10月20日のカンブリア宮殿ご覧になられましたか? 安く、幅広い年齢層に対応した
豊富なデザインを揃え、毎日の様に新製品を投入しているアースミュージック&
エコロジー等のアパレルブランドで幅広い女性の支持を掴み、岡山市の片隅に
オープンしたわずか4坪の店から全国1,200店舗、年商1,100億円へ急成長を続けて
きた、ストライプインターナショナル。既に店舗数ではユニクロ+GUを超えていました。
今日決めたことを、翌日には平然と覆してしまう大胆な決断力でアパレル業界の
注目を集めているとか。ユニクロの次を狙うアパレルの風雲児大胆アイデアと
転換力で物凄い勢いで成長を遂げており、久々に見た、本当に勢いのある会社でした。
原点にあったのは小さなセレクトショップ時代のこと。石川社長の独りよがりな
経営に社員が嫌気をさし、14人のうち10人が辞めてしまった出来事でした。松下
幸之助の本に書いてあった掃除をしていたところ、ある社員の残した文章を発見。
中には『社長は、バカだ。…この会社は、必ずつぶれる…』そんな事が書かれており
衝撃を受けた石川は、相当のショックを受け、社員の話をよく聞くようになったそうです。
以後自分の判断を疑い「逆から物事を考える」習慣を身につけることで、成功を引き
寄せるヒントを掴んでいったとか。今日は大阪、翌日は愛媛…次々とオープンする店の数、
実に毎年150店舗以上。アースミュージック&エコロジーなど、27のブランドを擁し、
急激なスピードで成長を遂げているストライプインターナショナル。ユニクロのような
大型店でなく、在庫を持たない小型店でどんどん“新鮮な服”を回転させる独自の戦略で、
幅広い女性客を掴んでいます。
その成功を支えるのは、石川社長の大胆な経営判断。店の横でアイス屋を始めたかと
思えば、スマホを使った服のレンタルサービス『メチャカリ』というシステムを立ち
上げる…。ストライプが一気に知名度を上げたきっかけも、企業規模に見合わない
12億円もの広告費でCMを打つという“常識破り”の経営判断でした。
外部にアドバイスを求めるとCMには反対意見ばかりだったのに、社員に尋ねたら
『自分の会社の知名度が上がるのは嬉しい』という様な事を言われ、社員が喜ぶなら
良いじゃないかと思ったと話されていました。
石川社長の真骨頂は、前言を軽々と翻す「転換力」。立ち上げた靴下専門店がうまく
いかなければ、あっという間にかわいい雑貨店に一変させヒットさせるなど、
朝令暮改の柔軟な戦略転換で生き残る業態を作り上げてきました。現場の声を
徹底的に拾うことで大胆に戦略を変え急成長を遂げるストライプ、今後がとても
楽しみな会社です。
石川社長は、生まれ育ち、起業した街・岡山への愛情が人一倍強い経営者でした。
元気ある若手経営者などを表彰するオカヤマアワードを開催し、支援しているのです。
また、食・アートの様々なイベントも開催し活性化に力を入れています。「ビジネス
での成功を地元に還元するのが使命」とまで言い切る石川社長…素晴らしいの一言でした。
村上龍さんの編集後記では、こう語られていました。
『アパレル業界は苦しんでいる。消費者は、ネット通販、レンタルなどさまざまな
流通を知り尽くし、流行ではなく自らの好みを優先させる。出費を控え、安易に宣伝に
乗らない。ストライプインターナショナルは、一貫した戦略がないかのように見える。
だが、石川さんのロジックは切れ味鋭く、ぶれがない。戦略がないのではなく、戦略を
固定させないのだと思う。賢くなり、自由に浮遊する消費者に寄り添うように、
いろいろな領域で多様性を提供する。石川さんの、「洋服」に対する幼少からの愛情が、
その先端的な考え方を支えている。』と…。
今回の社長の金言は…
『引く』ルールが大胆さを生む
『怖い』から挑戦する
一貫した戦略がないのではなく、戦略を固定させない柔軟性…危機感も持ちながら
挑戦し続ける姿に感動しました。
先々週、10月12日放送のアナザーストーリーズ『スティーブ・ジョブズ』ご覧に
なられましたか? 2005年 スタンフォード大学の卒業式で、学生たちなど2万人の
観衆に向けて語られた伝説のスピーチに関するものでした。
「点と点をつなげる」、「死を見つめて生きる」という独特の言葉は、失敗を
恐れないチャレンジングスピリットと、他人の人生を生きてはいけない、という
感動的なメッセージとして、世界中で知られています。
そんな14分間のスピーチから今回は彼と関わった3人の重要人物とのエピソード、
3つのキーワードについて触れられていました。それは、彼自身が自分の人生を
語った最初で最後の『伝説のスピーチ』でした。
まずは、3つのキーワード
第1…『いつか点は繋がると信じなさい。そうする事で、心のままに進む勇気が出る』
重々無尽の点は、やがて、さまざまの点を繋ぐ働きを担っていくと。
第2…自分で創業したアップルをクビになった事で、学べたこと。
『人生の多くを占めるのは仕事です。自分の仕事は素晴らしいと信じる事が大切』
そう思えた事で、首になってからあの『ピクサー』他を作り、生まれたのが
フルCGの『トイストーリー』でした。
第3…『誰のものかも分からない人生は送ってはいけない』
ガンを患って得た『死の覚悟』そこには、大学を中退した頃から触れていた
『禅 仏教』の教えが役立っていました。
ジョブズと行動をともにし続けた先輩、対立し決別した友人、そしてジョブズが
傾倒していた禅の同士たちは、ジョブズの有名な言葉、「Stay hungry, stay foolish」を
どう受け取ったか…
『もっといけるだろ ズレてても』『自身過剰になるな、もっとバカになれ、もっと
外れてみろよ』『舗装された道ばかり歩いていると迷子になるぞ』そんなメッセージ
にも聞こえたようです。そして、番組の最後では、こんな言葉が取り上げられていました。
愚のごとく
魯のごとく
能く相続するを
主中の主と名づく
( 宝鏡三昧 )
解釈は、以下の通りです
愚か者のように
間抜けのように
ひたすら同じ物事を続ける者こそ
最高の悟りを得る者である
走り続けたジョブズに相応しい言葉ですね。この番組を見終えて、改めて
見つめてみるジョブズの座右の銘
「Stay hungry, stay foolish」
熱いメッセージでした・・・。
先日10月16日放送の情熱大陸 広島東洋カープをご覧になりましたか?
今季、25年ぶりのリーグ優勝を果たした広島東洋カープですが、『春先は調子が
良いなぁ、でも、6月が終わる頃には下がってしまうんだろうなぁ』とカープファン
でありながらも思っていた今年。夏のオールスターが終わる頃には、『マエケンが
抜けたのに、頑張ってるなぁ…まさか…』とそれでも優勝を決めるまでは信じられ
ませんでした。終わってみれば2位の巨人に圧倒的な大差をつけての、まさかの優勝。
CSが始まると『圧倒的な優勝を果たしたのに、クライマックスシリーズなんて、
何であるんだ』と思っていましたが、ここでは1番田中が神ってしまって、12打数
10安打、打率8割3分3厘で文句なしの1番バッターとしてMVPを獲得し、
難なくセリーグ完全制覇。打率8割3分3厘は80年平野(近鉄=8打数6安打)10年
小笠原(巨人=8打数6安打)の7割5分を抜く最高打率となりました。
神ってる広島東洋カープは、マエケン抜きにも関わらず、全国各地に熱狂的な赤ヘル
旋風を巻き起こしました。優勝決定の瞬間、最年長白星投手となった黒田が新井と
号泣しながら抱き合ったシーンには、胸を熱くした方も多いでしょう。
まさに“神がかっている”という意味の“神ってる”勝利を重ねたカープでしたが、
シーズンが始まる前にこの快進撃を予想できた人が一体どれだけいたでしょうか?
前年に球界を代表するエース、『マエケン』こと前田健太がチームを去った後、
新人以外に先発投手の補強も出来ておらず、OBや評論家の殆どは今年のカープは
「Bクラス」と予想していました。
大きな要因は御存知、投手陣をまとめてきた黒田投手の存在。去年、20億を超える
メジャーの提示金を断り、「恩返しがしたい」と古巣のカープに復帰した黒田は
若手からベテランまで全員に刺激を与える絶対的な存在でした。そんな彼にカープ
躍進の理由をストレートに聞いてみると一言「一番は新井でしょう」と…。
今季2,000本安打と300本の本塁打という偉業を成し遂げた新井貴浩は、39歳という
年齢ながら若手に混じってがむしゃらに練習に明け暮れるベテラン選手。広島本来の
練習態度です。引退間近という年齢になりながらも常に結果を残し続ける黒田と
新井の背中に応えるかのように、鈴木誠也を筆頭にした若手選手らが奮起したのです。
番組では、肉体を酷使し続けてきた結果、現在1日2時間以上の治療が欠かせない
状態となっている黒田を始め、新井のバッティングの秘密、「涙の抱擁」についての
真相やチームの将来について熱く語り合う黒田と新井の夕食会の模様、“カープ女子”
大人気の緒方監督に『神ってる』発言された鈴木の街ブラまで徹底取材されていました。
そんな放送のタイミングに合わせてか、18日黒田投手が日本シリーズを最後に引退を
表明し、朝日新聞では、翌日の一面に掲載されていました。
黒田の会見では・・・
『本当に、今年みんなの力で優勝を経験させてもらって、最高の経験をさせてもらった
ので、まったく悔いはないですね。
あと何試合登板できるかわからないですけど、今までも常に最後のつもりでマウンドに
上がってきたので、それは変わらないと思いますけど、めいっぱい、最後はケガを
恐れずに投げていきたいと思います。
今まで、本当にたくさんの声援をいただいたので、日本一という形で恩返しできる
ように選手一丸となって日本シリーズを戦っていけたらと思います。』
応援していますよ。22日からの日本シリーズ。是非、優勝を果たして11月5日に
行われる41年ぶりの優勝パレードを最高のものにし、今年の流行語大賞では
『神ってる』と行きたいものです!!
10月6日放送のカンブリア宮殿 の 【伝統は革新だ】 第3弾『千疋屋総本店』のお話から
千疋屋総本店の創業は1834年なんと天保五年です…いつだ…それ? 現在の埼玉県越谷市で
槍の道場を経営していた初代創業者の大島弁蔵が、地元の果物や野菜を舟で運び江戸で
商いを始めたのがきっかけとか。
当初は安売りの店だったそうですが、二代目の文蔵が高級路線へ転換し、現在の経営の
基礎を作っていきました。明治時代には海外産果物をいち早く販売。大正時代には
メロンやビワの品質改良を行うなど、時代に合わせた変革を続けてきました。メロン
1個約1万4,000円、ブドウ1房1万円、バナナ1本が324円…。勿論、万が一美味しく
ないフルーツがあった場合には、交換も受け付けると言った徹底ぶり。驚くほど高値の
ついた果物がまるで宝石のように綺麗に並べられ、次々と売れていったのです。
千疋屋総本店は東京を中心に展開していますが、千疋屋の果物が高い理由は、その栽培
方法にあります。例えば看板商品のマスクメロンは1本の茎から1つしか実を付けない
「一茎一果」という栽培方法で育てられています。通常の栽培方法よりもコストが
かかりますが、こうすることで実が甘く形の良いメロンになるとのこと。さらに
千疋屋では特定の農家と直接契約をせず、全国から大田市場に集まった果物の中から
最高級のものだけを独自の基準で厳選して買い取っていくのです。
現社長の大島博さんの代になると、バブルが崩壊し、高級フルーツの売上は頭打ちになって
いきます。そこで現社長が考えたのが千疋屋のブランド力を活かした高級果物をふんだん
に使ったスイーツを主力とする戦略。人気メニュー フルーツパフェ開発の人がテレビに
映った際には、『あれっ?』と見覚えがあったのですが…がっちりマンデーで見かけた
のか…忘れてしまいましたが…確かに見覚えのある人でした…。
創業から182年という今の老舗の売上を支えるのは、綺麗に並べられた果物ではなく、
高級フルーツをより多くの人に食べてもらう為のスイーツという独自の販売戦略。
現在、商品比率では加工品が8割を占めるまでになっており、なんとフルーツを置か
ない加工品だけの店舗も普通に展開されています。
また、千疋屋では新たなフルーツ開拓も行っています。南国の果物であるマンゴーが
真冬の北海道で収穫されると聞きつければ、十勝帯広の農家を訪れます。この北海道産
マンゴーは、東京農大の宮田先生と農家が組むという産学連携の取り組みで、化石燃料を
使わずに、冬場に降り注ぐ大量の雪で夏に冬を演出し、湧き出る温泉を使って冬に夏を
演出することで、本来収穫できない時期に収穫していくという特殊な栽培方法で作られ
ています。<白銀の太陽>と名付けられたこのマンゴーを千疋屋で扱うことで、産地の
活性化に貢献しようというのです。
編集後記で村上さんは、こう話されています。
『強力なブランド力を築き上げているのに、メロンなど高級果物への依存を止めた。
現在、商品比率では加工品が8割を占めている。そしてその開発、素材などに伝統の
ブランド力を活かし、ごく自然で、かつ大胆な、変革に成功した。自らが持つ資源の
本質を確認し、新しい形で活かす、まさに「伝統と変革」の王道である。』と…。
そして、いつもの…社長の金言
『生き延びるためには 30年で変えろ』
「30年もすると改革をしないと生き延びていけない…。」番組の中で大島博社長が
話されていましたが、この30年は、会社の事業継承との関係も深く、大きな課題となる
企業が多くあります。182年で6代目…1人約30年…甘んじていてはダメなのですよね。
毎週水曜21:00からBS朝日で放送されている『昭和偉人伝』…今回は2014年10月に
放送された梶原一騎の再放送を見てのお話。
梶原一騎と言えば「巨人の星」、「あしたのジョー」、「タイガーマスク」、「柔道
一直線」など…昭和40年代、日本に巻き起こった「スポコン」ブームの立役者である
劇画原作者でした。 作画担当は違っても、原作は同じだったんですよね。凄い人です。
私なんぞは、代表的な4作品ともテレビの前に釘付けになって見ていた側です。
男としての基本的な生き方は、この作品達の影響を強く受けた人も多く、私の周りも
含めて、その頃の男らしさの基準になっていった気がします。
この回は、多くの梶原のヒット作の中から「巨人の星」と「あしたのジョー」を
中心に作品の製作秘話を探るべく、川崎のぼる、ちばてつやといった作画を担当した
漫画家達へインタビューし、梶原の人物像に迫っていきました。あの作品タイトルは
どうやって決まったのか?ヒューマンから名付けられた星飛雄馬の投げる「消える
魔球」のからくりはどうやって考えられたのか?「あしたのジョー」のラスト、
ジョーはなぜ真っ白になったのか?関係者だから知る貴重な話を聞くことができました。
あしたのジョーの矢吹ジョー、タイガーマスクの伊達直人、とっても魅力的な主人公は、
未だに憧れの的でもあるくらいです。施設の子ども達に伊達直人の名前で寄付する
人が現れるなど、亡くなった後も伝説として生き続けています。
また『アナザーストーリーズ 運命の分岐点』というNHK BSプレミアムで放送されて
いる番組は、ご存知でしょうか。放送時間は、水曜日 21:00 - 22:00と時間が重複して
いるのですが、再放送が、次週火曜 23:45 - 0:45にあるので、両方視聴する事は可能。
そんなアナザーストーリーズで、10月5日に『タイガーマスク伝説 』が放送されて
いましたが、プロレスでのタイガーマスク誕生も、梶原一騎からの持ちかけで実現
したものだとか。当時は、猪木とアリの世紀の一戦で猪木が代表を務める新日本
プロレスは、試合後大きな借金を抱えてしまっていたので、佐山が演ずるタイガー
マスクがプロレスファンを子供にまで広げ、大ヒットしたことで大きな収益をあげ、
救世主となりました。
番組では、そんなタイガーマスクを演じた佐山選手の苦悩を中心に話されていましたが、
タイガーマスクという梶原一騎が産み出したキャラクターが現実とリンクすることで、
多くの人に生きる力を与えていた気もします。
今日は2つの番組を取り上げてお話しさせて頂きましたが、数々のドキュメンタリー
番組があり、こうした話を知る事で、生き方として刺激を受けるのは心地良いものです。
知らなかった裏側を見せられることで、自分の思い込みの間違いや、見えない苦労を
知って、自分のモチベーションに繋がることも少なくありません。単に視聴率に走る
のではなく、これからもこうした番組が長続きしてくれることを願っています。
先日10月2日に放送された未来EYES プロジェクト26「熱音響機関」のお話、ご覧に
なられましたか?『未来EYES』は、毎週日曜日の夜10時半からBS JAPANで放送され
ています。今、私が最もはまっている番組で、以前にもご紹介させて頂きました。
今回は、21世紀に入ってから進んだ研究で、『捨てる熱』をモーターなどの可動
部品を使わずにエネルギーに変える『熱音響機関』を研究している東海大学工学部
動力機械工学科 准教授 長谷川真也先生が主役でした。
『熱音響機関』とは、熱を音波に変える新しい波動エンジンのこと。発電には、
波動エンジンの先に「リニア発電機」を取りつけて音波から電気を起こします。
この研究では発電する際のシステムを活用して、熱から音波を発生させるのとは
逆に、音波から冷熱をつくることもできます。音波を波動エンジンに入力する
ことで、可動部品を持たないノンフロン冷却として使うことができるのです。
システムの特徴は、構造がシンプルなため安価で量産が簡単なことと、ガソリン
エンジンに不可欠なクランクやピストンといった可動部品が全くないため、保守
点検も楽で超エコな発電システムであることです。タイヤのように摩耗する
部品もありません。このシステムが実用化されれば、自動車や工場で大量に
捨てられている「廃熱」を使った自家発電や、ノンフロンの冷凍庫などを作る
ことができるのです。
熱を音に変え、音波を用いた発電を実用化することが出来れば、車両燃費の大幅
向上はもちろん、地球温暖化やエネルギー枯渇問題を解決できるかもしれません。
「エネルギーを消費する時代から、有効活用する時代へ」を目指し挑戦し続ける、
長谷川先生。
そんな先生は、研究に没頭するあまり、娘さんとの交流は朝の出勤時に学校に
送っていくまでのひと時だけ。本人曰く、土日も殆ど家にいないのでと…。
それでもこんな夢のような研究をしてくれる人がいるからこそ、この世の中は
明るいのです。原発に無駄なお金を大量消費している分、もっとこうした
研究も含めた未知の物事に対して取り組んでいる研究者達に生きた支援をして
欲しいものです。
番組の中では、長谷川先生が『計測器が進化したことで研究も飛躍的に進んだ』
ともお話しされていましたが、研究に欠かせない機械を企業が作り出している事
にも触れられていたように、研究者と企業の連携が図れれば、よりスピーディーに
成果が出せていくのではないかと感じました。優秀な先生方と、真摯に取り組む
優良な企業…弊社が望んでいる産学連携…日本の気質という財産が成せる技ですよね。
利益を社員に大盤振る舞い! もっと働きたくなる最強経営術の全貌と題して、2016年9月1日 に
放送されたカンブリア宮殿から、今日はお話を。
創業52年を迎えた菓子問屋の吉寿屋さんが今日の主役です。卸売りのほか、専門店「お菓子の
デパート よしや」という直販店を関西を中心に101店舗展開しているとの事で、関東の方では
ご存じない方もいる事かと。
小売店の価格は定価の約2割引き。品揃えはロングセラー商品からスーパーやコンビニで
見たことのないお菓子まで…なんと1,400種類も揃えているとか。まさに「お菓子のデパート」
です。商品の単価が安く儲けが薄いと言われる菓子業界の中にあって、業界トップの利益率を
たたき出しているのだそうです。その結果、創業以来52年間も“赤字無し”の健全経営を続けて
いるのです。
創業者の武司氏は15歳で大阪の菓子メーカーに就職し、22歳で吉寿屋を創業。後発参入として
武司氏は朝5時から店をあけ年中無休で働き、1986年「お菓子のデパートよしや」をオープン。
お菓子が良く見えるように平台に陳列したり、商品を種類別では無く価格別で並べたりと、
工夫されたそうです。そして快進撃のもう1人立役者が、創業時から仕入れを担当する、弟の
秀次氏。秀次氏は週1回の商談会にメーカーが持ち込む商品を全て試食し、売れる商品を見極め
ているのだそうです。
そんな2人が創業以来、実践し続けている繁盛の秘訣、それが、早朝出社です。会長の秀次氏は
朝3時過ぎ…というかもはや夜中ですよね。創業者の武司氏ですら朝5時に出社し、倉庫に並ぶ
“お菓子”に感謝の気持ちで挨拶。そんなお菓子は、常識破りの返品ゼロ。早朝出勤した2人は、
後から来るパートさん達の為に準備をしているのです。
「早起きは必ず繁盛につながる。」と語る吉寿屋の姿勢が伺えます。
神吉兄弟には、経営者として守り続けてきた信条があります。それが従業者の幸福。この信条が
良くわかる制度が社員への利益の還元です。利益の半分は税金、残りの利益の3分の1ずつを社員、
役員、内部留保としているのだそうですが、その額が驚き…。一年間で約7,000万円分を従業員に
還元しているというのです。例えば、月1回の朝礼で行われるジャンケン大会では、テレビなどの
家電や最高級の果物などを社員とパートにプレゼント。毎年、勤続5年以上の社員1人に500万円
相当の金の延べ棒、社歴の長い社員5名に海外旅行と大判振る舞いです。さらに、最優秀社員に
年棒3,000万円が支給されたこともあるといいます。この利益還元は社員だけに留まらず、社員の
家族に野菜を送り、運送会社などの取引先にも水やお茶を1ケースやお米を渡す時もあるそう
です。「会社の利益は、社員、その家族、そして取引先の協力があったからこそ。お世話に
なっている方々にお礼をしている。」と2人は話します。関わる人のモチベーションが上がら
ない訳がないですよね。そして、それだけの利益が残せている事も凄い事です…。
吉寿屋では業界屈指の超効率経営を実践しています。その名も「1円大作戦!」。例えば、
社員が使うボールペンは1本だけ、名前をつけインクが無くなったら替え芯を使うのが決まり
です。もちろん、配送に使う段ボールは使い回した上で最後には業者に売っています。さらに、
倉庫の荷物は壁から5センチの隙間を空けることで、荷物の持ち運び時間が短縮できるとのこと。
そして極めつけは、1日数回の「駆け足タイム」。「15分間、駆け足の時間です!」と
アナウンスが流れると、社員は一斉に走りながら仕事を始めるのです。
こうした様々な努力で、吉寿屋は、創業以来、“赤字無し”業界トップの利益率約3.5%を叩き
出しているのです。贅沢に慣れてしまっている人にとっては、この『1円』を大切にする
気持ちの持ちようが、1番難しいのではないでしょうか。2011年1月20日に同じカンブリア宮殿で
放送された『未来工業』を思い出します…。
社長の金言
『どんなことがあっても 報奨に見返りは求めない』
…『これだけ出すから、頑張ってね』ではなくて、あくまでも
『頑張ってくれた事に対して、感謝の気持ちを込めて』と言う事でしょうか…。
村上龍さんは編集後記で以下の様に綴られています。
『「人よりも多く働く」吉寿屋の戦略は拍子抜けするほどシンプルだ。他店よりも早く開店し、
創業からしばらくは休日を返上した。「自分がいい思いをするより周りの人が喜ぶのを見たい」
という武司氏の価値観は、自然に従業員への手厚い報奨に結びつき、結果的に大きな動機付け
となっている。武司氏は、毎日早朝にまず倉庫に行き、「お菓子のみなさん、お早うございます」
と挨拶する。武司氏にとって、お菓子は、単なる商品ではなく、「愛すべき生きもの」なのだ。
商品と従業員に対し無私の愛情と感謝を抱き、誰よりも多く働く、そういう人に、ビジネスの
神様は必ず微笑む。』
少し前になりますが、今日は、9月13日放送のガイアの夜明け『消すな職人技
生き残りの秘策』のお話。
高い品質から海外で人気の「Made in Japan」ですが、国内に目を向けてみると
市場規模は小さくなるばかりで、その職人技や技術力の存続が危ぶまれています。
今日取り上げるのはアパレル業界。日本国内に流通しているアパレル製品の国内
比率はわずか3%と言われるそうです。技術力の高さから海外の有名ブランドから
洋服の縫製を請け負う工場も少なくないのですが、中国製品などにおされ、
かつて日本中にあった縫製工場や生地メーカーは、最盛期の4分の1に減って
しまったとか…。
海外に仕事を奪われることで、倒産した工場も少なくありません。 縫製工場で
腕を振るってきた職人たちは仕事を失い、別の仕事に就くか、個人で縫製の仕事を
請け負うなどして生活を続けてきたのです。しかし、個人で縫製の仕事を請け
負うといってもアパレルメーカーのサンプルの作成などで得られる収入だけでは
厳しい状況。 現在そんな職人が、全国で20万人いると言われているそうです。
その現状に目をつけたのが昨年創業した「nutte(ヌッテ)」。縫製職人と商品を
作って欲しいというメーカーをつなぐサービスを提供しています。仕組みは、
まず作ってもらいたい側が予算や納期、デザインを提示します。職人は、
予算や納期、仕事内容を見て仕事を受けるか決めるというシステム。
職人が個人のため小ロットで出来るのが強みで、規模の小さいアパレルメーカーや
子供の学芸会用の衣装など一般人でも利用できるのが特徴です。 登録している
職人は現在約1,000人、年齢層も幅広く経験も豊富なことからイメージだけ
伝えれば商品を作ってくれるというのです。
職人生活の救いになるばかりか、一般人ですらデザイナー気分を味わえる
のですから、宣伝次第で、今後ますます成長していけるのではないかと感じる
ことができました。世界に1着しかない服、それも自分がイメージしたものが
プロの手によって形になっていくのですから…私の様なオッサンですら、
ちょっとやってみたくなるではありませんか。
最近、この種の営業力を持たない優れた職人さんと、そうした職人さんの技術を
求めている人を結びつける企業が増えている気がします。ビジネスチャンスの
キーワードは、実は、この大切な2つの要素をつなぐ、『紡ぐ』という一言
なのかもしれませんね。
9月27日放送のガイアの夜明け、シリーズ「働き方が変わる」第14弾『今こそ、
社員を鍛える!』ご覧になられましたか?
社員を東南アジアなどの新興国に送り込み、本業で培ったスキルを生かして
貧困などの社会問題の解決のために活動していく…そんな人材育成を行う企業が
増えているというお話でした。
海外の大学などで勉強する「留学」ではなく、実際に仕事を通じて学ぶことから
「留職」と呼ばれているそうです。NPO法人のクロスフィールズが作る
プログラムで、これまでにパナソニックやハウス食品、NTTデータなどの
大手企業が導入しているとのことで人手の少ない中小では難しい話でしたが、
良いお話でした。
大企業の駒として働く環境では、自分の仕事がどれだけ社会の役に立っているのか
が見えにくく、「働く意味」や「仕事のモチベーション」を見出せずに悩んでいる
社員が多いとのこと。そうした『やりがい』の持てない社員に社会貢献の機会を
与えることで、「自分のスキルが社会の役に立つ」という実感を与え、自ら
新たなアイデアを生み出せる人材へと成長させるのが企業の狙いのようです。
番組では今年3月、日立製作所の石黒さんの「留職」が紹介されていました。
石黒さんはソフトウェアのエンジニア。普段は企業向けに業務改善ソフトを
開発していますが、営業がとってきた仕事をこなすだけ。自分の仕事が社会に
どう役立っているのか分からず、やりがいを感じられずに悩んでいました。
海外旅行すら行ったことがなかった石黒さんが送り込まれたのは、東南アジア
ラオスにある貧困層向けの小児病院。石黒さんに託されたのは、3ヶ月の滞在
期間中に病院内のITインフラを改善すること。与えられた仕事をこなすのではなく、
自分で課題を見つけて仕事を生み出さねばなりません。
初めての経験に戸惑いながらも、石黒さんはみごとに自分自身で考えて課題を
見つけ、解決していました。自分の作ったプログラムを喜んでくれる現地
スタッフの表情を目の前で見ることができたのです。
番組ではもう一つ『異業種研修』リーダー養成合宿なるものも紹介されていま
したが、こちらは各会社の人事の目が光る中でのものだったので、あまり良さを
実感できませんでした。監視下の中では、なかなか…
9月11日の未来EYES『奈良先端科学技術大学院大学』ご覧になられましたか?
機械を使って異なる言語間で会話をする技術、「音声翻訳」。最先端を走る日本の
音声翻訳技術を30年近く研究している、奈良先端科学技術大学院大学の中村哲教授。
パソコンなどの機械を使った自動翻訳は大きく「テキスト翻訳」と「音声翻訳」の
2つに分けられます。音声翻訳で有名な物としてはアップルのiOSに搭載されている
『siri』がありますが、日本人の作るものはランクが違う気がしました。
そもそも、音声翻訳はある言語で話した音声を別の音声に変換するので、テキスト
翻訳に比べて数段難しいものです。 構成要素は3つに分けられ、話した言葉を正しく
機械が認識すること(=音声認識)。その認識した内容を自動的に相手の言語に変換
すること(=機械翻訳)。最後に、翻訳した内容を音声として出力すること(=
音声合成)。
話し手によって言葉の使い方は異なり、その時どきで声の調子も微妙に違いが
生じるので更に認識に時間がかかってしまうそうです。2020年代を目標に日本語と
英語の同時通訳を実現して、世界中の「言葉の壁」を無くし、どんな国の人とも
自由に話ができるようになる事が夢のようです。
話はズレてしまいますが、そんな番組の中で紹介された音声翻訳アプリ 『VoiceTra』
なんと…31カ国に対応した翻訳アプリで、モバイル・サイエンス賞を受賞している
そうですが、これが凄かった。番組を見終わらない内にダウンロードして試してみたら、
話した文章を文字で表示、続いて翻訳したい文章、その文章が意味する文章を表示。
音声ボタンを押すと音声で応えてくれるというもの。
文章で書くと分かりにくいですね(;^_^A ご存知ない方は、どうかダウンロードして
使って試してみて下さい。普段使わない聞いたこともない国の言語にも変換できる
ので、なかなか面白かったです。
我が家は、『こんなのがあれば英語覚えなくても大丈夫!』なんて話が浮上して、
それじゃあ、これは…と、ウチの家内が…『父さんはハゲです』と英語に訳して
もらおうとしたところ…日本語力が足りないようで…
続きは、是非、ご自身で試してみてください…プフッ…