3月12日から全3回にわたって放送された『私の履歴書』似鳥昭雄(ニトリホールディングス
会長)「ピンチはチャンス 失敗からの逆転人生」御覧になられましたか?
「お値段以上、ニトリ」のCMでお馴染みの「株式会社ニトリ」は、家具・インテリア・
生活雑貨の販売店として、国内386店舗、台湾24店舗、アメリカ5店舗、中国8店舗を展開。
年間売り上げ5,000億円、30期連続増収増益の快進撃を見せています。そんな巨大企業を
一代で築いたのが似鳥会長。
自分の名を漢字で書けず、極度のあがり症で落ちこぼれだった小学校時代からスタートし、
父の助言で23歳の若さで「似鳥家具店」をオープン。失敗を恐れず新しいことに挑戦し続け
た似鳥は、妻の存在もあり、攻めの姿勢で国内はもとより海外にも積極的に進出し成功を
収めています。
高校時代に父に言われた「人のやらないことをやれ」という言葉を胸に、周辺に家具屋が
なかったことから家具の販売を決意。倒産寸前の父の会社の建物を借り、1967年に「似鳥
家具店」をオープンさせます。店名の後に〇〇支店のような表記を行って、1店舗しかない
小さな家具店ではないように見せたのは有名なお話。
初めての店をオープンさせると、売上が全く伸びず、お金に困り栄養失調寸前になると、
接客上手の妻と結婚し、創業2年で1,000万円の売上。近くに大型家具店が出店し経営危機に
陥ると、アメリカ家具店の視察ツアーでインテリアに活路を見出し、洋式のトータルコー
ディネートを行うようになって復活。日本初のエアドーム建築の「南郷店」が悪天候で被害を
受けると、半額大セールで売りさばいて窮地を脱出。ピンチを次々と乗り越えていきます。
そんな中、経営コンサルタント・渥美俊一と出会い、チェーンストア経営の理論やノウハウを
勉強し始めます。この渥美俊一のペガサスクラブには錚々たるメンバーがいますので興味が
おありの方はこちらで…
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A5%E7%BE%8E%E4%BF%8A%E4%B8%80
この勉強会は相当有効だったのでしょうか、当時店舗数7店、売上高30億円だった会社を
『100店1,000億円』とする目標を掲げて経営に挑んでいくのです。1993年、満を持して
本州1号店をオープンさせますが、メインバンクの北海道拓殖銀行と山一證券が破綻し、
社債を引き受けてもらっていたスイスの銀行から50億円の返済を迫られますが、またしても
住友信託銀行から融資の取りつけに成功し、危機を乗り越えていきます。あと2時間遅ければ
そこで終わっていたとか…。
2002年、東証1部に上場。2003年、目標に掲げていた100店舗を達成し、海外へ進出。
2007年、台湾に海外1号店をオープン。更なる海外進出を図るものの、またしても2008年の
リーマンショックで窮地に立たされます。ところが、これをチャンスと取り原点に戻って
値下げを宣言…1,000品目以上を値下げし、経営の危機を見事吹き飛ばしていくのです…
凄い事です。風貌こそどこにでもいそうな人の良いオジサンなのですが、がっちりマンデー
では、日経平均株価予想で3年連続ニアピンを獲得する切れ者。
番組の中で印象に残った言葉は…
●企業のトップは、こっちに行くんだというブレないメッセージを出さなければ
●世の為人の為、志がなければ、売上、利益だけでは成功しない
●2つの肝心な事…①表情が暗いとダメ②リスクに飛び出そうとする積極性
●考えても失敗が怖くて一歩を踏み出せない。成功する人としない人の差は、踏み出す
勇気があるかどうかだ
自社生産にとことん拘って安く作るだけでなく、10年20年と長く使える強い耐久性も
求めているニトリの商品。番組の中では、実際に家具を苛め抜いて耐久性を確認している
映像も見られました。この辺が新聞とは違う所ですね。安かろう悪かろうというのが、
良く言われる話ですが、ニトリに関しては、選択肢には入れるべきだなぁと、改めて思った
のでありました。