2月7日放送のガイアの夜明け『消えゆく“伝統工芸”の逆襲!』ご覧になられましたか?
創業150年、京都にある和傘店「日吉屋」が今回の仕掛人のお店。5代目の西堀さんは、
年商が160万円にまで落ち込み廃業寸前だったこの店を、和傘の仕組みを応用した照明
機器をデザイナーと開発したことで、海外市場で見事ヒットさせ立て直したのです。
現在、売り上げはグループ5社で2億円にのぼるそうです。
そんな経験を持つ西堀さんが始めたのは、経験から得たノウハウを、かつての自分と同じ
ように悩んでいる人たちに伝授していくこと。そして、京都市、フランスのパリ市と組み、
ある事業をスタートさせたのです。それは、「日本の職人+フランス人デザイナー+
フランス人バイヤー」による商品開発。
昨年5月、京友禅や、仏壇・仏具の製造販売、清水焼の窯元など、参加する10社が決まり
ました。いずれも京都が誇る伝統産業ですが、市場が落ち込んでいます。目指すは、
1月にパリで開かれる国際見本市への出展。しかし、デザイナーとバイヤーの注文は
厳しく、伝統としてこだわってきた部分であろうと御構い無しです。「欧米で売れる
もの」を追求した結果、従来のやり方を否定してくることもあるのです。
仏壇・仏具の製造販売をする漆職人の仕上がりを見て、『滑らか過ぎてプラスチック
の様に見えたしまうから、もっと荒く仕上げて…』清水焼の窯元の深みのある赤をさして
『フランスでは、この色を肉の血の色と捉えるから好まれない…』など…。そんな普通
だったら、『ふざけるな!』と怒って交渉決裂になってもおかしくないところ・・・
国を越えた共同作業は価値観の違いを乗り越え、見事に全く新しい作品に結びついて
行ったのです。
従来の形にとらわれない産業が、様々な仲介者を得て、全く新しい展開を見せていく…
これからも似た様なことは、様々な分野で展開し、また意外な形で花開いていくので
しょうね。日本の職人さん、才能あふれる人たち、努力を惜しまない人たち…頑張れ!