6月20日放送のガイアの夜明け『ニッポン式健康を世界へ』をご覧になられましたか?
平均寿命83.7歳と、世界トップを誇る日本ですが、その長生きを支えているのが、充実した
医療と国民一人ひとりの健康への意識の高さ。こうした日本の〝健康”ビジネスが、東南
アジアなどの新興国に輸出される動きが加速しているというのが今回のお話。
一つ目は、急速な経済成長を遂げるカンボジア。信号のない町を走る車が増え交通事故が
急増。救急病院には次々と患者が運び込まれますが、満足な医療は受けられません。交通
事故による死亡事故は比率で言うなら日本の4倍以上とか。更に、日本のような健康保険
制度がないため、前払いで払えないと治療を受けることすら出来ないというのです。
そんなカンボジアにやってきたのが〝日本の病院〟「サンライズジャパンホスピタル」。
事前にカンボジアから医師を呼び寄せ、日本式の医療を学ばせました。1970年代ポル・ポト
政権が知識層を虐殺したことで、カンボジアには医師が非常に少なかったのです。病院独自
の保険制度も導入して、現地の人を救うことはもちろん、同時に現地の医師も育てて、カン
ボジアの医療水準を上げようとしていました。先頭になって動いていた林先生、素晴らしく、
素敵な方でした。
もう一つは、近年、大きな経済発展を遂げてきたベトナム。外資系の外食チェーンやファス
トフードが進出したことで急激に食生活が変化し、栄養過多による生活習慣病の増加など
健康被害が社会問題化していました。これってベトナム戦争の変更版?とまで言いたくなる
ほど嫌な印象でした。特に子供たちの肥満度の割合は世界トップクラス。主要都市では、
肥満児の割合が30%以上にも上るというのです。
そこで登場するのが日本の食品メーカー味の素さん。ベトナム政府と協力し、栄養バランス
の良いニッポン式の給食を普及させようというのです。これまでの学校給食は、お粥のよう
な僅かな物で、子供の空腹を満たせず、学校公認の食べ物屋台が子供たちの健康を害して
いました。
そんな学校に、まずは、管理栄養士の役割を果たせる献立作成ソフトを提供し、同時に給食
前に”食育”を導入してもらうことで、食べ物の持つ栄養と役割を子供たちに伝えていきま
した。導入されて暫くしてからの子供の様子がテレビで紹介されていましたが、美味しそう
に食べる姿。調味料を売り込むという味の素の戦略も垣間見られましたが、そんな事より
日本の健康を小さい子供たちに伝えられるのは何ものにも代えがたい価値があること。
何より子供たちの笑顔が嬉しく思えました。