国の台頭…
日本を取り巻く環境が激変…
 その中にあって、長きに渡り独自の技術や発想で、高品質な
  プロダクトを生み出し続ける企業が、日本にはたくさんあります。
この番組は、そんな日本が世界に誇る企業で働く人たちに密着、
 その強さの秘密を解き明かします。
  過去・現在・未来…
   「成功への扉」は、自らの手でこじ開けるもの!
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11月12日の日曜日に取り上げられた『ネスレ日本』さんは、第一次世界対戦前の1913年に

日本へ進出し、早くも100年を超えるとか…。これって、もはや日本の老舗レベルですよね。

『違いの分かる男…遠藤周作』のCMは、いまだに忘れられないキャッチコピー。

 

【キットカット】をはじめ【ミロ】【ネスカフェ】【クレマトップ】【モンプチ】等など、

人気商品も数多く、今一番気になっているのが【ネスカフェドルチェグスト】。実は私も、

定期便で頼むか思案中でして…無料でマシンが借りられて、美味しいコーヒーばかりか、

抹茶まで飲めるようで、とっても魅力的なのです…。

 

《メルクリウス:Mercurius》とは、ローマ神話の商業の神のことで、その杖は指すものを

目覚めさせ、希望の光を放つといいます。人気商品を次から次へと世に送り出してきたネスレ

日本…確かに光を放っている気がしますが、そんな会社で働く人たちは、「あなたにとって

会社とは」という問いかけに対して、次のように答えておられました。

 

「自分のやりたいこと、思っていることが実現できる場所」

 

「人のために役立てる場所」

 

「一緒に成長していける、乗り越えられる仲間がいる、家族みたいなもの」

 

良い会社だという事が、こんな答えからも分かる気がしますよね。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

社会インフラとして、なくてはならないコンビニに・・・

2017-11-20 NEW!

 

11月2日放送のカンブリア宮殿『王者セブンを追撃!ファミマ大改革の全貌』の回、ご覧に

なられましたか?何だか突き抜けた感じのテレビCM「ファミチキ先輩」に、「ファミ横商

店街」...ファミリーマートが、変貌を遂げようとしているという今回のお話。社長自らが

着ぐるみの中に入っているとは知りませんでした・・・。

 

コンビニ業界で長らく3位が定位置となっていましたが、サークルK・サンクスと経営統合

し、店舗数の上ではローソンを抜いて、王者セブンを追撃する展開となっているファミリー

マート。改革の陣頭指揮を執っているのが、就任して1年の社長、澤田社長。がっちりマンデー

ほか、テレビで何度も見ている方なので、顔は良く分かります。

 

澤田社長は、伊藤忠商事時代に、セブン‐イレブンジャパンの鈴木敏文氏のアメリカのセブン

買収を補佐した実績があるほか、転職先のファーストリテイリングでは、フリースブームを

巻き起こし、柳井氏から次の社長にと請われるなど、素晴らしい経歴の持ち主です。去年、

古巣、伊藤忠の傘下であるファミリーマートの経営を任され、以来大胆なかじ取りを行って、

王者セブンを追撃しています。

 

編集後記で村上龍さんはこんな風に話されていました。

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コンビニは、すでに社会インフラになっている。澤田さんを迎え、3強と相対したことに

なるが、共通認識があった。「市場はまだ飽和状態ではない」3社とも、そう確信している。

巨大市場だが、商圏、店舗ごとの、細やかで、多様性のある努力・工夫の積み重ねが、競争を

制する。1%が好みの店を変えるだけで、約1,000億円が動く。端から眺めると実に興味深い

が、経営陣、現場、ともに大変だろう。澤田さんは「熱血漢」と評されることが多いが、

冷静でロジカルな人物だった。果たして、業界地図は塗り替えられるのだろうか

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先日、ガイアの夜明けでは、3位に転落した?ローソンの「おにぎり」が取り上げられていま

したが、コンビニは、今やなくてはならない存在になりつつあります。カラオケ店と併設して

いるコンビニも紹介されていましたが、イートインスペースもそうですが、地方の買い物難民

の救済や、緊急時の生活支援等も考えると、とことん「便利」を極めてくれているのを感じ

ます。

 

3強のどこが上に行こうと、私たちには、あまり関係ありませんが、これからどんな形で

貢献して頂けるのか、新しい展開から目が離せませんね。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体験でワクワクさせてくれる家電メーカー【バルミューダ】

2017-11-17 NEW!

 

10月19日放送のカンブリア宮殿『革新的家電を続々開発!躍進するバルミューダの秘密』ご覧

になられましたか?今、何かと注目を集めている革新的な家電メーカー『バルミューダ』。

2003年創業で、社員わずか69人の会社ながら、自然な風を再現する扇風機や、食パンをふっくら

と焼き上げるトースター、水蒸気で炊き上げる炊飯器などの革新的家電を次々と発売し、今や

大手メーカーも後続で類似品を出してくるほど・・・一目置く存在となっています。

 

そんな会社の寺尾社長は、創業した時、家電メーカーなどに務めた経験もないド素人でした。

17歳の高校生の時、「自分の将来の職業に関するアンケート」があったそうで、当時、「絶対に

書いてはならない」と思ったそうです。たまに「絶対に嫌だ!」と思うことがあるそうで、村上

龍さんに「適当に書けばよかったのでは?」と聞かれると「自分の持ち物の中で、最も素晴ら

しいものは可能性だと思っているんです。だから、適当に書くことは自分が持つ可能性に対する

裏切り行為になる気がしたんです。」と…。

 

そんな理由で17歳にして高校を中退しヨーロッパを放浪。その後、10年間、ミュージシャンと

して活動していましたが、「努力しても叶わない夢がある」ことに気付くと、音楽活動に限界を

感じ、一転ものづくりを志していきます。

 

工作機械を貸してくれる親切な町工場に出会うと、パソコン冷却台を自作。これが第1号の

商品となったそうです。その後、LEDライトなどを製作し、新たな夢は軌道に乗ったかに見え

ますが、2008年のリーマンショックで倒産寸前に・・・。落ち組む寺尾は、たまたま通りがかった

ファミレスの前であることに気づきます。「自分の商品が売れなかったのは本当に必要とされ

る商品ではなかったからだ」と。

 

「人に必要とされるものを作りたい」と思い始めると、工場で回されている扇風機が後ろ向きに

なっている事に疑問を持ちます。「壁に当たった方が、風は優しくなる」と先輩に言われると、

なぜ優しくなるのか?その感覚を理解する為に流体力学まで勉強し、「自然の風を再現する

扇風機」の開発に乗り出していきます。

 

試行錯誤の末、画期的な扇風機の開発に成功しますが、今度は量産する為の資金がありません。

そこで寺尾社長は、その扇風機に使われるモーターを作っている会社に6,000万円の支援を求め

たのです。求められた会社の代表は、本来全く関係のない話なので断るのが普通と思いきや、

その熱意に押されて出資を決意。結果的に扇風機が爆発的に売れる事で、そのモーターを作って

いた会社も大きな利益を得る展開になったのです。

 

一昨年発売された『トースター』は、独自のスチーム噴射によってこれまでにない食感に焼き

あげる特徴が受け、30万台以上の大ヒットとなったそうですが、試食したアシスタントの小池

栄子さんの驚く様子は半端ではありませんでした。パン好きな私も、是非欲しいと思っている

物です。

 

「常識を疑うことからものづくりは始まる」と話す寺尾社長。多くの大手家電メーカーが不振

に陥る中、次々とヒットを生み出すバルミューダは、昔のソニーを思わせる一面もありますが、

「モノを売るのではなく、体験を売ること。嬉しい体験をしてもらいたい」と語る寺尾社長。

 

村上龍さんが寺尾社長に指摘した事…。これまで寺尾社長が人に相談することなく選択してき

た生き方は、「スイッチが入ると止められない」という性格にあって、良い協力者に出会って

きたのは、幸運でも奇跡でもなくて、出会うまで探し続けたからだと。

 

また、編集後記ではこんな事も言っていました。『新しい何かを生みだす人は、必ず協力者に

出会う。消費者の需要をイメージするのはむずかしい。それは、開発というより創造だ。今後、

家電は、製品ではなく、作品になっていくのかもしれない。』

 

ワクワクする体験…生活を豊かにしてくれそうですよね。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブラック・ジャックが与えた医療・命への提言・・・

2017-11-16 NEW!

 

11月7日放送のアナザーストーリーズ『手塚治虫  ブラック・ジャックからの伝言』の回、

ご覧になられましたか?手塚さんの中で、1番売れたのは「鉄腕アトム」だと思い込んでいた

私ですが、実は「鉄腕アトム」が3位、「火の鳥」が2位で、ブラックジャックが1番だった

んですね。そんなブラック・ジャックが今回のメインテーマでした。

 

いつもの3つの視点は、編集者・医師・映画監督の視点から話されていました。マンガの神様

・手塚さんが生んだ異端の天才外科医「ブラック・ジャック」。しかし連載が始まったとき、

手塚さんはどん底にいて、まったく期待されていなかったそうです。それがなぜ大ヒット漫画

になったのか?初代編集者が語る誕生秘話、医療に携わる者を揺さぶり続ける命をめぐる重い

問いかけ、がんと闘う大林宣彦監督が語る共通の戦争体験…不条理や人間の闇と格闘するブラッ

ク・ジャック…。

 

第一の視点「編集者」が語るブラック・ジャックは波乱の船出からだったそうです。それまで

のマンガと違って、「あしたのジョー」や「ゴルゴ13」等が出てくると、手塚マンガが受け

なくなっていき、手塚さんが起こした「虫プロ」という制作会社も4億円の負債を抱えて倒産

してしまったんだとか。

 

そんな手塚さんと親しかった編集長がやってくると『死に水をとってやろう』と担当者を

指名し、4~5回で終わるだろうからと携わったのがブラックジャックだったとのこと。毎回

一話完結で、つまらなければ4話で終わるという条件でスタートし、悩んだ末に、手塚さんは、

医学生だった経験をマンガに投じたのです。

 

初回のブラック・ジャックは、表紙の片隅に小さくタイトルが書かれただけ。カラーページ

なしの始まりでした。アンケートをとっても評判は良くなく、担当者は終わりを覚悟してい

たそうです。ところが、借金の対応等で1話穴をあけてしまうと抗議が殺到し、目に見えない

多くのファンがいた事を知らされるのです。

 

第2の視点「医師」では、多くの医者に影響を与えた事が伝えられていきます。緩和医療や

在宅医療への影響、臓器移植の問題提起。医術をふるうことなく患者に寄り添うだけの話も

あったようで、医療が医師と患者の共同作業であることを意識させ、再生医療にも繋がって

いると話す医師まで…。

 

手塚さんが『医療とは何か?』『医者は何をすべきか?』を問い続け、医療だけでは解決でき

ない問題を教えてくれたというのです。そんな深い話と真摯に向き合ったマンガだっただけに、

それまでになかった読者層まで開拓し、大ヒットに繋がっていったのでしょうね。今では医療

系のドラマも多く放送されるようになりましたが、そのパイオニアが実は手塚治虫さんだったん

ですかねぇ。

 

実は、昔、学校の先生をしていたのですが、お父さんを若くして亡くした女子学生が、医者に

なるために睡眠時間も惜しんで猛勉強をしていたのを思い出しました。校内で、いつもトップ3

に入っていた彼女は、志望通り有名校に進学していきましたが、間もなく、志半ばで亡くなっ

てしまいました。身体を酷使していたのが原因では…とも感じましたが、医療に携わった人

たちは、どうにも抑えられないエネルギーに引っ張られているのかとも思ったものです…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陰で支えてくれている人たちに感謝し、大切に扱いたいもの

2017-11-13 NEW!

 

10月31日放送のガイアの夜明け『立ち向かう!物流"危機"』の回、ご覧になられましたか?

「獲れたてのサンマ」「朝採れのとうもろこし」など、今やスーパーで客の目を惹きつける、

当たり前の"鮮度"をアピールする売り文句。『少しでも新鮮な商品を』と、求める消費者の

ニーズに応えようとしています。それを裏で支えているのが、商品を産地からスーパーまで

運ぶ、トラック運転手の存在です。

 

今回は、そんな売り文句の裏側で、真夜中に長い距離を走ったり、労働が長時間に及んだり、

という問題が起きている事を教えてくれました...。そう、ヤマト運輸などの宅配便の話を

思い出します。

 

過酷な労働環境から、トラック運転手になる若手の数は減少傾向にあり、運転手の、高齢化も

進んで、物流業界は「危機」に直面しているといいます。番組では、札幌市の運送会社「フジ

ネット」という会社が取り上げられていました。

 

メロンやとうもろこし、北海道の青果を50年にわたって運び続けてきましたが、ドライバー

の労働時間の短縮を難しくする、ある問題に悩んでいました。それは、野菜を運ぶ場合だと、

大量に出荷される野菜のダンボールをトラックに積み込むのがなんと、殆どがドライバー

たった一人…それも2時間超の重労働。やっとの思いで積み込み終えると、そこから長距離を

運転し、目的地の卸売市場に。到着すると、今度は荷降ろし作業を、また一人で…。

 

テレビで取材された時は、1箱10キロの荷物がなんと1,200箱でした…。本来の「走る」という

業務以外の負担が、長時間労働を招く一因となっていたのです。そうした労働環境もあって、

フジネットでは58人いたドライバーは40人にまで減少していました。

 

なんとかして、そんな現状を打ち破ろうと、フジネットは、国土交通省などの事業に携わる

物流の専門家を招き、国の力を利用して長時間労働を解消しようと考えました。得られた

対策は、荷物の積み込み・荷降ろしをレンタルしたパレットごと処理するという事。

 

バレットとは荷物を載せるための台のことですが、通常、これはそれぞれの目的地で管理

していて、それ事持って行くことができない為に、こんな負担が強いられていたのです。

そうして、人力ではなく、パレットごとフォークリフトで処理する事で、大幅に時間短縮

されるだけでなく、番組では触れられていませんでしたが、1,200箱の荷物を積んだり降ろ

したりという重労働も解消できたのです。

 

消費者の欲望を満たしていくために、陰で支えてくれている人たち…。本当にありがたい話

ですが、関わる人たちの生活を壊すようなことがあってはならないし、私たちも、そうして

支えてくれている人たちに感謝しつつ、得られたものを粗末にしないよう心していきたいもの

です。

 

…っていうか"便利"とか"消費者の欲望"とか、それを支えてくれている人たちは、ある意味

"夢"を叶えてくれている訳ですから、もっと優遇されるべきだし、それに見合う報酬や環境を

アイデアで実現していって欲しいものです。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

『五輪書』から宮本武蔵に憧れたアルゼンチンの少女

2017-11-10 NEW!

 

10月30日放送の世界!ニッポン行きたい人応援団!『宮本武蔵と剣術を愛するアルゼンチン

の女子中学生メリッサさん』の回、ご覧になられましたか?誕生日プレゼントでもらった

『五輪書』(ごりんのしょ)が大好きで宮本武蔵に憧れ剣術を習っています。『五輪書』は、

宮本武蔵が著した兵法書で、剣術の奥義がまとめられていると言われています。

 

来日して早速向かったのはメリッサさんがずっと行きたいと願っていた、剣豪・宮本武蔵が

五輪書を書いたとされる熊本の「霊厳洞」。洋服では失礼にあたると、わざわざ道着に着替

えての霊巌洞へのお参り。少女の憧れの気持ちがよく伝わるシーンでした。

 

武蔵の技を受け継ぐ「兵法二天一流」の宗家・吉用清さんを訪ねて道場へお邪魔すると、

あこがれの吉用さんから声をかけられ、大喜び。寸止めが出来ないメリッサさんに吉用さん

が足さばきや構えを教えてくれていました。オーラを感じる切れ味の良い吉用さんでした。

 

体幹がブレず、より安定した太刀筋にするためには、つま先から歩くのではなくかかとから

先につけることが大事なんだそう。また構え方は脇を締めることが重要。脇が開いた状態だと

刀がぶれてしまいますがしっかり脇を締めると太刀筋が真っ直ぐに。空気が振動し音が鳴っ

たら、真っ直ぐな太刀筋の証拠。すり足で動くとイメージしていた事は、実は凸凹した普通の

地面を想定すると、つまづいたり転んだりとあり得ない足さばきだとか…仰る通りでした。

 

翌日、全国に4万社あまりある八幡神社の総本宮の宇佐神宮へ行くと、そこに奉納されて

いる、普段は非公開の宮本武蔵が自作をしたとされる「赤樫木刀(あかがしぼくとう)」を

見ることができました。娘に剣術指導をしてきたお父さんも、実は娘と同じくらい憧れて

いるようで、羨ましそうにしている姿がなんとも愛らしくも思えました。

 

お別れの時、吉用さんは二天一流の太刀と小太刀の二振りをメリッサさんにプレゼントして

くれました。翌日、メリッサさんはニッポンに数人しかいないという竹刀職人がいる福岡へ

行きますが、こちらは11月6日の後半での放送。この竹刀の作られる工程がまた職人技。

上級者愛用の真竹の筋をまっすぐに伸ばしていく様は感動ものでした。『竹刀は戦う相手を

傷つけない為に生まれたもの』という職人の言葉が印象的でした。また、こちらでも高価な

竹刀の太刀と小太刀の二振りをプレゼントされていました。

 

初めての日本訪問で、二天一流の刀セットを2組も貰えるなんて、なんて有り難い番組なんで

しょうか。日本人の私も、こんな風に招待して欲しいくらいです。いつもながら、迎える人

たちの優しさを感じ、招待される人たちの熱意に圧倒され、良い気持ちで番組を見終わる

事が出来ました。長く続いて欲しい番組です。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

不自由な人でも当たり前に歩けるようにしてくれる夢の歩行機具

2017-11-7 NEW!

 

9月24日(日)夜10時30分から放送の未来EYES、最終回『重力だけで歩く二足歩行ロボット』

ご覧になられましたか?

 

足を使って歩いたり、走ったりすることは、私たち人類以外にも、多くの生きものが当たり前

に行っていて、取り立てて考える事は殆どありません。しかし、誰しもいつかはそんな当たり

前の事にさえ、不自由を感じるようになり、また中には病気などで足を使うことが困難になる

人もいます。

 

私も左ひざの手術をし、右ひざ、腰へと不自由が広がっている人間ですので、普通に歩けた

り走れたりした頃が嘘のようになっており、不自由になったからこそ、当たり前に歩けたり

することが、とても有り難い事であることが分かってきました。

 

そんな不自由な状態を少しでも解消しようと、人間が歩く「原理」をとことん追究し、エン

ジンやコンピューターなどが付いていない「動力ゼロ」の歩行支援機を開発した、名古屋工業

大学大学院工学研究科の佐野明人教授が最終回の主役でした。

 

人間は、実は筋肉の力だけで歩いておらず、地球に存在する重力を利用して歩いているそう

なのです。佐野先生は今仙技術研究所と振り子の動きとバネの動きが作用して脚の振り出しを

アシストする動力を使わない歩行支援機『ACSIVE(アクシブ)』を共同開発しました。足の

動きを見ながらでなければ歩けない人でも、人並みに前を見て歩けることの幸せを、再び味

わう事ができるのです。

 

現在では健常者の歩行アシストのため『aLQ by ACSIVE』や重い荷物を運ぶ人をサポートする

『SUPER ACSIVE』も開発しています。モーターを使って機械を歩かせるよりも、受動型・

無動力の方が遥かに滑らかな二足歩行ができるのです。モーターや部品を追加する事で可能

にしていくのではなく「必要なモノだけを残した引き算の開発」…エコで自然で感動の歩行

支援機具でしてた。

 

ちょっと話がずれるかもしれませんが、【触覚コンタクトレンズ】というものが登場して、

それを対象物との間に挟んでなぞるだけで、わずかな膨らみを理解する事ができるようで、

足を失った人でも、地面に足が触れるときの感触を体験できるというのですから、こんなに

ありがたい話はありません。必要不可欠な、【歩く】【走る】の原理を見つけることが開発

につながり、人の支援に役立てられる。最終回も素敵なお話でした。

 

残念ながら、9月いっぱいで終了してしまった未来EYESですが、他局に類似番組が数ある中

で、構成の仕方や最後の一言…大好きな番組でした。また、復活してくれることを願いつつ、

とりあえずスタッフの皆さん、お疲れ様でした。夢の持てる番組でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

考え抜いた末に意識の底から泡のように浮かんでくるアイデア

2017-11-6 NEW!

 

10月12日放送のカンブリア宮殿『行列のできる地方銘菓スペシャル②老舗菓子店が挑む常識

破りのベンチャー魂』ご覧になられましたか?

 

日本のお土産お菓子市場は、約2兆5千億円。毎年、数えきれない程の新商品が世に出ては、

消えていく…そんな業界で、約50年も売れ続けるロングセラー商品が「桔梗信玄餅」。きな粉

餅に黒蜜をかけて味わう山梨県の名菓ですが、その製造・販売を手掛けるのが今回の主役

『桔梗屋』。

 

明治22年創業の老舗菓子店で、驚く事にお菓子の製造だけでなく、飲食店の運営や、ホテル、

テーマパークに、ブライダル、更には自社農園まで持つ等、幅広い事業を展開しているのです。

 

【自分が楽しいもの】をベースに考え、『「8割が良い」ではなかなか売れない…「まあまあ」

ではダメ、でも、「たった1人でも、良いね」なら、少なくとも1人は買ってくれる』・・・

面白い答えでした。大学でマーケティングを学んできたことで、企業が生き残るには常識に

とらわれないベンチャー精神が大切なことに気付き、だからこその多角経営だったのです。

 

山梨県笛吹市にある桔梗屋の工場は年間160万人の客が集う観光スポット。早朝から大行列

ができる桔梗信玄餅の詰め放題や、信玄餅の全工程を見られる工場見学、さらに商品の包装

体験など、客を楽しませる仕掛けを多数用意。桔梗屋は、土産物の定番、桔梗信玄餅以外

にも、黒蜜をかけるプリンや餅の入ったロールケーキ等、常に新しい菓子を開発し続け、

客の話題をさらっていました。

 

果実王国・山梨。…とは言うものの、農家の高齢化や跡取り問題などで耕作放棄地が増加して

いるのは、ここ山梨も同じ。それでも桔梗屋はその土地を借り、自社農業として活用。収穫

した野菜は自社のレストランで提供するなど山梨県の産業振興に取り組んでいたのです。

さらに地元農家のため、果実を大量に購入。その果実で山梨を代表する新たな菓子作りに挑ん

でいるのです。印象的だったのは、村上さんの『全国展開はしないのか?』という問いに対

して『全国展開は、各地にも和菓子屋さんがあるのだから、私たちは山梨の誇りでありたい』

と答えたこと。地元山梨に貢献したいという【山梨愛の強さ】をとても感じる事が出来ました。

 

いつもの村上龍の編集後記では、以下のように書かれていました。

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「成功の秘訣」などないんだなとつくづくそう思う。商品もサービスも細かく多様化して、

しかもモノは余っている。どんな商品を、どう売ればいいか、共通する答はない。中丸氏は、

マーケティングを深く学んでいるが「市場調査」を重要視しない。「自分が面白いと思うか

どうかだ」そう言いきる。だが「面白いアイデア」は、どこかに転がっているわけではない。

考え抜いた末に、あるときふいに意識の底から泡のように浮かんでくる。さえない響きのある

「地方の中小企業」という言葉、桔梗屋は、そのイメージを一新した。 

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考え抜く事・・・また、この答えにたどり着きましたね。『どうしたら良いのか』…そう

考えても迷走し続けている時・・・『本当にトコトン、四六時中、考え抜いていたのか?』

嘆いて投げ出す前に、もう一度、自分自身に問いかけてみたいですね・・・

 

 

 

 

 

 

 

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