9月24日(日)夜10時30分から放送の未来EYES、最終回『重力だけで歩く二足歩行ロボット』
ご覧になられましたか?
足を使って歩いたり、走ったりすることは、私たち人類以外にも、多くの生きものが当たり前
に行っていて、取り立てて考える事は殆どありません。しかし、誰しもいつかはそんな当たり
前の事にさえ、不自由を感じるようになり、また中には病気などで足を使うことが困難になる
人もいます。
私も左ひざの手術をし、右ひざ、腰へと不自由が広がっている人間ですので、普通に歩けた
り走れたりした頃が嘘のようになっており、不自由になったからこそ、当たり前に歩けたり
することが、とても有り難い事であることが分かってきました。
そんな不自由な状態を少しでも解消しようと、人間が歩く「原理」をとことん追究し、エン
ジンやコンピューターなどが付いていない「動力ゼロ」の歩行支援機を開発した、名古屋工業
大学大学院工学研究科の佐野明人教授が最終回の主役でした。
人間は、実は筋肉の力だけで歩いておらず、地球に存在する重力を利用して歩いているそう
なのです。佐野先生は今仙技術研究所と振り子の動きとバネの動きが作用して脚の振り出しを
アシストする動力を使わない歩行支援機『ACSIVE(アクシブ)』を共同開発しました。足の
動きを見ながらでなければ歩けない人でも、人並みに前を見て歩けることの幸せを、再び味
わう事ができるのです。
現在では健常者の歩行アシストのため『aLQ by ACSIVE』や重い荷物を運ぶ人をサポートする
『SUPER ACSIVE』も開発しています。モーターを使って機械を歩かせるよりも、受動型・
無動力の方が遥かに滑らかな二足歩行ができるのです。モーターや部品を追加する事で可能
にしていくのではなく「必要なモノだけを残した引き算の開発」…エコで自然で感動の歩行
支援機具でしてた。
ちょっと話がずれるかもしれませんが、【触覚コンタクトレンズ】というものが登場して、
それを対象物との間に挟んでなぞるだけで、わずかな膨らみを理解する事ができるようで、
足を失った人でも、地面に足が触れるときの感触を体験できるというのですから、こんなに
ありがたい話はありません。必要不可欠な、【歩く】【走る】の原理を見つけることが開発
につながり、人の支援に役立てられる。最終回も素敵なお話でした。
残念ながら、9月いっぱいで終了してしまった未来EYESですが、他局に類似番組が数ある中
で、構成の仕方や最後の一言…大好きな番組でした。また、復活してくれることを願いつつ、
とりあえずスタッフの皆さん、お疲れ様でした。夢の持てる番組でした。