NHK BSプレミアで9月7日に放送されたアナザーストーリーズ「ハドソン川の奇跡
ニューヨーク不時着 世紀の生還劇」ご覧になられましたか
2009年1月15日、アメリカ中を熱狂させた「ハドソン川の奇跡」。離陸して間も無く、
鳥と航空機が衝突する「バードストライク」と呼ばれる事故が起こってしまい、
全てのエンジンが停止した旅客機。
わずか208秒という短い間で数少ない選択肢の中から、「ジェット機には絶対不可能」
と言われていた水上への着陸を覚悟…。
サレンバーガー機長は、こう話していました『それでもなぜやろうと思ったのか、
こう説明させてください。私にはある信念があります。「現実的な楽観主義」である
べきだという考えです』…戦闘機のパイロットとして7年間の経験がありましたが、
何度も死線を乗り越える中で学んだ教訓…体にすり込まれた教えでした。
結果は卓越した操縦で大破する事なく無事着水し、155人全員の生還に成功。でも、
話はここで終わらずに、もう1つの奇跡が始まります。
無事、水上への着陸を成功させたジェット機は、当然の事ながら水没という恐怖に
見舞われて行きます。全エンジンが停止したジェット機は、音もなくハドソン川に
向かっていたので、着水してからの救援体制など整えられるはずもなく、みるみる
うちに水の中へ…。
2つ目の奇跡は、ロンバルディ船長が、着水して水しぶきをあげる物体に気付き、
迅速にベストの対応をした事。不時着から僅か24分で全員の救助を終了させたのです。
番組の3つ目の視点としてアナウンサーの話が登場していますが、奇しくもこの日
アメリカ大統領が、ブッシュ氏からオバマ氏へ移行していったのだという事を教えて
くれました。ブッシュ氏の戦争が付いて回った時代から、ノーベル平和賞を受賞する
オバマ氏の時代へ移っていったのですが…この『ハドソン川の奇跡』がアメリカを
絶望の淵から救ったエピソードとして重ねられたのだとか…。
でも、タイミング的には複雑なものです…
昨日、まさかのトランプ氏がアメリカ大統領選で勝利し、暗黒の時代に逆戻りして
しまいそうな…。ここのところトランプ氏が『パンドラの箱』を開けてしまったと
報道されていますが、人種差別…銃社会…戦争…etc.不安でなりません。
『ハドソン川の奇跡』、クリント・イーストウッド監督、トム・ハンクス主演で、
この9月映画化されたそうですが、そのクリント・イーストウッドさんは、トランプ
氏を指示していたとか…残念です。
そんな重い気持ちになると改めて機長の信念が浮かび上がってきます…。
『現実的な楽観主義』
それは絶望的な状況の中でも決して悲観せず全力で立ち向かうこと・・・。