WOWOWで不定期に放送されている『銘酒誕生物語』という番組をご存知でしょうか。
洛中に唯一残る京都市の造り酒屋・佐々木酒造の次男として生まれたという俳優で
心地よい語り口調の佐々木蔵之介さんがナレーターを務めている番組です。
銘酒誕生に秘められたドラマを紹介する番組では、毎回物凄い日本酒が紹介されて
いますが、今回はシリーズ第10弾放送で扱われた『天山酒造』さんと『井上合名会社』さん
の事をご紹介したいと思います。この回は日本酒のベースとなる協会九号酵母という日本
独自の酵母誕生から話が始まりました。
まずは七田謙介さん(天山酒造)が作り上げた「七田(しちだ)」(佐賀)。お米をトコトン
磨き上げる吟醸や大吟醸ではなく、良いお米なら磨き過ぎず本来の旨味を活かした7割5分の
磨きで良いのではないかという発想から生まれたお酒。試行錯誤しながら苦しみ抜いて
誕生したお酒で、当然の事ながら、是非飲んで欲しい日本酒です。
一方、井上宰継さん(井上合名会社)が作り上げた「三井の寿(みいのことぶき)」(福岡)。
なんと協会九号酵母とワイン酵母を活用した独創的で全く新しい日本酒でした。新しい
酵母を作り上げようと研究する姿は酒蔵で働くイメージとは全く違う印象を受けました。
あのワイン酵母とブレンドするなんて大胆過ぎますが、これもまた是非飲んで欲しい
なんとなくお洒落な印象を与えてしまう日本酒でした。
番組では、七田さんが、人米酒プロジェクトという活動を行っている事や、呑兵衛の
事を左利きというのは『ノミの手…つまり工具のノミを左手で持つ事』から付けられた
などの雑学も紹介されて、1時間という時間を満喫でき、楽しめる構成となっています。
何度か再放送されているので、見られる方はチェックしておかれる事をお勧めします。