3月30日放送のカンブリア宮殿『心に寄り添って営業中!小さな"感動食堂"SP』ご覧に
なられましたか?取り上げられた2つの食堂は、『未来食堂』と『こども食堂』、いずれも
女性ならではの細かい配慮がなされた素敵な食堂でした。
「未来食堂」は、以前、確か『ガイアの夜明け』にも登場したお店で、客が店を手伝う「まか
ない」、それによって手に入れられる代金無料の「ただめし」や、客の食べたいものリクエ
ストを受けて作られるメニュー「あつらえ」など、客と店が"つながる"不思議なシステムば
かりで、見事に成立していました。
徹底した"効率的な経営"で、メニューは1品だけなので、客が座ると直ぐに定食が出て食べ
られ、ランチタイムに驚異の7回転と黒字経営を続けています。"客と一体化した店づくりで、
食堂の新たな可能性を模索するだけでなく、『誰もが受け入れられて、誰もがふさわしい
場所』そんな新しい形の場所が広がって行くことを望んでおられました。
一方、「こども食堂」は経済的困窮や孤食に陥る子どもたちに向けて、100円という低料金で
温かい食事を提供する取り組み。日本の子どもの6人に1人が貧困のもとで暮らしているという
日本の現状。家族の収入が少なくてご飯を食べられなかったり、進学を断念したりしていおり、
その割合は年々増え、大人になっても抜け出せない「貧困の連鎖」を起こしています。
そんな国が解決しなければならない事を、『こども食堂』は、地域のボランティアが中心と
なって、全国で300カ所以上までの広がりを見せ貢献しているのです。発祥地は東京・大田
区の八百屋さん。その店主であり「子ども食堂」の名付け親でもある女性代表は、7年前、
小学校に「給食以外をバナナ一本で過ごす児童がいる」ことを知り、『こども食堂』を
立ち上げたそうです。
『こども食堂がいらない社会を』そんな風に話す女性代表は、『貧困でなくても食べに来て
良い』と話し、『もし限定したら、本当に必要としている子どもまで来られなくなってし
まう』と。また『行政は枠を作ってしまうので、その為に本当に必要な子どもが来られなく
なってしまう』とも話しておられ、実に思いの深い優しい方でした。
村上龍さんの編集後記では、こんな事が書かれていました。
『『普通」が消えつつあるように思う。「普通の高校生」の偏差値はどのくらいで、「普通
のサラリーマン」の年収はいくらなのだろう。多くの人が、自分は特殊で、普通ではない
と悩んでいる気がする。生きづらい社会、暖かな食事と、「普通」を提供する食堂が生まれ
ている。「こども食堂」「未来食堂」は、誰もが普通でいられる「場」を作った…』と…。
日本の子どもの貧困率は16.3%(2014年発表)で、過去最高を更新しています。ひとり親など
大人1人の世帯に限ると、54.6%で、先進国で最悪の水準(30ヶ国中、下から4番目)だそう
です。豊かな日本と一括りで語れない現状を、豊かな人たちはどのように思うのでしょうか…。
想いの深い優しさにあふれた人たちを応援したいですね・・・。