12月7日放送のカンブリア宮殿『"おいしい農業" 新勢力SP 今こそ農業は宝の山だ!楽しく
おいしい絶品アイデアで農業を変えろ!』の回、ご覧になられましたか?農家の抱える規格外
の作物や、高齢化で手が付けられなくなっている農地を救う2人の革命児が今回の主役でした。
最初に紹介されたのは、東京で人気を呼ぶ「旬八青果店」。目黒と品川区を中心に10店舗を
展開しているという、なんと八百屋のチェーン店。抜群の鮮度とこだわりの野菜や果物が
圧倒的な安さで手に入ると、リピーターを掴んでいました。安さの秘密は、産地で3割は出る
という規格外品の有効活用。
サイズ外と言うだけで売り物にならないものを買い取ってくれるのですから、有り難い話です。
「形は悪いが味のいい」商品を、産地情報を丁寧に説明する接客で人気商品に変えていたので
す。「旬八青果店」を展開する「アグリゲート」社長の左今さんは、全国100件の農家と手を
組み、都会のニーズにあった様々な野菜や果物を独自の流通で仕入れ、チェーン展開することで、
スーパーに負けない価格を実現しています。
そればかりか、お客のニーズを農家に戻し、さらに売れる商品を作っていくことで頑張る
農家を支えようとしていたのです。左今社長は学生時代、全国をバイクで旅行をする中、
どこの地域の農家も高齢者である光景にショックを受け、日本の農業が続けていく為には
何が必要なのか、ビジネスで解決しようと起業したそうです。
2番目に登場したのが、東京近郊で農業を楽しむ様々なサービスを提供し、農業をレジャーに
変える「アグリメディア」。「シェア畑」という会員制レンタル菜園は、すでに70カ所で、
15,000人の利用者。人気の理由は、従来の菜園と違い、どんな素人でもプロ顔負けの収穫物を
育てることができるから。農園には様々な農業道具や肥料などが準備され、農家や菜園経験者が
手取り足取り教えてくれるのです。
さらに会社の懇親会などで引っ張りだこなのが、農家の畑で収穫体験した野菜をそのまま
バーベキューで楽しめる「ベジQ」。どちらも、農地を持て余す農家と手を組んだサービス。
アグリメディアは、農業の知識や技術を持っていても高齢なために困っている農家を、レ
ジャーという形で労働力を提供し救っていたのです。そんな都市の住民と農家を楽しいアイ
デアで結びつけるビジネスを次々と立ち上げているそうです。
社長の諸藤さんは元住友不動産で、大規模プロジェクトで腕を振るった異色の経歴。不動産
開発の目線で農作業や農地を見た時、もっと付加価値を埋める活用法があるのではと、農業
ビジネスで会社を起業したそうです。コンセプトは「農業をフィットネスの様に楽しもう!」。
不思議なコンセプトですが、ライバルはフィットネスと話す諸藤社長は「同じ金額で、移住せ
ずとも田舎が持てる」そう話していたのです。
諸藤社長が、この道を選択するのに迷いがなかったのは「課題が大きいからこそビジネス
チャンスがあると思った」からだと話されていました。課題が多いと避けたくなるのが普通
ですが、前向きな考え方、素晴らしいですね。
今回の社長の金言 【稼ぐことが 改革の絶対条件】
いくら高齢化の進む農家や、規格外で処分されてしまう作物を救おうとしても、生きる為の
お金を稼いでいかなければ存続できないのですから、真理ですよね。今回の2人の社長さん、
農家の大きな課題をビジネスにしてしまう、素敵な方々でした。