先日の世界!ニッポン行きたい人応援団、リトアニアで出会った、”どんぶり”を愛してやま
ない女子高生サメさんの回、ご覧になられましたか?インターネットで調べて自力で親子
丼を作ってしまうほどで、地元の日本語弁論大会では、最年少で入賞するほど日本語も上手。
そんなサメさんだけに、来日して早速「本物の親子丼を食べてみたい」ということでミシュ
ランガイド2015にも掲載されている東京は外神田の「鳥つね」さんへ。そこで食べたのは、
一日20食限定の特上親子丼。サメさん、憧れの親子丼を、あっという間に完食して「幸せ」
と満足げな表情。
この「鳥つね」さん、味の決め手となる割り下は、3大地鶏の一つ”比内地鶏”からイノシン
酸などの旨味成分が豊富に出るため濃口醤油と水と砂糖のみ。リトアニアでも揃えられる
食材でも出汁が取れるように家庭で作れる絶品親子丼の作り方まで教えてもらえました。
出来上がった親子丼の具をごはんに盛り付ける事も体験し、ご主人からは愛用の親子鍋が
プレゼントされていました。サメさんは、皆さんの似顔絵と親子丼を描いた手紙を贈られて
いましたが、とても絵が上手で、サメさんの優しさが伝わってきました。
翌朝向かったのは築地で代々マグロの仲卸を営む、魚屋さんと食堂が一緒になった「野口
鮮魚店」。ここは長い行列ができる超人気店ですが、サメさんも気合十分で、開店4時間前
の朝7時半から並んで一番乗り。なんと22種類ものマグロの部位がどんぶりに詰められて
いるという一日3食限定の「築地鮪屋帝王丼」を食べたのです。
築地市場に連れていって貰えると、マグロ1匹から、たったの2本しか取れない希少部位で
ある「脳天」という部位を食べさせて貰っていました。「マグロは海より深い」とサメさんは
言っていましたが、日本人だって食べた事のある人は殆どいないのですからねぇ。
それにしても「昔はマグロは捨てられていた」とか「マグロの大トロは漬けには向かない」
とか知識の豊富なサメさんに店主がタジタジになっていたのは、笑えてしまうほど温かいシー
ンでした。
最後に向かったのは埼玉県新座市にある昭和54年創業の「なみき食堂」。創業当時から牛丼
を看板メニューに据えています。サメさん、歴史ある牛丼を食べてみると「牛肉はとろける
ぐらい柔らかくて豆腐に染み込んだ割り下が濃厚ですごく美味しい」と感激。
ここでもサメさんがリトアニアに帰ってからも美味しい牛丼が作れるようにと38年間継ぎ
足ししている牛丼専用の割り下の作り方を教えて貰っていました。普通は教えないはずの
レシピもサメさんの情熱にはかないません。
その夜、並木さんのお宅へお邪魔させて頂くと、一度でいいから着てみたいと言っていた
浴衣がプレゼントされ大喜び。その姿に、一緒に来日していたお母さんも感激されていま
した。お世話になったなみき食堂の皆さんにも、似顔絵と牛丼を描いた感謝の手紙を贈り
ました。
ご主人の並木さんからは「これからもずっと料理を頑張ってほしい」と、包丁を頂いていま
した。知識も絵も素晴らしかったのですが、日本人よりも?気配りのある言葉、話し方も
丁寧で、愛らしい女の子でした。
【一杯に詰められた丼は、西洋にはない素晴らしい料理】という名言も、当分忘れられそう
もありません。この"どんぶり"に関しては、まだまだたくさん種類がありますから、また、
是非、日本に来て、他の美味しいどんぶりも食べて行って欲しいですね。