6月15日放送のカンブリア宮殿『さらば寝たきり! 注目のリハビリ病院』の回、ご覧になら
れましたか?元サッカー日本代表監督のオシムさんなど、多くの著名人が奇跡の復活を遂げた
のが、「初台リハビリテーション病院」。近年登場した新しいタイプの病院らしく、回復期
リハビリテーションの施設となっています。
かつては脳卒中で倒れると、そのまま“寝たきり”になることが多くありましたが、この病院
では患者に365日の徹底したリハビリを行い、家に戻すことを可能にしています。在宅復帰
率はなんと約9割。初台マジックと呼ばれる復帰の実現は、およそ3か月という短い期間で
退院が実現されているのです。
リハビリテーション施設では
1、理学療法→立つ、座る、歩くなどの基本的な動作
2、作業療法→食事など腕や指先を使う日常の動作を
3、言語聴覚療法→言葉の発生や認識の訓練
といった多岐にわたる対応が求められるため、様々な能力を持ったスタッフが、その能力を
遠慮なく活かしてもらわなければ不可能と語り、基準の5倍以上に手厚く配置されたリハビリ
スタッフと、チーム内の密な情報共有で、とことん患者のやる気を引き出し、不可能と思わ
れる回復を実現しているのです。
ところが、病院でのリハビリで復活を果たしても、退院後再び寝たきりに戻ってしまうケースは
少なくないそうです。石川さんは、そんな在宅の人々を支えるための医療・介護の総合施設
『在宅総合ケアセンター』を浅草に作っています。病院を退院した後も安心して生活できる
様に、再び寝たきりにならない様にする為の『日帰りリハビリテーション施設』。
そこは、医療・介護の総合病院なのです。「かかりつけ医」のように、あらゆるサービスを
ワンストップで提供。復帰後の生活のために、センターの従業員が自宅周辺まで行って、その
目で環境や問題点を確認し、その為の対策を講じていきます。介添えする家族が、いなく
なっても、自分で生活ができるところまで見てくれるのです。
「地域から寝たきりをなくす」という壮大な理想の実現に向け、石川さんは、その意思を
充分に理解するスタッフとともに365日、頑張り続けています。応援したい気持ちで一杯に
ならずにはいられませんでした。本当に素晴らしい人たちでした。
リハビリテーションの始まりは、『人間の尊厳の回復』『権利や名誉の回復』との事。戦争
で傷ついた兵士を助けるところから、リハビリに医師が関わる様になったそうです。『2025年
問題』…在宅総合ケアセンターがもっと色々な地域に作られ、夢を失わずに元気に過ごせる
社会が実現していくと良いですねぇ・・・
ちょっと前になりますが、先月5月7日放送の未来アイズ『東北大学大学院農学研究科』の回
ご覧になられましたか?再生可能エネルギーを利用して世界初の試みに挑戦する、東北大学
大学院農学研究科 准教授・多田先生が今回の主役。
多田先生は、宮城県大崎市にある鳴子湯めぐり駐車場内に小規模メタン発酵装置を設置して
います。鳴子温泉の源泉熱を利用して、生ごみが入っているタンクを温めることによって、
メタン菌という微生物の力が活かされ、バイオガス(メタン)が生成されていきます。
そこにはカフェが隣接しており、生ごみを提供してくれた地元の方々は、生ゴミから作り
出されたバイオガスを活用して沸かしたお湯で、お茶やコーヒーを楽しむことが出来るの
です。噂によると美味な乾燥えのき茸が、おつまみとして添えられるとか…。そう、お金
ではなく生ゴミを持って行くと、コーヒーが飲めるという不思議な話…。
メタン発酵を起こして、生ゴミからバイオガスを作り、その過程で残った液体は、液体肥料
となって、再び野菜を作っていく、ゴミが殆ど出ない超エコシステムなのです。
そんな多田先生の目標は2020年、東京五輪の聖火をバイオガスで点すこと。生ごみからエネ
ルギーを生む市民体験型のシステムを確立しようと、バイオガスを使用した様々な取り組みを
行ってきた中、最終目標は、子供たちをはじめとする国民参加型の聖火の実現。五輪終了後も、
地方に持続可能な資源循環システムとして定着させるつもりでいるのです。
環境負荷削減のため、新しいエコシステムの普及に奮闘する多田先生。そんな先生の研究室
では、学生の提案でも微生物燃料電池が作られています。大切にしているものは『自然』。
自然との調和を目指して研究を続けているのです。自然の力を借りてエネルギーを作れれば、
環境にも優しい未来が作れるはずと…素敵な話です。
全く別の視点からになりますが、東京オリンピックの楽しみが、また一つ増えそうです。
6月11日放送の『がっちりマンデー』《ダイソー》の回、ご覧になられましたか?100円ショッ
プの元祖として業界トップを走り続けるダイソー。経営計画なし、ノルマなし、会社は社員が
全てで、社員の健康が第一と語る社長の会社は、日本国内に3,150店舗、海外26の国と地域に
1,800店舗の合計4,950店舗を展開。年商は4,200億円、今も右肩上がりでグングン伸びています。
ダイソーの本社があるのは広島県東広島市。なんと私の生誕の地ではありませんか。そんな
広島の本社では、『楽しく働くにはまず身体が基本』という社長の考えから、毎朝ラジオ体操
から1日が始まります。体操が終わると、今度は社員総出でお掃除。声を掛け合いながら部署
も立場も関係なく、総務部の齋藤部長もゴミ集め…
…午前10時、今度は近くの倉庫に移動。なぜか皆さんスポーティーな格好をして、ダイソー
名物「デバン」? 毎日メーカーから届く荷物は専門のスタッフが受け取り作業をしていま
すが、毎週1回、普段倉庫で働いていないさまざまな部署の社員さんが集まり自ら受け取り、
運び、積んでいきます。
ダイソーの商品仕入れを統括する商品仕入本部の岡谷さんが話すには、「社長が昔から言って
いるんですけど、『こういった作業一つの仕事を皆で寄ってたかってやれ』と。」今もこう
いう形で皆で一致団結して取り組む…。とにかく「体を動かす!」「声を出す!」「みんなで
やる!」、年商4,000億円を超えても創業時から変わらぬダイソーの伝統がそこにはありました。
矢野社長、ここに至る道のりは順風満帆ではありませんでした。ハマチの養殖業から百科事典
のセールス業やちり紙交換、運転手、土木作業など9回も転職を繰り返します。そんなある日、
たまたま目にしたのが日用雑貨の移動販売。
1972年、トラックで雑貨の移動販売をする会社、ダイソーの前身、矢野商店のはじまりです。
夫婦2人でたくさんの値札を毎日付け替えるのは大変…『全部同じでええか!』…こうして
今の100円均一方式が生まれたのです。これがもう大当たり!今ではグローバルな会社に成長
しました。
今では、これまで人の手で全部やっていた在庫管理や仕分け作業をオートメーション化。昔は
お店が発注してもいつ着くか読めないところがありました。このシステムができて必ず出荷
した翌日には店舗に届くようになったので、店舗の納品スケジュールが管理できるように
なったとのこと。
奥様との二人三脚で値札付けに四苦八苦。すべてを100円にした45年前から人一倍裏方のお仕事
に苦労してきた矢野社長。仕入れと配送をスムーズにする倉庫の自動化は長年の目標だった
のです。広島の小さな雑貨屋さんが今や従業員1万人と元気で儲かる会社になりました。
『頭は悪いし、顔も悪いし、足も短いから…』と、社長らしからず、自分の事を悪く言う
ばかりの方でしたが、本当に涙もろく笑顔で社員に愛される社長さん、そんな印象でした。
社長曰く『仕入れは格闘技』そう語って、厳しい注文を出す社長さんですが、品物を持ち込む
メーカーは『安くても世界中にある店舗で大量に売れるから…』と大喜び。なんか、登場する
人達が皆、幸せに見えるから不思議です。今後の夢はと聞かれても『倒産させないことが夢』
…と…物凄く謙虚な方でした。
4月30日に放送された未来アイズ『流体医工学研究室』の回、ご覧になられましたか?
みんなが苦手な注射。針のない…痛くない魔法のような注射器があったなら、きっと、
注射が嫌いで泣きわめく子も格段に減るでしょう。
そんな今までの常識を覆す夢のような注射器を新開発したのは九州大学工学研究院機械工学
部門流体医工学研究室工学博士の山西先生。この研究室は医療機器やデバイスを作る研究室
ですが、先生が挑むのは、今までの常識をくつがえす医療デバイスとして注目される、針の
ない気泡の注射器。
山西先生は連日、マイクロ磁気ロボットで、人間の組織に似せた鶏のささみを使って細胞
レベルで切るための実験を繰り返してきました。この実験では、電力の出力調整を最適化
しないと、細胞が焦げるなどのダメージが生じます。かといって、出力を小さくしすぎても、
気泡が出たり、組織の蛋白質がくっついたりするなど、失敗に次ぐ失敗の連続でした。
かくして、何も形にならないまま2年が経過し、追いつめられながらも、毎日努力を重ね続け
た山西先生。ある日、電気メスが壊れ、先端が吹き飛んだのに、細胞が切れる事があって、
その原因をハイスピードカメラの映像で探ったところ、極小の気泡の高速噴射により、細胞が
切れるということが分かったのです。この発見は、多くのメディアでも取り上げられ、2015年
に山西先生は、科学技術に顕著な貢献をした研究者に送られる「ナイスステップな研究者」に
も選ばれました。
そんな山西先生の研究にいち早く目をつけたのが、ベックスという会社。1年以内の実用化を
目指してできあがったのが、パルス装置です。これは、1種類のメスで高精度に電圧を変えて、
気泡のスピードやパワーを自在に操る機械。実用化すれば、体のあらゆる部位に使える電気
メスとなるそうです。
こうした原理を利用すれば、「メディカルだけでなく、アルミニウムやポリマーなども切れ、
あらゆる可能性を秘めたデバイスになり、いずれはメディカル利用としてインシュリン注射
などで実用化を目指したい」と山西先生は話しています。これらのデバイスが実用化されれば、
病気で注射が必要な子供たちでも痛みを感じずに治療が受けられるようになります。まさに、
これまでにはない、夢のデバイス。
そんな山西先生の座右の銘は、「信ずれば通ず」。ひたすら研究に没頭し滅多に休みのない
先生のプライベートは、「ただひたすら寝る」と笑いながら答える山西先生、優しそうで
とても熱い一面も持っておられる、素敵な方でした。
第30回サラリーマン川柳の第22位にこんな作品がありました…
『記憶力 ないから楽し 再放送】
まあ、見たような気がするけれど…楽しめる物ってありますよねf^_^;
今日ご紹介するのは、NHKBSプレミアム 6月8日放送(2016年1月の再放送もの)ですが、
『完全版 明治神宮 不思議の森~100年前からの人口の森の物語~』を見ての話になります。
大都会・東京に“不思議の森”が隠されているというお話です。
明治神宮の鎮守の杜は、100年前の天才たちが、人間の手で原始の森を作ろうと壮大な実験を
仕掛けた場所とのこと。以来、神域として100年封印された森が、どう成長し、何が生息して
いるのか謎に包まれてきました。まもなくの2020年に、100年を迎えるようです。
今回、初めて行われた生物調査にNHKが独占密着、その全貌を解き明かしていくという中身
となっています。森にはオオタカを頂点に3,000種もの多様な生物が発見され、過去の東京の
自然を閉じ込めた、まさにタイムカプセル。立ち入り禁止としていたおかげでガラパゴスの
様に独自の進化を遂げた新種も多く見つかっているとか。
そして番組では、明治神宮の宝物殿に眠る貴重な資料を発掘し、関東大震災、太平洋戦争、
高度経済成長と大きく変貌する東京の100年と、その時代の節目と密接に関わった森の姿を
重ね合わせていきました。震災や戦争でも森が生き延びた事、人の手で原始の森を作り
上げた事…驚きの連続でした…。
4年がかりで撮影した貴重な映像と、東京と森の歴史を再現したデジタル映像を組み合わせ、
100年がかりの壮大な森作りに秘められた人と東京の知られざるドラマに迫っています。
なんとこの番組、DVDにもなっていて販売もされています。
完全版 明治神宮 不思議の森【NHKスクエア限定商品】
NHKエンタープライズ
¥ 3,240
関わっている研究者の方々の夢中になる姿・嬉しそうな表情、森を見守ってきた人たちの
優しい表情と穏やかな話し方が印象に残っていますが、針葉樹と広葉樹のバランスを150年
見越して計画し、日本中から樹木を募って植林していくなんて、改めて、日本人って凄い
なぁと思ったのでありました。
最後にこんな明治神宮の全体図があったので添付させて頂きました。とても見やすく良くで
きている図で、不思議の森へ誘ってもらえるような…そんな気持ちにさせられました…
先日放送された『アナザーストーリーズ 運命の分岐点「ハリー・ポッター 魔法のような
誕生劇」』ご覧になられましたか?大ベストセラー「ハリー・ポッター」シリーズの作者J.K.
ローリングさん。実は。デビューする前は、赤ん坊を抱え、職にもつけないシングルマザー
だったとか。
『ハリー・ポッター』シリーズは、世界各国で刊行されており、2008年時点で67言語に翻訳
され、世界で合計4億部の大ベストセラーとなっています。なんと、ラテン語・古代ギリシア
語など、日常で使われることのない言語にまで訳されているというのですから驚きです。
意外にも、そんな「ハリー・ポッター」の原稿は、当初、イギリス中の出版社から断られて
いたそうです。今や世界的作家となった作者JKローリングは当時無名のシングルマザー。
実は最初の大事な原稿をお門違いの事務所に送ってしまったらしいのですが、郵便仕分けを
担当する著作権代理事務所の雑務係…アルバイトの奔放な女性の行動が、奇跡の連鎖を巻き
起こし、やがて出版社の拒否を乗り越えていくのです。
児童書を受け付けるような所ではなかったので、本来なら目を通さずに抹殺される運命だった
原稿ですが、雑務係がちょっとした好奇心から読んでしまったことで、通常ではあり得ない
展開が起こっていきます。女性は読んでいく中で、あまりの面白さに我慢できず上司の事務所
代表に「これは絶対売れます!」と断言したのです。
普通の雑務係が代表に進言する…そんな彼女の無謀ともいえる行動が無かったら、こうして
全世界に知られることは無かったのかと思うと、その貢献度は莫大な謝礼金を貰っても良い
くらいのもの…。1人の事務員の好奇心が所長を動かし、所長の努力がある出版社社長の幼い
娘に認められ大ヒットへと展開されていくのです…。
日本版製作のウラにも驚きの奇跡の数々、ハリー・ポッター誕生の陰の出来事。がんと闘病
中の少女ケイティとJKローリングとの心の交流。通して見ていると、奇跡が起こったのは、
作者JKローリングの心の優しさが引き寄せた…そう思えてくるぐらい、拾い出してくれた
事務員や子供への対応は素晴らしいものでした。
正しい行いをしていると良い事が起こりそうな、そんな気持ちを貰えた気がします。
良い裏話を知る事が出来た…そんな得した気分を味わわせて頂きました。
6月3日土曜日夕方5時半から、BS TBSで放送された『夢の鍵 驚異の米ゲル 』ご覧になられま
したか?ちなみに、この『夢の鍵』という番組は、TBSテレビのドキュメンタリー『夢の扉』
の志を引き継いだ番組で、BS-TBSで始まった番組のようです。
今回の主役は米から生まれた新食材。その食材の名前は『米ゲル』と言いますが、開発されて
から、いよいよ、唯一の量産工場が稼働しはじめました。この新食材、水加減1つで変幻自在
に食感を変えられるのです。米ゲルはゴムのような弾力を出すことも、トロリとした滑らかさを
出すこともできるので、あらゆる形で利用できる可能性を秘めています。
嬉しいのは、小麦アレルギーに苦しみ、グルテンフリーを望む人にとって非常に有効だという
事。小麦粉の代替食材としてパンやケーキを作ることを可能にし、カロリーも抑えられるので
ダイエットにも有効。まさに人類の食を変える夢の食材で、乳化し易い性質から、 体に良く
ない添加物の代わりまでも果たすことができるのです。
安心な食の世界が求められる昨今、結着剤、増粘材、安定剤、ゲル化剤などの添加物を使わず
に、安心な『米』が原材料名として書かれるようになるのですから、添加物を気にする私は、
多くの企業の協力も得て、1日も早く、色んな場で活かされていくことを強く望みます。
この米ゲル、高アミロース25%含有のお米が適していると言うことで、実は高価なブランド米
よりも、安い飼料米や加工米の方が向いているというのですから有難いお話。コメの消費が
伸び悩む日本にとって、この新食材の需要が伸びれば、一石何鳥もの効果を得ることができる
のです。
開発したのは、杉山純一さん。国の研究機関『(独)農研機構・食品総合研究所』で米ゲルの
研究を続け、ブヨブヨとなった見苦しい形をしたお米ゲルを作ってしまいます。この最初の
ゲルは、失敗作と思われて、そのまま放置。ところがこのゲル、数日たっても、ブヨブヨの
状態を維持していた事から、保水性がとても高い事が分かったのです。…失敗から、宝の山の
誕生です!現在は米ゲル工場の技術顧問を務めているそうです。
番組では小麦を一切使わず、米ゲルを使ってスイーツが開発できないかと洋菓子界の重鎮に
相談を持ちかけているシーンが取り上げられていました。成功すれば小麦アレルギーの人に
とっても安心して食べられるデザートになるのですが、その結果は、料理人も驚くほどに
大成功!!
同じパンを米粉と米ゲルとで比較しても7割の人がふわふわモチモチで美味しいと米ゲルの方を
選択してしまう米ゲル。米ゲルは、保水性が高いため、米粉よりもさらにモチモチ感がアップ
しているのです。
こんな三拍子どころか何拍子も揃った素晴らしい夢の食材ですから、「FOOMA JAPAN2013
(国際食品工業展2013)」では、この技術が、アカデミックプラザ賞のグランプリ(最優秀
賞)を受賞。2016年9月24日に開催された第3回アグリテックグランプリでは、ライステク
ノロジーかわち株式会社の【新規食品素材“米ゲル”の量産化および高付加価値食品の開発と
普及】がグローカリンク賞を受賞しています。
そんなスーパーでマルチナな食材を開発された杉山純一さんから、最後に一言
『失敗の中に宝の山あり』
「ただでは転ばない」大事ですよね。捨ててしまうのは簡単ですが、これからは、今一度
考えてみたい…そんな気にさせられたお話でした。
5月23日放送のガイアの夜明け『"残業"やめられますか?~15周年企画 ニッポン転換のとき
第二弾~』ご覧になられましたか?
2016年、大手企業で起こった過労自殺事件をきっかけに、働き方を見直す動きが急速に進んで
きました。「24時間戦えますか」とまで謳い上げられた日本人の働くことに対する価値観は、
「残業ゼロ」という正反対の方向…遅く残ることに罪悪感を抱かせる時代に変貌し始めています。
政府も企業の残業削減を強く打ち出し、日本はかつてない時代へ突入しようとしていますが、
企業の職場では「残業」をめぐる様々な思いが交錯しています。「残業ゼロ」を目指す企業側と、
労働時間が短くなる一方、期待していた収入が減り、その上成果は求められる現場の労働者側...。
理想と現実の差がそこにはありました。
多くの企業が「働き方改革」に向けた取り組みを進める中、全国に500店舗を 構える紳士服業界
大手「はるやま」が今年1月、あるユニークな残業削減プランを発表しました。それは、残業を
しなかった社員に、『ノー残業手当』として一定の額を支給するというもの。いわば“逆転の発想”
から生まれた取り組みですが、実際に売り場を担当する社員たちに、思わぬ波紋を広げていま
した。そう簡単にはいかない方向転換でしたが、時間の経過とともに結果が出始め、数カ月で
残業平均時間は10分の1に減少し、売上は110%を達成していったのです。
日本では、社員の残業を前提にした給与形態を採っている企業も多くあります。そのため、残業
がなくなり残業代が支給されないとなると、一家の家計にもたらす影響は少なくありません。
統計調査では、収入が減ったと回答した人が32パーセントもありました。そんな中、失われた
“残業代分”を補てんしようと、「副業」を始めた人たちもいます。世界が広がると捉えることも
できますが、何のために残業を削減したのか分からない気もします。また、企業の多くは副業を
認めていませんから、そうしたケースは、我慢するか、訴えるか、隠れて行うか…弱ったものです。
そんな中、中国地方を地盤とする中堅スーパーのフレスタという面白い会社がありました。
午後6時になるとPCの電源を自動的にオフにするという激しい取り組み。勿論、事前に申請し
ておけば強制終了させられることはないのですが、モニターの上に札を付ける形となって目立ち、
恥ずかしさと、残業している事への罪悪感を感じてしまう…と残業している人は話されていま
した。意識の改革ですよね。
こんな取り組みで浮いた残業代は社員に還元する計画で、この冬から、残業時間が少ない人ほど
賞与を増やす制度を始めるというのです。浮いた残業手当を、賞与で最大20万円支給するという
仕組み。若い人たちに向けて話されていましたが、『残業は減らすけれど、収入は確保します。』
そんな宣言は有り難いですよね。
今年から始まったプレミアムフライデー。初めは大勢が早く帰っていた会社も2ヶ月後は殆どが
帰らずに勤務。休めば、そのシワ寄せが出てしまうから、普通に仕事をしてしまった方が良いと
…。『早く帰れ』というだけでは解決できない問題に対して、どこまで企業が社員の事を考えた
対策を出せるか…そこに尽きるのでしょうか…。
ちなみに弊社では、プレミアムフライデーの『プ』の字も触れられていませんが、中小企業に
とってのプレミアムフライデーは、今後、変わっていけるのでしょうか…。今年の大イベント…
『プレミアムフライデー』…今後も動向に注目です。
昨年2016年5月25日NHKの放送を見て『生き方で伝える、人生の終い方』と題して書いたこと
がありますが…今回は5月9日放送のガイアの夜明け『人生、最期まで〝我が家〟で..〜家族で
向き合う「在宅医療」〜』から…
自分の人生を最期まで、どこで、どう過ごすか...。身体が不自由になってくると自宅以外の
病院や施設にお世話になるのが普通になりつつある昨今。ところが国の調査によると「どこで
最期を迎えたいか」という問いに、「自宅」と答えた人が54.6%で最も多いとの事。その支え
が今回の話の中心となる「在宅医療」。病気の人も、社会保障費抑制の政策の中で、長期入院を
させないよう病院を出されるケースが多く、「在宅医療」の充実が求められています。
75歳以上が15.7%という佐賀県鹿島市。そこで、100年以上続く「祐愛会織田病院」。年間新規
入院患者数は3,200人、病床稼働率99%とフル回転している地域の中核病院です。病院がパンク
してしまう前に取り組みを始めたのが「自宅のベッドを病院のベッドと同じ環境にする」という
のがコンセプトの「メディカル・ベースキャンプ」。
初期治療を終えた患者に可能な限り早く退院してもらう一方で、退院後2週間は、医者、看護師、
ケアマネージャー、薬剤師、管理栄養士、ソーシャルワーカーなど多職種が連携して在宅患者を
ケアする仕組みとの事。 高齢者がタブレットなどの機械を操作するという難しさはありましたが、
そこは近年の技術の進歩…どんどん改善されていく事でしょう。
また、人口約30万人の三重県四日市にある「いしが在宅ケアクリニック」というところがあり
ます。ここは医師9人に看護師11人という構成で24時間365日対応の「在宅診療」を行なって
います。この小さなクリニックが今、全国の医療関係者から注目されているそうです。理由は
在宅での看取り数が年間約300件という実績。
看取りに力を入れる理由は、今後の“多死社会”が引き起こす『看取り難民』への強い危機感。
院長の石賀丈士さんは「自宅で最期を迎えたいと願っても、叶えられるのは1割程度。」だと
言われます。そこで石賀さんは、新たな仕組み作りに動き出しました。 まずは、市内の総合
病院を周り、ガン末期などの重症患者を無条件で受け入れる事を条件として、医師が在宅ケア
クリニックに回すよう要請。
狙いは、在宅医療に躊躇していた地域開業医でも、軽症患者が中心になれば、受け入れやすく
なると考えたからです。石賀さんは、在宅医療を「医師の数」「年間看取り数」により3段階に
分け、病状のレベルによって、それぞれ適切な診療所が受け入れるという「四日市モデル」を
作り、在宅医療の裾野を広げようとしていたのです。
番組では実際に1人の女性が自宅で看取られる様子が映されましたが、自宅での看取りは患者
本人だけでなく家族にとっても大きな意味があり、双方、悔いのない良い表情をされていま
した。私も、彼方此方とガタが来ていますから、何かのきっかけで、いつ動けなるかも分かり
ません。人生の終い方について、自分からの視点だけでなく、看取ってもらう側の気持ちも
しっかりと考えていかなければと思ったのでありました。
5月4日放送のカンブリア宮殿『激闘の箱根!日本一の温泉地を作り上げた"乗り物屋"の執念』
ご覧になられましたか?
年間2,000万人が訪れ、入湯客数日本一を誇る温泉地…我が家でも、みんなのお気に入りと
なっている富士山がよく見える箱根が今回の舞台。実は、その人気を支えてきたのが、登山
電車や海賊船など魅力あふれる乗り物を走らせ、ロマンスカーで都心から客を運ぶ乗り物屋
さん。気にしていませんでしたが、全て小田急電鉄が裏で支えていたんですね。
首都の大動脈としての役割を果たしながら、今やドル箱観光地となった箱根を作り上げてきた
裏には、『箱根山戦争』なる知られざる驚きの格闘もあったようです。日本一の急勾配を上る
登山電車にロープウェイ、芦ノ湖の海賊船…箱根ゴールデンコースと呼ばれる箱根のドル箱
ルートで乗り物を運行する、小田急電鉄。
寂れゆく他の温泉地とは違い、小田急は、箱根を観光事業の最重要拠点に位置付け、10年で
200億円を投資し、その魅力を磨き続け、箱根を日本一の温泉地に育てあげたのです。一度
だけでは回り切れないほど色々な見どころが盛り沢山な上に、日本一の山『富士山』も、上手く
その背景を飾っているではありませんか。
小田急電鉄が、観光と共に執念を燃やしてきたものが、首都の大動脈(年間乗車客数7億人)
としての小田急線。新宿までの所要時間を短縮させるため、長年かけて進めてきた「複々線化」
これにより小田急線の魅力をさらにアップさせ、収益アップを目指しているというのです。
私も昔は町田に住んでいたのですが、小田急線にも愛着がありましたよ。都会の人々の「日常」
を支え、余暇への「欲望」をかき立て、箱根へ誘う…しっかりストーリーが出来上がっている
んだから、上手くいかない訳がありません。流石の小田急です。
年間87万枚を売り上げる小田急の大ヒット商品「箱根フリーパス」。そのフリーパスを利用
するリピーターを箱根に連れてくるロマンスカーは、小田急にとって並々ならぬ思い入れの
ある車両。1935年に「週末温泉特急」として運行を開始して以来、小田急の箱根戦略の中心を
担ってきました。その車両は、新幹線のモデルとなるほど、時代の最新技術を取り入れた車両
だったそうで、先頭車両の最前列に座ってみたいと、子供ながらに思ったものです。
今までマイカーで訪れていた箱根ですが、今度は箱根フリーパス使ってみたいなぁと思ったの
でありました(^ ^) ・・・とは言うものの・・・今度は、いつ行けることやら・・・