先日、BS朝日で放送されたザ・ドキュメンタリー『負け続けた男、新幹線をつくる!』
ご覧になられましたか?今年の4月から放送が始まったザ・ドキュメンタリー。始めは
最後まで見ようとは思っていなかったのですが、見ているうちに夢中になってしまって、
結局最後まで見てしまいました。
昭和39年、その後の世界の鉄道を一変させた画期的な高速鉄道、東海道新幹線が開業しま
した。世界初の210 km/h運転を達成した新幹線の成功は、欧米各国に影響を及ぼしたのです。
戦後日本の復興の象徴であり、日本の鉄道技術の集大成、東京~大阪間515キロを結ぶこの
大路線は着工からわずか5年半というハイスピードなプロジェクトでした。しかも新幹線を
つくったのは「負け続けた男」?
40歳で鉄道省経理局長を務めますが、大正15年に収賄容疑で逮捕、2年後に無罪を勝ち取
りましたが…。その後、昭和5年に南満州鉄道理事に就任しましたが、翌年には満州事変が
勃発。そして昭和12年には日中戦争が勃発し、大陸を去ることに…。昭和20年7月、愛媛
県西条市市長に就任しますが、8月の終戦後、GHQにより公職追放となっていました…。
負け続けた人物は、十河信二。4代目の国鉄総裁ですが就任時には71歳を迎えていたそう
です。人事権も予算執行権も持たない権限の無い総裁職でしたが、「負け続けた男」は
それを受諾し様々な知恵と行動力で最後の勝負に出て新幹線をつくりあげていくのです!
十河はまず、あの蒸気機関車デゴイチ(D51)や湘南電車という名車を設計した屈指の技術者、
島秀雄を副総裁格で呼び寄せプロジェクトをスタートさせました。もともと世界的にみて
線路幅が狭く、高速化が難しかった日本の鉄道ですが、より広い線路幅で新しく線路を作り
東京~大阪間を高速で結ぶという普通では考えられない計画だったのです。
技術面、金銭面、政治面などの問題点、特に最後の予算面の問題では、国を相手にとった
驚きの奇手、名だたる政治家の名前があげられましたが、次の言葉は印象的でした。
「鉄道が国の経済発展についていくのではない。鉄道が国の経済発展をリードするのだ!」
今や世界に売り込む総合的な鉄道システムとも言える新幹線。その「新幹線」をつくった
男たち、そしてその中心にいた「負け続けた男」の物語…楽しく見させていただきました。
また、面白い番組を1つ見つけてしまいましたよ。これからは毎週要チェックです。
再放送があれば、今回の放送分、また、じっくり見たいと思ったのでした。