11月9日放送のアナザーストーリーズ「1980's CM黄金時代 3人の天才がいた」
ご覧になられましたか?
今も記憶に残るフレーズが次々にテレビCMから生まれた1980年代。流行語が続出する
CMブームを巻き起こしCMの黄金時代と言われていた頃。そんなCMの黄金時代を作り
上げたのが、同時期に現れ“今”の源流を作った3人の天才。
1人目は、元電通関西支社 堀井博次さん。1980年代、モノを売ってなんぼの大阪で、
奇想天外なCMを連発しお茶の間に笑いを届けました。まずは、これ・・・
「亭主元気で留守がいい」
このフレーズ、しっかり覚えています。大阪の鬼才…堀井さんは“笑えるCM”の潮流を
作り、人間の「面白さ」を拾い上げていました。堀井グループの作る爆笑CMは、
街でこんな人に出会った、あんな人に出会ったと言う、世間話のような会話から生まれ
たそうです。
2人目の人物はコピーライター仲畑貴志さん。「CM界の巨人」と称されたそうです。
東京で王道を行く仲畑さんは“共感”で世界の頂点へ立ちました。心していたのは
「納得感」、こんなキャッチコピーでした。
「おしりだって、洗ってほしい。」
これも、インパクトが強くてしっかり覚えているコピーです。1981年にカンヌ国際
広告映画祭で金賞に輝いたCMは…雨の中を子犬が歩き、『琥珀色の日々』という
菅原進さんの歌が心に響く宣伝でした。公共広告の走りだった気がします。
CMの中では、殺処分される予定だった子犬が起用されたそうです。
そして3人目の男は不思議なコピーで日本を驚かた糸井重里さん。「少し先の未来」を
見つめている、まさに天才肌の糸井さんが生み出したのが、これ・・・
「おいしい生活。」
このキャッチコピーは、戦後の日本のコピー ベスト500(宣伝会議)の第一位に
選ばれたCMです。当時の日本人にとっては驚きの「おいしい」と「生活」という
言葉を組み合わせ、あの名監督として名高いウディアレンをCMにキャスティングし
本当に不思議な感覚を味わわせてくれたCMでした。今でこそ、こうした不思議な
言葉の組み合わせは、様々なシーンでコピーされるようになっていますが、その
先駆けとなったコピーでした。
テレビ番組の合間に流れるCMを、正直、邪魔に感じてしまう事がありますが、
心に響いたり、笑いでほんのりさせてくれるCMも、なかなか良い物ですね。