ティータイム

お菓子のデパート よしや

2016-10-5 NEW!
カテゴリ:つぶやき

 

利益を社員に大盤振る舞い! もっと働きたくなる最強経営術の全貌と題して、2016年9月1日 に

放送されたカンブリア宮殿から、今日はお話を。

 

創業52年を迎えた菓子問屋の吉寿屋さんが今日の主役です。卸売りのほか、専門店「お菓子の

デパート よしや」という直販店を関西を中心に101店舗展開しているとの事で、関東の方では

ご存じない方もいる事かと。

 

小売店の価格は定価の約2割引き。品揃えはロングセラー商品からスーパーやコンビニで

見たことのないお菓子まで…なんと1,400種類も揃えているとか。まさに「お菓子のデパート」

です。商品の単価が安く儲けが薄いと言われる菓子業界の中にあって、業界トップの利益率を

たたき出しているのだそうです。その結果、創業以来52年間も“赤字無し”の健全経営を続けて

いるのです。

 

創業者の武司氏は15歳で大阪の菓子メーカーに就職し、22歳で吉寿屋を創業。後発参入として

武司氏は朝5時から店をあけ年中無休で働き、1986年「お菓子のデパートよしや」をオープン。

お菓子が良く見えるように平台に陳列したり、商品を種類別では無く価格別で並べたりと、

工夫されたそうです。そして快進撃のもう1人立役者が、創業時から仕入れを担当する、弟の

秀次氏。秀次氏は週1回の商談会にメーカーが持ち込む商品を全て試食し、売れる商品を見極め

ているのだそうです。

 

そんな2人が創業以来、実践し続けている繁盛の秘訣、それが、早朝出社です。会長の秀次氏は

朝3時過ぎ…というかもはや夜中ですよね。創業者の武司氏ですら朝5時に出社し、倉庫に並ぶ

“お菓子”に感謝の気持ちで挨拶。そんなお菓子は、常識破りの返品ゼロ。早朝出勤した2人は、

後から来るパートさん達の為に準備をしているのです。

 

「早起きは必ず繁盛につながる。」と語る吉寿屋の姿勢が伺えます。

 

神吉兄弟には、経営者として守り続けてきた信条があります。それが従業者の幸福。この信条が

良くわかる制度が社員への利益の還元です。利益の半分は税金、残りの利益の3分の1ずつを社員、

役員、内部留保としているのだそうですが、その額が驚き…。一年間で約7,000万円分を従業員に

還元しているというのです。例えば、月1回の朝礼で行われるジャンケン大会では、テレビなどの

家電や最高級の果物などを社員とパートにプレゼント。毎年、勤続5年以上の社員1人に500万円

相当の金の延べ棒、社歴の長い社員5名に海外旅行と大判振る舞いです。さらに、最優秀社員に

年棒3,000万円が支給されたこともあるといいます。この利益還元は社員だけに留まらず、社員の

家族に野菜を送り、運送会社などの取引先にも水やお茶を1ケースやお米を渡す時もあるそう

です。「会社の利益は、社員、その家族、そして取引先の協力があったからこそ。お世話に

なっている方々にお礼をしている。」と2人は話します。関わる人のモチベーションが上がら

ない訳がないですよね。そして、それだけの利益が残せている事も凄い事です…。

 

吉寿屋では業界屈指の超効率経営を実践しています。その名も「1円大作戦!」。例えば、

社員が使うボールペンは1本だけ、名前をつけインクが無くなったら替え芯を使うのが決まり

です。もちろん、配送に使う段ボールは使い回した上で最後には業者に売っています。さらに、

倉庫の荷物は壁から5センチの隙間を空けることで、荷物の持ち運び時間が短縮できるとのこと。

そして極めつけは、1日数回の「駆け足タイム」。「15分間、駆け足の時間です!」と

アナウンスが流れると、社員は一斉に走りながら仕事を始めるのです。

 

こうした様々な努力で、吉寿屋は、創業以来、“赤字無し”業界トップの利益率約3.5%を叩き

出しているのです。贅沢に慣れてしまっている人にとっては、この『1円』を大切にする

気持ちの持ちようが、1番難しいのではないでしょうか。2011年1月20日に同じカンブリア宮殿で

放送された『未来工業』を思い出します…。

 

社長の金言

 『どんなことがあっても 報奨に見返りは求めない』

   …『これだけ出すから、頑張ってね』ではなくて、あくまでも

     『頑張ってくれた事に対して、感謝の気持ちを込めて』と言う事でしょうか…。

 

村上龍さんは編集後記で以下の様に綴られています。

 

『「人よりも多く働く」吉寿屋の戦略は拍子抜けするほどシンプルだ。他店よりも早く開店し、

創業からしばらくは休日を返上した。「自分がいい思いをするより周りの人が喜ぶのを見たい」

という武司氏の価値観は、自然に従業員への手厚い報奨に結びつき、結果的に大きな動機付け

となっている。武司氏は、毎日早朝にまず倉庫に行き、「お菓子のみなさん、お早うございます」

と挨拶する。武司氏にとって、お菓子は、単なる商品ではなく、「愛すべき生きもの」なのだ。

商品と従業員に対し無私の愛情と感謝を抱き、誰よりも多く働く、そういう人に、ビジネスの

神様は必ず微笑む。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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