3月5日の未来アイズ『エルピクセル(株)』の回ご覧になられましたか?めまぐるしい
勢いでデータが増加しているビッグデータ時代。医療の現場を例に挙げれば、CTやMRIの
画像データ量は10年前に比べ100倍もの勢いで増え続けているといいます。
今回の主役は、2014年3月に東京大学の研究室のメンバー3名でスタートしたLPixel(エル
ピクセル株式会社)。2000年の研究室の発足当時から生物学全般における画像解析技術を
牽引してきたそうで、ライフサイエンス領域の知識と、イメージングの技術の双方の領域に
精通している研究者集団とのこと。
ImPACT(内閣府)、CREST(JST)、戦略的基盤技術高度化支援事業(経済産業省)など3つの
国家プロジェクトに参画しており、自社開発テーマとして医療画像診断支援システム、
ライフサイエンス研究者向けクラウド型画像解析プラットフォーム「IMACEL」の開発
などを行なっているそうです。
画像解析という側面から解決すべく立ち上がった、東大発ベンチャーのエルピクセルでは、
研究のワンストップ・コンサルテーション、人工知能(AI)の画像解析によるガンの検出、
研究者に対する画像処理教育など、研究・臨床の現場の効率化に資する取り組みを行って
います。
中でもAIによる画像解析技術は、画像処理のスキルを持たない研究者でも画像の扱いを容易
にし、論文執筆を含めた研究活動に集中する環境を整えられるものになっています。さらに、
医療の現場では画像分類をAIに任せることで、医師と患者とのコミュニケーションを円滑に
することを狙っています。
そんなエルピクセルは、番組放送の2日前、3月3日、経済産業省主催「ジャパン・ヘルス
ケアビジネスコンテスト2017」で「優秀賞」を受賞されたそうです。昨今の科学技術の
進歩によって得られるようになったビッグデータに対して、それを分析し処理するスピード
が追い付いていない部分が大きく、それをサポートする夢の画像解析によって単純作業
から解放してくれるだけでなく、新薬の開発スピードも早めようとしています。
医療、製薬、農業などのライフサイエンス分野で「科学を加速させるAI」として、なくては
ならないものになっていくでしょうし、番組の中でも触れられていましたが、大隅先生が
言われたという『分子の内側から治療する』ということが現実のものになっていくのかも
しれませんね…。凄い事ですよね・・・本当に。