先日、4月29日放送のNHKスペシャル シリーズ「大江戸」を観ました。近年、日本の首都、東京のルーツとなる「江戸」をめぐり、新たな発見や研究成果が相次いでいるそうです。150年前にその名を失った江戸の知られざる姿を、ドキュメンタリーやドラマ、超高精細CGなど多彩な演出で描いていく3回シリーズ。その第1回目が「第1集 世界最大!!サムライが築いた“水の都”」・・・
今の東京の基盤は、その殆どが江戸時代に築かれていたという事実に驚かされます。世界的に見ても画期的な上下水道を敷き詰めて造りあげていく「水の都」の発想力と、実現させていく諦めない武士の姿勢。江戸は、徳川家康が幕府を開いてから100年ほどで、パリやロンドンの2倍近い、世界最多の100万の人口を抱える巨大都市となっていくのです。近年、江戸初期の都市計画を描いた図面や、幕末の写真ネガが多数発見されていくことで、その変遷が分かってきたというのです。
番組ナビゲーター役で登場する松平 健さんが、また楽しく見られるように面白さをかもし出していました。時代劇の中で殿様役や金さん役などを演じてきた松平さんですが、その分かりやすい特性を活かしていきます。江戸好きな喫茶店のマスターが、常連客の木村佳乃さんと江戸の話をするうちに、つい熱くなって興奮すると、江戸の人物が憑依するという特異体質役。例えば、家康が憑依したり、商人(あきんど)や町火消(まちびけし)が憑依したりして、江戸の人物になってしまうのです。
…とは言うものの、松平さんを含めた喫茶店のシーンは、あくまでも番組中のティーブレイクの様な役割を果たしているだけで、メインの話がとにかく面白い物でした。何よりオーストリアで見つかった大量の写真や、家康が描いたという江戸の都市計画図、螺旋状の堀や埋め立てに使われた大量の巨石の話など、CGを交えながらの演出で、本当に楽しく見ることができました。
第2集は、「驚異の成長!!あきんどが花開かせた“商都”」で、5月27日、
第3集は、「不屈の復興!!町人が闘った“大火の都”」と題して7月1日放送の予定です。
面白いので、今回の再放送も含めて是非、観ていただきたいと思います。面白さ、保証しますよ。
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ある調査によると『【終活】という言葉を聞いたことがある』という人は全体の9割以上に登る一方、『すでに【終活】を実施している』という人は全体の1割に満たなかったとか。確かに年齢を重ねるにしたがって気になってきた言葉であり、【エンディングノート】なるものは、実際に吟味して親類に差し出したことはあるものの…いざ、自分となると…。
今回、番組の中心となって登場したのは、末期ガンから奇跡の生還を果たした小西博之さん。懐かしい欽ちゃんファミリーの一人です。「生きるための活動なら分かるけど、何で死ぬための活動しなきゃならないんだ」と反対側の意見を強く抱いての登場です。「死ぬ事を念頭に置いた活動など、やっとガンを乗り越えてきたのに縁起でもない」という当たり前の考えの様な強めの意思表示です。
冒頭で対談する事になったのは『ソナエ』という雑誌を出している【終活】のパイオニア的存在との対談です。ぱっと見、強面の小西さんですから、いきなり否定的な発言で対談相手にプレッシャーをかけはじめた時は、これで対談になるのかと心配させる展開でした。
背景としては、一人暮らしが増えてくると、自分の死んだ後の事を考えなければならい世の中になってきたという事。葬儀の小規模化。親の墓と子供の暮らす場所が離れることで生じてしまう、お墓の引っ越し…。最後のお守りを用意しておくことで、何も気にせず生きられるようになる事が目的で、大切なのは、元気なうちにして欲しい活動であって、死を目前にしている状態では出来ない活動なんだと話されていきます。
少しずつ、話を聞くうちに【終活】の本当の意味を理解し始める小西さん。そうすると自身の親ともお墓のことで今のうちに話をしておかなければと行動を起こしていきます。
【エンディングノート】…その存在も、理解していなかった小西さんですが、説明を聞くうちに「こういうことを考えると親とか子供に優しくなれるね」と感心していきます。そして、とどめは【葬儀VTR】。実際にどの様なものかを観せられると、「いいね!いいね!」を連発。「暗い葬儀がお祝い事になるじゃないか!」と絶賛です。
対談を終えて漏らしたのは「死ぬことに自分で心を閉じていた」そう話したのです。終活は死ぬ準備ではなくて、一度リセットして、感謝するため、ありがとうのためだと話す小西さん。これまで大切にしてきた思い入れのあるバイクも、息子にあげる気持ちになれました。物への執着心が無くなるということか、細かい事が決まっていくと楽になって、残りの人生を心安らかに過ごすことができる・・・いわば「お守り」のような物なんだと笑顔で話すようになっていたのです。
小西さんの年齢は、私とほぼ同じ…。番組の後半では、銀座終活座というところで実際に御自身の【葬儀VTR】を撮影されていました。番組では、他にも登場人物がありましたが、年老いて伴侶に先立たれた人が、遺品を整理していく中で【終活カフェ】で相談したり、断捨離をすることで、自分の身に何かあった時に、自分の子供にまで、余計な苦労をさせたくないと考えたり…。ほかにも【生前契約】という「りすシステム」が扱う正式な委任契約が紹介されたりと中身の濃い展開でした。
家内が母親を亡くした時に、家内の父親に「エンディングノート」を渡したことがあります。家内の母親のお墓は、未だに仙台に作るか私の家の近くに作るか決めかねている状態です。少しでも早く、元気な時に話し合う機会を作って、笑顔で話せるように展開していく事、大切かもしれませんね。身近な年寄りだけでなく、つい先日も右ひざの半月板が断裂して足腰への負担が更に拡大している私。小西さんではないけれど、自分自身に関する【終活】にも、しっかり目を向けて…一歩踏み出す勇気が必要かもしれませんかねぇ…
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3月6日放送のガイアの夜明け『ニッポン転換のとき〜住宅編『中古』に価値がある!〜“新築信仰”に挑む〜』の回、ご覧になられましたか?
都会へ出て来た人たちが抱える、「実家の相続問題」。親が亡くなったり、施設に入ったりして実家が「空き家」となって、それを相続した人が頭を抱えるというのです。駅から遠く、築年数が古い、人口が少ない地方にある...。誰も住まなくなった"古巣"を、売却したくてもできないケースが多いらしいのです。
日本全国の「空き家」はいま、およそ800万戸。それが15年後には、2,100万戸までになると言われているそうで、なんと、3戸に1戸が「空き家」の時代が、もう目の前に迫っているらしいのです。一方で、今も続く、新築の戸建てやマンション建設。それゃ誰だって【中古】って響きより、【新】しい家が良いと思いますよね。
欧米のように【歴史】ではなくて【中古】と表現してしまえば…。ちなみに、中古住宅流通のシェアが極端に低い日本は海外と比較するとこんな感じ。かなり前のデータになってしまいますが、2003年の中古流通シェアが、イギリス88.8%、米国77.6%、フランス66.4%であるのに対し、日本はわずか13.1%…。
欧米では適切な修繕さえしていれば住宅の価値が上がり財産として積み上げられていくのに比べ、日本ではいくらお金をかけて修繕しても建物の時価が築15年程度で消滅してしまいます。優れた建築技術で頑丈な住宅なのに…ですよ。私も、移転する為に住宅を売った事がありますが、悲しくなるぐらい建物に価値を見出してもらえませんでした。
日本の戦後から根強く残る「新築信仰」は今、転換を迫られています。問題解決の決め手がないなか、ある企業が新たなビジネスで、「空き家問題」の解消へ向けて動き出していました。4年連続で中古物件の販売数ナンバーワンに輝く企業。地方の空き家の再生を手がける「カチタス」という会社です。
カチタスの年間の取り扱いは3,800戸と、2位の10倍以上の規模を誇っています。カチタスが手がける物件は殆どが築30年以上で劣化の激しいものばかりですが、台所やトイレ、風呂場などの水回りは基本的に全部取り替え、リフォームして販売していることが売りだとか。価格も1,000万円台で買い取って、遠距離には欠かせない駐車場などを完備していく事で、リフォームした家の97%が、1年以内に売れるというのです。
ちなみに15年でほぼ価値がなくなってしまうと言われる中古物件…。中古住宅の売れ筋は、一般的に新築後10年までと言われているのです。1年を過ぎて誰も居住していない物件は「中古住宅」として取引されるシステム…不思議な感じがしますが、新築後2年未満であれば中古物件と言わず新古物件と記載する例も出てきているようで、なんとも困った日本の価値観が見え隠れしていますよね・・・。
ふと見回すと、我が家の周りにも空き家がちらほら・・・気にするとあちらこちらに空き家がある事に気づきます。ふと気が付くと居ないはずの家に誰かが入り込んでいたり、空になった家から不審火が出たり・・・治安の面から考えても、国や地方公共団体からの対策も望まれるところです・・・。リフォーム技術やそのアピール戦略、もっともっと頑張って欲しいですよねぇ・・・。
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4月2日放送のNHK プロフェッショナル 仕事の流儀『史上最強の軌跡スペシャル 棋士・羽生善治』の回、ご覧になられましたか?前人未到の「永世七冠」を達成し、棋士初となる「国民栄誉賞」を受賞した羽生善治さんの特別編です。
これまでに勝ち取ったタイトル数は通算99期。佐藤天彦名人に挑む名人戦の七番勝負が4月11日から始まりましたが、羽生さんは、つい先日史上2人目となる通算1,400勝の大台に達し、更に七番勝負を制するとタイトルの獲得数が前人未到の通算100期となります。凄すぎます!
「プロフェッショナル」では、2006年・08年に羽生を主人公とした番組を放送。若くして天才と呼ばれた陰にあった「苦悩」、ライバルとの「死闘」を通して浮かび上がる勝負師としての生きざまを生々しく記録してきました。今回は、その2本を再編集し、羽生さんのインタビューを新たに交えながら、47歳の心境も語られていきます。
羽生さんの若い頃は、何十手も先まで読むことに力を注いでいたようですが、30代になってからは「手を読むことより、勝負の流れを読むことのほうが大切」ということで、考え方も変わってきているようです。
面白かったのは、安全策を講じて無難な手ばかり指していては、得るものが何もないという姿勢。たとえ勝負には負けたとしても、常識外れの果敢な挑戦をするほうが得られるものがあるというのです。
羽生さんと共に幼いころから競ってきた森内九段との対戦では、そうしたお互いのやり取りで、対戦中にお2人がこらえきれずに笑みを浮かべるシーンがありました。素敵ですよね。頼もしい限りです。
そうそう、この森内九段…昨年平成29年「秋の褒章」において、紫綬褒章を受章されています。紫綬褒章は、長年にわたり学術・芸術上の発明、改良、創作に関して事績の著しい者に授与されるもので、将棋界での褒章受賞者は14人目になるとのこと。
羽生さん、森内さん、そこに、新しい新星の藤井くん。こうした人たちが同時に見られる時代に遭遇できているのは、それだけで、ある意味幸運なのかもしれませんね。
番組の中で、羽生さんが残された名言…
『才能とは努力を継続できる力』
『プロフェッショナルとは…その人がその時点で持っている全てを出し切ることができる人』
凡人の私には、ほど遠い世界ですかねぇ・・・
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4月5日放送のカンブリア宮殿『目の健康を売る!苦境メガネチェーン華麗なる復活劇』の回、ご覧になれましたか?
2,000年代以降、JINSやZoffなどによって、メガネの低価格化の波が押し寄せ「数は売れても利益は出ない」という状況に苦しんできたメガネ業界。そんな業界にあって「メガネを売る」より「目の健康を売る」という独自路線で、8年連続赤字という危機から復活を遂げた「メガネスーパー」が今回の主役。
低価格をうたうチェーン店が増えるメガネ業界の中で、一式平均価格35,000円という高値を維持しているメガネスーパー。店内を覗いてみると…平日の昼にも関わらず、40代以上の中高年が連日のように詰めかけています。その理由こそ、社長が独自に構築した「トータルアイ検査」にありました。
メガネスーパーでは、眼科医が使っている検査機械を導入し、お客の目の詳細なデータを把握。目にかかる負担を軽減させるメガネを提案しているのです。しかも、この検査を受けた客の多くが、目や体の疲れを感じなくなったと答えるとか。「夜間視力検査」「両眼視検査」「眼年齢検査」など、40にも及ぶ独自の検査を設けることで、飽和状態にあったメガネ市場に新しいマーケットを生み出していたのです。
更にこのメガネスーパー、身体を動かすのが大変だったり、遠くて来店できない人の為に、2年前に専門のチームを作り「眼鏡の出張訪問サービス」を行うようになったとのこと。依頼先の老人ホームなどの談話室に、メガネや補聴器など150種類の商品を持ち込み、スタッフが出張訪問。店にある機材も持ち込み、得意の手厚い「アイケア検査」を行っています。客の目の健康のためなら、たとえ依頼者が1人であっても受け付ける出張訪問サービス。高齢化社会にあるこれからに欠かせない存在となっていくのでしょうね。
いつもの村上龍の編集後記では、こんな事が書かれていました。
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星﨑さんは「鬼の経営」とか「剛腕」と評されることが多い。だが、企業再建に限らず、「力ずく」で、できることなどない。必要なのは、緻密な戦略と、辛抱強いコミュニケーション、その二つに尽きる。有名商社を含め経歴は華麗だが、地道な努力の継続だけが結果を生むと熟知している。今でも自転車でチラシを配布していて、「コツがある」と、うれしそうだった。心底、好きなのだと思う。チラシ配りだけではなく、必要だと思うことを淡々とやるのが好きなのだ。そういう人だけが、会社の強みを発見し、可能性を、現実化する。
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ポスティングを社長自らが行うなんて、なかなか見られる光景じゃありませんよ。
徹底的なアイケア…トコトンまでの目の検査がたった1,080円で受けられるというのですから、それだけでも一度受けてみる価値ありといった感じですね。
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4月3日放送のガイアの夜明け『シリーズ ニッポン家電の逆襲①「新参者」の挑戦』の回、ご覧になられましたか?
2010年に誕生した新興家電ブランド「siroca(シロカ)」が今回の主役でした。かつては、安さを武器にした“ジェネリック家電メーカー”と評されていたそうですが、近年は「丁寧に、 美しく、 拘って」をテーマに“拘り家電”を世に送り出しているようです。
コンパクトながら全自動を実現したコーヒーメーカーは45万台のヒット。更には一昨年発売した高級オーブントースターは、スイッチを入れるとあっという間に高温に達し、外はカリカリ中はしっとりのトーストが焼けて、民生機ながらカフェチェーンの「プロント」に採用される程の味を実現したとか。そんなシロカが、新たな市場で勝負に出ようというのです。それが今回の話の中心、炊飯器市場。
コメの品種別に炊き上げたり、客の好みに近づけていける大手メーカーの高級な炊飯器の他、「バルミューダ」や我が家も欲しくてたまらない「バーミキュラ」といった新興メーカーも個性的な商品を送り出しています。その激戦区でシロカは意外な会社とタッグを組み、勝負に出たのです。
そのパートナーは天保3年創業の伊賀焼窯元「長谷園」。「抜群に美味しいご飯が炊ける」と人気を集め、土鍋は数カ月待ちという既に大ヒットの商品。その究極の土鍋を使った、炊飯器を作るというのです。土鍋で炊くご飯は美味しいのですが、火加減が難しく手間もかかります。大手メーカーでは効率を重視するなどして長谷園が望むものを、そのまま受け取っては貰えないだろうと、長谷園側も敢えてシロカと組むことにしたのです。
土鍋と家電…全く繋がらないイメージですが、よくぞ作り上げたものです。開発担当が長谷園七代目当主に「よく頑張ったな」とOKを貰えた時の嬉し涙…感動ものでした。皮肉にも、出来上がった製品は、あの「バーミキュラ」と同じ価格という展開でしたが、老舗の支えを武器に、今後の展開が楽しみです。
2010年代に入り日本の家電業界は大きく変わっています。三洋電機は消滅、シャープは台湾・鴻海傘下に入り、東芝の白物家電は中国・美的グループ、テレビ事業は中国・ハイセンスへと譲渡されました。日本の家電の終わりを感じた人も少なくないでしょう。無駄に規模を拡大、必要以上の高機能化は消費者に飽きられ、さらには価格で中国・韓国メーカーに勝てません…。
そんな中、ここ数年の間に家電系ベンチャーが続々と登場し、存在感を増しています。消費者が本当に欲しい機能に特化した家電は人気を集め、価格が高くても売れているようです。どうも我が家は、その高くても買う流れには乗っていけませんが…乗れるものなら乗りたいなぁと・・・。なんか、悲しくなってきますねぇ・・・。
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3月25日放送のNHKスペシャル人体 神秘のネットワーク最終回【健康長寿 究極の挑戦】の回、ご覧になられましたか?今回取り上げられたテーマは日本人の死因の1位・2位となっている『がん』と『心臓病』克服への道。
がん細胞が特殊なメッセージを分泌する『エクソソーム』と呼ばれるメッセージカプセル。大きさは、1万分の1ミリ、突起の付いた球状の物体。まるでもやっとボールです。
このエクソソームの内部には「もっと栄養が欲しい!血管を増設せよ!」など複数のメッセージ物質が入っていて周りの血管に命令し、がん細胞の周辺に血管を増設するよう指示を出します。臓器同士の仕組みをがん細胞が利用してしまうのです。
なりすましメッセージ物質を受け取った血管は、仲間が出したメッセージ物質と勘違いしてがん細胞に血管をつなげてしまうのです……。さらに付近の免疫細胞にも「攻撃するのをやめて!」というメッセージ物質を出し免疫細胞すらも操ってしまっていたのです。
ところでエクソソームと言えば・・・2016年10月26日、弊社主催のオリジナルセミナーでも取り上げられたもので、その際には、落谷 孝広先生、黒田 雅彦先生、湯山 耕平先生にご講演頂いております。もう1年半も前の事になるんですねぇ。さて、その国立がん研究センターの落谷先生が番組に登場し、問題のエクソソームを使ってがん細胞を撃退する方法が紹介されていました。
落谷先生は、がん細胞が出したエクソソームを判別して印をつけ、「これは敵です」というマーキングが出来るような技術を開発されました。マーキングされたエクソソームは、免疫細胞がどんどん食べてくれるためがん細胞はそれ以上増殖できなくなります。現在、マウスの実験では転移が90%見られなくなるまで抑えられることが確認されているそうです。
がんで亡くなる多くの方は、最初に出来た癌からの転移によって亡くなります。この研究が成功すれば、最初のがんからの転移が抑えられ、がんによる死亡率が格段に低くなるかもしれません。物凄い事ですよね。
ところでエクソソームは、がん細胞だけではなく、全ての細胞が出しているメッセージカプセルで、究極のメッセージカプセルだそうです。心筋梗塞を撃退する最新医療では、エクソソームの解明が再生の鍵になってきており、心臓の再生を加速させるようです。
心臓の細胞は50年かかっても3分の1程度しか回復せず、これが心臓病の治療を難しくしているとか。今、アメリカの研究によって心臓の細胞を速く再生させる技術が開発されています。心臓の出すエクソソームには、細胞を再生させるメッセージ物質が極端に少ないため、人工的に再生させるメッセージ物質を増やしてしまおうという研究なのです。
それにしても科学技術の進歩は驚くスピードで進化していたのですね。番組の最後で山中伸弥先生は、こんな話をされていました。『これまではそれぞれの臓器を取り出して個別に研究してきたのですが、これからは体全体のネットワークを理解しないと本当の治療にはつながらない』と…。
ピンピン・コロリ…健康で長生きできる時代は、確実に近づいているのかもしれませんね。
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3月29日放送のカンブリア宮殿『「安い・快適・安全」 三拍子揃った旅を!バス業界に新風を吹き込む風雲児の挑戦』の回、ご覧になられましたか?
高速バスというと、運転手の過剰負担とそれによる事故のニュースが頭の中に浮かんでしまいます…。2012年、関越道で高速ツアーバスが事故をおこし、乗客7名が死亡、39名が重軽傷を負い、社会問題に発展しました。今回の主役ウィラー代表を務める村瀬さんは、事故と直接関係なかったものの、バス業界を牽引し、協会の代表を務めていたことで参考人として国会に呼ばれたのです。
大きく失墜したバスのイメージを払拭しようと、村瀨さんは、業界に先駆けて徹底した安全管理を施していきました。特に気をつけたのが運転手の体調管理。運転中のドライバーの静脈を計測し、眠気を感知すると、本部から連絡するシステムを開始。また、食事メニューも一新し、健康に特化し、保健師が体調管理までを行います。さらに、睡眠施設はホテルのように改善、健康であることが給与にも反映されるという、トコトン安全にこだわった対策を次々と打ち出していたのです。
高速バスの利用者は今や年間約1億2,000万人にものぼるそうで、その数は、飛行機の国内線(9,200万人)を上回り、この20年で約2倍に増加しているのだそうです。そう言えば、私の息子も、昨年料金が安いからと、利用して東北の方に行っていました…。
業界トップの売上を誇るウィラーは、「安い・快適・安全」を売りにして、客からの評判も高いそうです。
代表を務める村瀨さんは、バスの「匂い」や「シートの座り心地」「清潔感」を改善する為に、オリジナルシートの開発もしていました。オリジナルシートは全部で10種類もあり、寝顔を隠せるフードが付くなど、ゆっくり休める快適さを提供しています。パッと見、ベビーカーのフードのようでもありましたが、あれなら落ち着いて眠れそう…そう感じられるほど個性あるものでした。
そんなウィラーは、1泊宿泊カニの食べ放題付きで1万円かからないお得プランを打ち出す等、業界初の試みを連発すると同時に、徹底した安全対策で業界をリードし、赤字経営に苦しむバス業界で右肩上がりの成長を続けているのだとか。対策をする為には、それなりにお金や努力が必要で、ついつい疎かにしてしまいがちですが、こうした対策をしっかり打って来たからこそ、お客の安心をかちとっていけるのでしょうね。
良い流れは、どんどん広がって行って欲しいものです。
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3月10日放送のテレビ朝日『これぞ!ニッポンの神仕事~夢を叶えたリーダーたち』という番組をご覧になられた方は居られますか?
今では日本を代表する夢の国、東京ディズニーランド。その開園までに尽力したオリエンタルランド初代社長の川崎さんを紹介。これまでも何度か色々な番組で取り上げられてきた話ではありますが、その諦めない姿勢には、分かっていながらも感動してしまうのです。
東京ディズニーランドの第一発案者だった川崎さんは、京成バラ園の買い付けでアメリカに行った際に、カリフォルニア州のディズニーランドを見て衝撃を受け、それが何十年という長い闘いの始まりになっていきます。京成バラ園は、それほど大きな施設ではありませんが、お花の好きな人なら十分に楽しめる施設だと思います。それでも、あのレベルからディズニーランドのレベルには、簡単には繋がらないのが正直な感想…。
東京ディズニーランド開園までに尽力した人はもう1人います。それはオリエンタルランド二代目社長の高橋さん。東京ディズニーランドを建てるためには海を埋め立てる必要がありました。当然、海の漁業を生活の支えにしている人たちにしてみれば、有り得ない話です。話すらまともに聞いてくれない人たちを相手に、高橋さんは、海の漁業権を持っている漁師たちを説得しようと、超一流の高級料亭でおもてなしをし、お酒を共に飲みながら、コミュニケーションを通して壮大な夢を伝えていく事で、漁師たちと徐々に距離を詰めて交渉を実らせていったのです。
東京ディズニーランドが開園したのは1983年4月15日。開園には、ディズニー社の会長をはじめ、川崎さんと高橋さんが同席し、8年後に川崎さんは永眠されました。ディズニー社から第二パーク構想の打診があり、今のディズニーシーが作られたそうですが、これには今は亡き高橋さんの思いと重なる部分があるというお話。それは漁師たちと交渉を行っていた時、高橋さんが「漁師の皆さんに海を返す」と言ったことと繋がっていくというのです。何とも良い話ではありませんか。
東京ディズニーランドの中のワールドバザール。ここの2階のショーウィンドウには、高橋さんの名前と創業者という文字が英語で書かれています。これはディズニー社に多大なる貢献を与えた人物に贈られるディズニージェンドに高橋さんが選ばれた際に、ディズニー社からの申し出で特別に作られたものだそうです。今度行った際には、有り難く見させて頂こうと思います。
米国ディズニー社は、日本版ディズニーランドの直接経営には非常に消極的で、フランチャイズ契約を結ぶことで実現した日本版ディズニーランド。この契約では、米国ディズニー側がパークの設計、運営の指導、クオリティー及び版権の管理を行うと共にフランチャイズ契約料を受け取り、オリエンタルランド社側が、パークの建設費や運営費等すべての費用を負担するという方式を採用しました。この契約は、細かな見直しをのぞけば現在までほぼ一貫して同じだそうです。
東京ディズニーランド開業後、パリディズニーランド、香港ディズニーランドが開業していますが、2017年現在、一番新しい上海ディズニーランドを含め世界で6つあるディズニーリゾートのうち、パーク運営会社にディズニーが出資しないフランチャイズ形式の運営を行っているのは、東京ディズニーリゾートのみとなっています。これもなかなかすごい事ですよね。
番組では、この他、トヨタ自動車のハイブリッドの開発の話も取り上げられていましたが、こちらまで書いていると長くなるので省略させて頂きますね。あっ、でも、責任者の良い言葉があったのでそれだけご紹介させて頂きます。
3つの信念
1.早く決めてあげる
2.バックアップ案は作らない(失敗が早く分かる)
3.責任は俺が全てとる
分かっていても、なかなかできない事。勇気のいる話ですよね。それでも実際に動いていく人たちにとっては、とても大切な事…ですよね。
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3月22日放送のカンブリア宮殿『大復活スペシャル2017"奇跡の大逆転"の舞台裏』ご覧になられましたか?
予約不要で、患者を断らない循環器内科医、三角先生。体に優しい「心臓カテーテル治療」で日本一の症例数を誇るすご腕ドクターは、世界に類を見ない"6元同時治療室"での神業で命を救い続けています。もう一人は、「眼」の最先端現場に立つ坪田先生。「老眼革命」や「ドライアイ」、さらには角膜治療の第一人者で、現代人の眼を守るため、最新治療を次々と編み出している先生です。
まず、1人目は三角先生。心筋梗塞など心疾患による死者数は年間20万人近く、日本人の死亡原因では2番目に多い心疾患。この三角先生のいる千葉西総合病院の診療科は予約不要で、緊急時にはその日のうちに治療までしてしまうということ。その裏には、「心臓は待ってくれない」という信念があるからだとか。
心臓カテーテル治療は年間約3,000例、8年連続で日本一の症例数となっています。それを可能にしているのは、宇宙船のコックピットのような、治療室。宇宙戦艦ヤマトが好きだったから、それをヒントにという所、なかなかユニークでした。
中央に位置する指令席からは、扇状に配置された6つの治療室が見渡せるのです。これら複数の部屋で同時に治療が進行し、三角先生はモニターを通して、それを指揮し、治療に当たっていくのです。
実はこの千葉西、私の母親が心臓を患った時も、緊急手術で助けてくれた病院。私の父親も同じく、この病院でカテーテルの手術を何度か受けています。ただ、同じ病院内でも他の診療科の先生は…正直、あまり良い印象を持っていません。
施設は凄く立派できれいな病院ですが、患者にきちんと寄り添えない先生もかなりいます。私や私の家内に関しては、行かなければ良かったという方が多く、実体験なのです。ただし、「心臓を患った時は、この病院がそばにある」という安心があるのは、恵まれている事だと思います。
2人目の先生は、ドライアイを提唱し、アイバンクの先駆者である南青山の眼科医、坪田先生。元々はメガネなしで暮らしていたほど目が良かったという方が患者として登場。今は老眼のほか、遠視、乱視、白内障も患っており、それを一気に治すという夢のような手術が紹介されていました。
保険が効かないので、両目で120万円の手術費用というのに驚きましたが、こんな手術、保険が適用されたら私も是非受けてみたいです。この方は、術後わずか20分で、「わ、見える!」あれほど困っていた眼の悩みが一発で解決されていたのです。そのうれしそうな笑顔こそ、何よりの答えだった気がします。
今回特集で取り上げられたお2人とも、アメリカでの臨床・研究経験が豊富で、何より患者の事を第一に考え治療に当たってくれるという事。長く医者を続けていく中で、パターンにハメて、患者の話もろくに聞かず診断し、目も合わさないで診察を終えてしまうような先生が多くいるような気がします。
なぜ、医者になったのか、何のために診察し治療に当たっているのかを、忘れないで欲しいものです。最後に三角先生と坪田先生の金言をご紹介して終わりたいと思います。
・「簡単な治療はない」
・誰もやらないことに 挑む価値がある
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