11月23日放送のカンブリア宮殿『地方を盛り上げる切り札! いま注目の「地域商社」の全貌』
の回、ご覧になられましたか?
昨年7月、第1回地域商社協議会なるのものが開かれました。これは、地域の将来を支える名品
等の地域資源を最大限生かした市場の開拓を目指し、司令塔の役割を果たす「地域商社」の
設立・普及と、その効果的な事業展開をめざし、官民共同で実施運営する協議会ということで、
今年の11月には、もう8回目の協議会が行われています。
そうした努力もあってか、今や地方経済を活性化しようと、全国各地に「地域商社」が誕生し
ているそうで、特産品はもとより、観光資源なども含めて地域を丸ごと国内外に売り込んでい
るらしいのです。市場動向を探って「地産外商」で地域内に利益をもたらし、新事業を立ち上
げていく集団…それが「地域商社」というわけです。今回は、そんな地域商社で大きく成功を
収めているファーマーズ・フォレストが主役。
ファーマーズ・フォレストの松本社長は、不動産会社の一社員として、業績不振の温泉旅館や
商業施設の再生を行い、軌道に乗ったらすぐに売却するという仕事をしていたそうです。そん
な折、赤字だった【ろまんちっく村】を見て、「再生して売却するのではなく、再生した上で
じっくり育てる仕事がしたい」と思ったそうです。そうして立ち上げられたのが、不動産会社を
辞めてスタートさせたファーマーズ・フォレスト。
もともと第3セクターが手掛けていた農林公園を、【道の駅うつのみや ろまんちっく村】とし
て再生し、今では年間140万人が訪れる大人気の道の駅にしています。東京ドーム10個分という
広大な敷地の中では、地場の珍しい産品を並べた売り場が多くの客を引きつけ、地場食材をふん
だんに使った飲食店や、温泉、プール、ホテル、地ビール工房などもあって、いわゆる「道の
駅」の概念を超えた施設となっています。松本社長は、この道の駅だけでなく、廃墟と化してい
た「大谷石の採掘場跡」を整備して観光ツアー商品にするなど、栃木県そのものの再生も手掛け
ています。
冒頭でお話した「地域商社」のフロントランナーとして、他の地域からも手本とされている
ファーマーズ・フォレスト。松本社長は、ろまんちっく村以外にも、地元農家から農産物を
集め都内のスーパーの直売所コーナーに置いてもらう仕組みを構築したり、栃木産品の通販
ギフト誌「トチギフト」を制作・発行したりと、あらゆる手法で栃木を売り込む販路づくりに
奔走していました。そうして、地方都市ならではの流通の形を造ろうとしているのです。
今、1年の半分は沖縄にいるという松本社長。沖縄県うるま市に来年オープンする直売施設の
運営をファーマーズ・フォレストが受託したのです。松本社長はこう話されていました。「沖
縄の産品は大都市では既に飽和状態。しかし、栃木を始めとした地方にはほとんど出荷されて
いない。地域と地域を結ぶことで、新たな市場が創出されるのではないか」と。
特定の地域内だけに利益をもたらす「地域商社」ではなく、地方同士をつなぐ、広がりを持っ
た地域商社としても、今後、とても楽しみな会社です。こうした個人の利益を大きく超えて、
みんなの利益を生み出していく取組…おのずと応援したくなるものです。
12月12日放送のガイアの夜明け『"絶望職場"を今こそ変える!』の回ご覧になられましたか?
4カ月前の8月9日のブログ【悲しい現実…日本の中でアジア人が強制労働を強いられている】
でも書いた腹立たしい現実…その後が番組で取り上げられていました。
「外国人技能実習制度」を利用して日本に来ていた中国人実習生の女性5人。10人の仲間と
2年半にわたって岐阜県の縫製工場で働いてきましたが、1日平均15時間、土日も休みなく
働かされ、未払い賃金は一人当たり約620万円。
働いていた縫製工場は、「破産に向けた手続きをしているため、未払賃金を支払う金がない」
と弁護士と結託して言い逃れ。それまでの工場を倒産させると、引っ越しをして別会社を設立。
未払い賃金の一部は国の制度で支払わせ、平然と同じ仕事を続けていました。あの弁護士…
資格を剥奪する事は出来ないのでしょうか…
縫製された服を販売している親会社を訪ねても、『法的に責任はない』と取材拒否…残念過ぎ
る対応でした。せめて孫下請け会社である縫製工場との取引停止とか、何かしらして欲しい
気もしましたが、安く仕入れて利益ばかりを求める卑しい心…姿がそこには感じられました。
思わず映像で確認できた【服】から販売元を調べてさらし者にしてやろうかと思ったほどです。
同じ日本人として、それ以上に同じ人間として許し難い実情でした…。
現在、国内の製造業や農業、漁業といった様々な現場を支える「外国人技能実習生」。約23
万人が日本で働いているそうですが、違法な長時間労働や、法律で定められた最低賃金を
大幅に下回る条件で雇用されているケースがあるという事は悲しい話です。
勿論、良い対応をしている就業先も多くあるとは思いますが、こんな一部の酷い人たちのせ
いで、頑張っている受け入れ先や就労者たちが被害を受けるのは耐え難い話です。何とか
制度を導入した国に、しっかりとした対応を取ってもらいたいものです。
今回、新たな情報として伝えられたのは、海外にある「送り出し機関」と、日本側の「監理
団体」と呼ばれる組織が連携して現地の人を研修し、日本へと技能実習生を派遣している
というお話。
日本に来る技能実習生は、日本で働くために借金をしてまで多額の費用を送り出し機関に支
払い、やって来ていたのです。中には、一人100万円を超える借金をするケースもあって、
その返済をするために、「夜逃げ」してでも条件のいいところで働こうとする実習生もいる
そうです。
監理団体は、海外からやってきた実習生を受け入れている企業が、違法な長時間労働をさせ
ていないか、最低賃金を下回る不法な条件で働かせていないか、といったことをチェックする
らしいのですが、その“チェック機能”の役割を果たせていないところが少なくないというの
です。ちゃんと機能している監理団体もあるそうですが、それが当たり前でないのは何故?…
番組の中では、ボロボロになった家を建て替えるために多額の借金をして日本にやって来て、
過剰労働を強いられたあげくに体を壊して帰省させられ、借金を返すために働いただけで涙す
る親子の姿が映されていました…。
このやりどころのない怒り、何とかならないものでしょうか。良い日本人だって沢山いるのに、
ほんの一部のこうした人たちの印象だけが、実習生の心の中に刻まれていく気がして・・・
あまりにも残念過ぎます・・・一日も早く救済して欲しいものです・・・
12月7日放送のカンブリア宮殿『"おいしい農業" 新勢力SP 今こそ農業は宝の山だ!楽しく
おいしい絶品アイデアで農業を変えろ!』の回、ご覧になられましたか?農家の抱える規格外
の作物や、高齢化で手が付けられなくなっている農地を救う2人の革命児が今回の主役でした。
最初に紹介されたのは、東京で人気を呼ぶ「旬八青果店」。目黒と品川区を中心に10店舗を
展開しているという、なんと八百屋のチェーン店。抜群の鮮度とこだわりの野菜や果物が
圧倒的な安さで手に入ると、リピーターを掴んでいました。安さの秘密は、産地で3割は出る
という規格外品の有効活用。
サイズ外と言うだけで売り物にならないものを買い取ってくれるのですから、有り難い話です。
「形は悪いが味のいい」商品を、産地情報を丁寧に説明する接客で人気商品に変えていたので
す。「旬八青果店」を展開する「アグリゲート」社長の左今さんは、全国100件の農家と手を
組み、都会のニーズにあった様々な野菜や果物を独自の流通で仕入れ、チェーン展開することで、
スーパーに負けない価格を実現しています。
そればかりか、お客のニーズを農家に戻し、さらに売れる商品を作っていくことで頑張る
農家を支えようとしていたのです。左今社長は学生時代、全国をバイクで旅行をする中、
どこの地域の農家も高齢者である光景にショックを受け、日本の農業が続けていく為には
何が必要なのか、ビジネスで解決しようと起業したそうです。
2番目に登場したのが、東京近郊で農業を楽しむ様々なサービスを提供し、農業をレジャーに
変える「アグリメディア」。「シェア畑」という会員制レンタル菜園は、すでに70カ所で、
15,000人の利用者。人気の理由は、従来の菜園と違い、どんな素人でもプロ顔負けの収穫物を
育てることができるから。農園には様々な農業道具や肥料などが準備され、農家や菜園経験者が
手取り足取り教えてくれるのです。
さらに会社の懇親会などで引っ張りだこなのが、農家の畑で収穫体験した野菜をそのまま
バーベキューで楽しめる「ベジQ」。どちらも、農地を持て余す農家と手を組んだサービス。
アグリメディアは、農業の知識や技術を持っていても高齢なために困っている農家を、レ
ジャーという形で労働力を提供し救っていたのです。そんな都市の住民と農家を楽しいアイ
デアで結びつけるビジネスを次々と立ち上げているそうです。
社長の諸藤さんは元住友不動産で、大規模プロジェクトで腕を振るった異色の経歴。不動産
開発の目線で農作業や農地を見た時、もっと付加価値を埋める活用法があるのではと、農業
ビジネスで会社を起業したそうです。コンセプトは「農業をフィットネスの様に楽しもう!」。
不思議なコンセプトですが、ライバルはフィットネスと話す諸藤社長は「同じ金額で、移住せ
ずとも田舎が持てる」そう話していたのです。
諸藤社長が、この道を選択するのに迷いがなかったのは「課題が大きいからこそビジネス
チャンスがあると思った」からだと話されていました。課題が多いと避けたくなるのが普通
ですが、前向きな考え方、素晴らしいですね。
今回の社長の金言 【稼ぐことが 改革の絶対条件】
いくら高齢化の進む農家や、規格外で処分されてしまう作物を救おうとしても、生きる為の
お金を稼いでいかなければ存続できないのですから、真理ですよね。今回の2人の社長さん、
農家の大きな課題をビジネスにしてしまう、素敵な方々でした。
12月5日放送のアナザーストーリーズ運命の分岐点「浅田真央 伝説のソチ五輪」の回、ご覧になられましたか?見逃された方は、また12月11日(月)午後6時からBSプレミアムで再放送されますので、是非、ご覧ください!! ですので、今回のブログでは、肝心なところは見て頂けるよう控え目に書かせて頂きますね。
誰もがご存知な浅田真央さん。そんな浅田さんが生涯最高得点を出した、ソチ五輪フリーの演技。滑走終了とともに自身が涙したその演技は、多くの人に感動を与え、その映像も深く心に焼き付いていますが、浅田さん自身、最も強く記憶している演技だったそうです。前日のショートプログラムでは、得意のトリプルアクセルを失敗し、自分らしい演技をすることがでず、絶望のショートプログラム16位…。なぜ1日で、あそこまで立ち直ることが出来たのか?その伝説の4分間が紐解かれていきます。
難易度の高いトリプルアクセルは、当時浅田さんしか飛ぶことができませんでしたが、その評価も低く銀メダルに終わったバンクーバー五輪。それから4年、リベンジを誓ったソチ。ところが初日のショートプログラムに失敗して16位と出遅れると、誰もが諦め、当の本人でさえ、「もう日本に帰れない」と思ったそうです。ところが、翌日のフリーで生涯最高得点をたたき出すのだから、本当に物凄い人です。滑走終了と共に涙を流した演技は、同時に日本中が泣いた奇跡の演技でもありました。今回のアナザーストーリーズ、その3つの視点の登場者が、また凄かった!!
1人目は、4度の五輪で金メダル2回、銀メダル2回。4回転ジャンプでフィギュアスケート界に君臨したあの「皇帝」エフゲニー・プルシェンコ(ロシア)。同じジャンプのスペシャリストとして浅田さんのトリプルアクセルをこよなく愛する「皇帝」が話した、「たった1日で真央が復活した理由」…スケートリンクの扉を通り過ぎた瞬間…
2人目は、17歳でソチ五輪金メダルに輝いたアデリナ・ソトニコワ(ロシア)。浅田さんに勝る得点で優勝したにも関わらず「真央を超えた気はない」と話していました。幼い頃から浅田さんにあこがれ、浅田選手のようになりたいと滑り続けてきた6歳年下の女王が、勝敗を超えた心の底からのリスペクトと知られざる交流を明かしていきます。…アイスショーに招いた浅田さんの素敵な気持ち…心が温まる思いでした…
そして最後の3人目は、元コーチのタチアナ・タラソワ。浅田さんが銀メダルを獲得した10年のバンクーバー五輪ではコーチを務め、ソチ五輪では、フリーの演技の振付を行っていました。フリー当日、地元テレビ局の解説席に座り、涙で絶句していました。2度の五輪を通じて浅田さんを見守り続けたタラソワさんが語る師弟の「絆」。…そして、亡くなられた浅田さんのお母さんの思い…
わずか1時間余りの番組でしたが、本当に中身の濃い、感動の物語でした。番組最後には、あの日本中が涙したソチのフリーの演技がノーカットで流されます。番組途中でも、ずっと見たいとストレスすら感じさせられていたので、ラフマニノフの名曲に始まるこの終わり方もパーフェクト。有り難うございました。永久保存版にしたいぐらいでしたよ。
11月30日放送のカンブリア宮殿『苦境の家具メーカーが復活!業界の異端児が仕掛ける独自
改革』の回、ご覧になられましたか?今回のテーマは、【再生】…ガイアの夜明けに通じる
ものがありました。
地方の地場産業の衰退が叫ばれる中で、高いクオリティと常識を打ち破る独自の技術力で
「いつまでも使いたくなる家具」を生み出し、成長を続けている老舗の家具メーカー「飛騨
産業」。もともとは、あのNHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」で話題となった「暮らしの手帖」
で特集が組まれ、爆発的ヒットを生んだ歴史ある老舗メーカーだそうです。自信から来る
10年保証…「座った人が驚く椅子」、私も座ってみたいです。
そんな飛騨産業が時代の流れとともに、ニトリやIKEAなどの低価格な家具が台頭していくこと
で、多額の借金を抱え、廃業寸前の厳しい経営状況に追い込まれていったそうです。そこで、
経営の立て直しを請け負ったのが現社長の岡田贊三さん。
岡田社長は、飛騨地方で受け継がれてきた、一本の木を曲げて家具に使う「曲木」という
「飛騨の匠」の技を生かした独創的な商品で、安さが売りの輸入家具等に対抗していったの
です。問屋を通して売るスタイルから、小売りと直接交渉して、受注製産に切り替えることで
在庫を一掃。
通常捨てられていた節(ふし)の入った木が見過ごせず、反対を押し切って【節】を活かした
家具「森のことばシリーズ」を大ヒットさせるなど、次々に改革を断行。業界の常識を破っ
て、これまで使えなかった柔らかい杉の木まで、圧縮技術で固くして新素材にしてしまう等、
ヒットを生み出すことで、売上高を就任直後の2倍となる50億円にまで復活させたのです。
沈みかけていた地場産業を、見事に再生させた岡田社長が、今、力を入れているのが、業界の
未来を担う若き職人の育成。「飛騨の匠」の技術を後世に残そうと、4年前に「飛騨職人
学校」という2年間全寮制の技術養成学校を立ち上げています。入学金や学費は一切不要。
さらに、奨学金として年間96万円を支給してもらえるそうです。ただで、学べてお金がもらえ、
卒業後は自由な仕事を選べるということで、放送後は入学希望者が殺到しそうですよね…。
いつもの『社長の金言』は【改革は まず1歩を踏み出す】
やってみて良ければ踏襲し、駄目なら改め、更なる改善点を探していく。当たり前の事なん
ですが、その最初の1歩を踏み出せないのが、殆どの人なんですよねぇ。『やりたい事がたく
さんある』『埋もれた才能がたくさんある』『自分の可能性を信じている』…とは思ってい
ても、1歩を踏み出せなければ、結局ゼロと同じなんですよねぇ。しっかりしなければ!!
NHK BS11月14日放送のアナザーストーリーズ『オードリーとローマの休日〜秘めた野心
貫いた思い〜』ご覧になられましたか?1952年に撮影された「ローマの休日」。監督はアカ
デミー監督賞を3回受賞している名監督ウィリアム・ワイラーで、『嵐が丘』や『ベン・ハー』
『女相続人』ほか、ご存知な名作が多数あるはず。
映画『ローマの休日』は、初主演のオードリー・ヘプバーンが世界的スターになった伝説の
映画です。私ぐらいの年代で、この映画を見た事がないという人はいないのではないかと思え
るほどの名作で、『真実の口』にグレゴーリー・ペックが手を突っ込んで、噛まれてしまう
ドッキリを仕込むシーンは、よく真似されていますよね。
今回のアナザーストーリーズでは、その現場を見た少年少女がオードリーの素顔を詳しく証言。
10歳の少年が見たオードリーの美しさ、プロ根性、秘めた野心。監督の娘が見た優しさ…。
自分の人生を自分で切り開く、信念の生き方と知られざるエピソードを紹介していました。
番組の中でも言われていましたが、当時はまだマリリン・モンローやグレイス・ケリーといっ
た、どちらかというとグラマーな女優が主流だった時代の、全く新しいタイプの女優の登場
でした。決してグラマーとは言えませんが、本当に清楚で眩しいくらいに美しくて、愛らしい
女性でした。
『ローマの休日』と言えば、オードリー演じる某国の王女が、密かに城を抜けだしてグレゴ
リー演じる新聞記者と出会い、2人して永遠の都・ローマで過ごすうち、惹かれていくという
展開。こんな話の展開は、その後も多く映画化されていますが、最後の記者会見のシーンでは
映画『ノッティングヒルの恋人』が浮かんできてしまうのは私だけでしょうか…。胸が熱く
なる素晴らしい演出でしたよね。
とっても美しく、賢く、愛らしいオードリーでしたが、凄いのは後半生の殆どを国際連合児童
基金(ユニセフ)での仕事に捧げたこと。オードリーがユニセフへの貢献を始めたのは1954年
からで、1988年から1992年にはアフリカ、南米、アジアの恵まれない人々への援助活動に身を
尽くしていました。
1992年終わりには、ユニセフ親善大使としての活動に対してアメリカ合衆国における文民への
最高勲章である大統領自由勲章を授与されたほどです。この大統領自由勲章受勲の一カ月後…
オードリー・ヘプバーンはスイスの自宅で虫垂癌のために亡くなられました。63歳という人生
の中の実に38年をこうした活動に投じ、彼女が献身することで寄付は2倍にまでなっていった
事を思うと、本当に頭が下がる思いです。
彼女の言葉『政治家たちは子供たちのことにはまったく無関心です。でもいずれの日にか人道
支援の政治問題化ではなく、政治が人道化する日がやってくるでしょう』…才色兼備で、心
まで美しいオードリー・ヘプバーン…理想の女性ですよねぇ。
11月20日放送の世界!ニッポン行きたい人応援団『アマゾンに暮らす日系移民63年ぶりご招
待』の回、ご覧になられましたか?今回は、ブラジルはアマゾンの中にある街トメアスから、
日系一世をご招待して、大切な人との再会を…という新しいお招きのパターンでした。1954年
6歳のとき福島県から家族と一緒に1か月の航海を経て移住し、63年もの間ニッポンに帰って
いないという草野恒雄さんが今回の主役でした。
恒雄さんの4人の子どものうち、長男の照雄さんと次女のリアさんはニッポンに住んでいて、
照雄さんとは8年、リアさんとは19年会えていないといいます。そんな恒雄さんの夢は「生ま
れ故郷のニッポンを見ること、そして娘や孫に会う」ことでした。
恒雄さんは長男に、ずっと十分な教育を受けさせてあげられなかったことを悔やんでいまし
たが、長男の照雄さんとの再会では「高校まで出してもらったのにそんなこと言う必要なんか
ない」と告げられ、感動の抱擁。ここからは娘のリアさんにしても、その孫たちにしても感動
の連続で、なんと良い心の持ち方をして生きてきた人たちだろうと感心するばかりでした。
大勢でフグ料理を食べたり、座敷で家族みんなが寝たりするときの映像では、本当に恒雄さん
だけでなく、みんなが嬉しそうでした。当たり前のように家族がそばにいる私たちとは違って
離れていても、より深い絆で結ばれている事が、よく伝わってきました。いつものような伝統
の素晴らしさを教えられるのではなく、【家族のありがたさ】そのものを教えられた気がします。
ニッポンに来た目的には、もう一つありました。恒雄さんが7歳という幼いうちに、母は、
病気によって30歳という若さで亡くなっています。手元に1枚も母の写真が残っておらず、
これまで記憶の中にかすかに残る面影を胸に暮らしてきたのです。そこで母親の写真を1枚で
も持ち帰りたいと願っていたのです。
恒雄さんは、故郷・福島県いわき市へ向かい、従兄弟がいることを知ります。従兄弟の英世
さんに出会うと「探せば写真があるかもしれない」と、かつて英世さんの母が暮らし、現在は
廃屋状態となっている実家へ向かいました。取り壊されていたら、探す事すら叶わなかった
でしょう。
家中をくまなく探すこと2時間、祖母が大切にしていたという衣裳タンスの中から大量の白黒
写真が出てきて、その中に63年前ブラジルに旅立つ時に撮影した、乗船して見送られる家族
写真を見つけました。そう記憶の中でしか会うことのできなかった母の姿がそこにあったの
です。奇跡のようなお話です。
やがてお別れの時が来て、恒雄さんは、孫たちにまた来ると誓って別れました。「再び来ら
れるように努力する」と語ってくれた恒雄さん…簡単ではないでしょうが、また来られるこ
とを願いたいです。今回は、離れ離れになった家族の再会という重いテーマでしたが、こん
な形のお招きも、外国人の目を通して再発見するパターンとは違って、また、良いものです。
沢山の温かい気持ち…家族のありがたさを再確認できた回…有り難うございました。
11月28日放送のガイアの夜明け『"陸の王者"を目指せ!』の回、ご覧になられましたか?
およそ250年前の江戸時代から「足袋の街」として知られる埼玉県行田市。典型的な"斜陽
産業"ですが、そこで足袋作りを営む老舗企業は、苦悩を深めていました。市場自体が縮小を
続けるなか、どうやって生き残るのか...。
何とかして老舗の伝統を守ろうと、開発したのが「マラソンシューズ」。マラソンが一般的な
スポーツとして広く浸透しつつある今、足袋の技術を駆使してこれまでにない商品を生み出し、
新たな市場を狙おう、というのです。一方、そのマラソンシューズの市場に、海外の巨大メー
カーがまったく新しい発想の新商品を投入しました。"足袋シューズ"に現れた、強力なライバル。
果たして日本の足袋の伝統は、守ることができるのか?需要の減少や海外勢の攻勢で姿を消し
つつある、日本の伝統的なものづくりとその技術。それらは消えゆく定めなのか、あるいは
かつてない着想で、次の時代に受け入れられる新たな魅力を放つのか…。ってこれ、どこかで
聞いたような展開…。そう、ドラマ『陸王』とそっくりじゃん…って。11月1日も書きましたが
作家の池井戸潤さんが参考にしたという、あの【きねや足袋】さんが今回の主役だったのです。
創業およそ90年、埼玉県行田市の【きねや足袋】3代目社長がまず開発したのが、『きねや
無敵』というランニングシューズ。職人がミシンを扱い、13の工程を手作業で仕上げる伝統
的な足袋の技をフル活用して完成させています。ナイロン製の足袋そのものに、柔らかく
グリップ力の高い薄さ5mmの天然ゴムソールを手縫いで縫い付けた新しいタイプの履物。
特徴は、「薄底」。ソールにクッション等の保護材は一切使用せず、ランニング中・上級者
が求める裸足感覚に限りなく近付けています。タッグを組んだのは、アスリートの高岡さん。
この『無敵』を使って練習を続けると「正しいフォーム」…ドラマで言われていたミッド
フット走法を身につけられ、怪我をしにくくて効率の良い走りを手にすることができるとい
うのです。今は、その『無敵』から『Toe-Bi』という進化版の制作に取組中とか…。
一方、ご存知【ナイキ】も、中・上級ランナーに向けた新しいシューズをリリース。勿論、
強力なライバルになります。特徴は『きねや足袋』の真逆で“超厚底”。他社のランニング
シューズと比べても約2倍の厚さです。これまでマラソンを走るランニング上級者は薄底
シューズを履くのが常識とされていましたが、今春、条件面から世界記録とは認定されなかっ
たそうですが、これまでの記録を約2分上回る結果を出しています。余談ですが…【ナイキ】
の最初の靴底は、あのお菓子のワッフルの金型を使っていたというのは初耳でした。
老舗足袋メーカーの将来がかかった、異色の“対決”。ドラマと似た展開で何か複雑な気持ち
にもなりましたが、より良い物ができれば、使う人たちにはありがたい話。ただ、ちょっと
気になったのが【ナイキ】の厚底に入っていたカーボン素材。着地した時に曲がり、それが
伸びようとする力をバネにして、走る力をサポートするというシステム…。これって、靴の
中にバネを入れるようなものだから、ルール違反で公式で認めてはまずいような…。また、
足腰がボロボロで老体な私には、薄い靴底は頭髪と同じでちょっと…ねぇ…。
11月12日放送のBS1スペシャル「“ゲノム編集”食物~密着 食の未来の最前線~」ご覧になら
れましたか?
今、肉の量が1.5倍のマッスル真鯛、2倍の速度で育つ高成長虎フグや、ギャバが15倍多く
含まれるという血圧上昇を抑えるトマト、アレルギーになりにくい卵など、遺伝子操作の
新技術“ゲノム編集”で新たな食物が次々に誕生しています。
科学者が【食の未来】の鍵を握ると注目している技術で、弊社も大会開催のお手伝いをさせ
て頂いたりもしています。恥ずかしながら、私は総務のお仕事で社外に出ることが殆どない
もので、スタッフがお手伝いしている事は知っていても、ゲノム編集が何なのかはチンプン
カンプンでした。こうした特集番組を見る事で、その技術の凄さに驚き、改めて科学者たちの
探求心や熱意に圧倒され、そんな先生たちのお手伝いが少しでもできている事に喜びを感じ
たのでありました。
番組の中では、そこで問われている食物としての安全性について、気が遠くなるようなオフ
ターゲット検査に取り組む姿を見る事が出来ました。何をすれば安全が証明できるのか、どう
すれば消費者の安心につなげられるのかと努力しておられる姿や、国の方針・対応が不充分で
法の整備もされてない為に消費者の疑念を変えられず『問題あり』と提言する研究者の姿も
映されていました。
悲しいかな【遺伝子組換えでない】の表示が書かれていても、重量で5%未満の遺伝子組換え
作物の混入が許されていること。醤油、大豆油、コーンフレーク、水飴、異性化液糖、デキス
トリン、コーン油、菜種油、綿実油、砂糖に至っては、表示が不要とされる日本…。農産物が
放射線を浴びせて変異させられ、都合の良いものを食卓用に選んできた歴史があったという
話もある日本ですから、確かに、疑念が出てしまう訳です。
遺伝子組み換えは、他の遺伝子と組み合わせてしまうという技術ですが、ゲノム(遺伝子)
編集は、遺伝子の要らない部分を切り捨てて都合の良い形に編集してしまう遺伝子の狙い
打ちをする技術。進化や突然変異で起こる過程の範囲で、遺伝子組み換えとは全く違うもの。
人間の食用に生物の在り方を変えてしまう事には若干の抵抗はあるものの、こんな技術に
よって、病気や飢餓に苦しむ人たちを救う事が出来たら、こんなに素晴らしい話はありません。
ちなみに日本ゲノム編集学会第3回大会は2018年6月18日から行われ、弊社が展示・広告の
お手伝いをさせて頂く事になっています。お馬鹿な総務でピント外れな事を話したかもしれ
ませんが、何卒ご了承ください。とにかく目が離せない技術であることは確かですよね。
11月13日のクローズアップ現代【突然あなたも被害者に⁉ “ネットリンチ”の恐怖】ご覧に
なられた方は居られますか?ネットでの炎上をきっかけに、ひぼう中傷のターゲットにされ、
失業や廃業、最悪の場合、自殺にまで追い込まれてしまうといった“ネットリンチ”の被害の
お話でした。
実際に被害に遭われたタレントのスマイリーさんは、ネットに書き込まれた、うその投稿…
彼が『女子高校生を殺し、コンクリート詰めにした』というものだったそうです。その理由は、
実際の犯行グループと同じ足立区出身で、年齢も近かったということだけ…。おかげで、
あのWikipediaに殺人事件の犯人と書かれ、お笑い芸人の仕事も激減し、執ような嫌がらせ、
「ネットリンチ」は18年たった今も続いているというのです。
ネット上の人権侵害はこの10年でおよそ7倍に増加。事件が起こると【まとめサイト】が作ら
れ…関連する人達がさらされていく…。拡散に協力している便利が産み出すサイト…見え
ない化け物の恐怖を感じました。そこには『真実だと思われるものを載せている』という話…
『相手が悪いと感じられたら何をしても良い』…恐怖ですよね…。
裁く権利もない匿名の集団が、無関係の人を悪者扱いし罵倒するネットリンチ。それも、全く
悪くもない普通の人が、ある日突然…ネットリンチの対象になってしまう…。悲しいかな、
ネットリンチの末に亡くなった人も居られました…。
番組では非公開にしている個人情報がどのようにして見つけられ、公開されていくのかを、
実際に個人情報を突き止めて拡散した『経験者の実演』で見せていました。なんと非公開だっ
た名前の特定まで、わずか2分…。本人曰く『15分ぐらいで分かっちゃうと、手ごたえが
なかった感じ。電車に乗っている時とかに暇つぶしに調べたり。パズルが解けたみたいな
感じで快感。楽しい感じです』と…。
番組で使われていた方法はTwitterを利用したものでしたが、本人が非公開にしていても、
公開している友人がいれば、そこから簡単に分かってしまう様が、よく分かりました。やっ
ている人は正義感とゲーム感覚が入り混じって、確かな事実も知らないまま拡散してしまう
のですね…。本当に怖い話でした…。
我が家の息子や娘もツイッターで情報を得ている部分が多いようで、こんな番組を見せたい
のですが、Twitterにハマっているような人は、こうしたニュース番組から情報を得る事は
あまりないようで、スマホにくぎ付け…。
今や偽物の映像まで添付して、より【もっともらしい】話にしてしまう人が居る世の中…
自分の目で、多方面から事実を確認していかないと、気付かぬうちに、自分も加害者になっ
ていく可能性だってない訳じゃない…。
番組では、そんな被害に遭った時の対策として
①Twitter等のアカウントの閉鎖
②サイト管理者に削除依頼する
③告訴する
など教えていましたが、そもそもネットリンチを防ぐ法律がないようで…簡単にはいかない
ようです…。世の中には、便利なものが数多く産み出されていますが、それを扱う側が未熟
過ぎて…。それがために生じてしまっている悲しい事件…。なんとかならないものでしょう
か…。無実な普通の人が被害に遭っていくというのが、あまりにもやるせない…。