『ゴジラ-1.0』(ゴジラ マイナスワン)は、戦後間もない日本を舞台に描かれる、山崎貴VFX・脚本・監督によるゴジラシリーズの映画です。タイトルに付けられた-1.0には、「戦後、無(ゼロ)になった日本へ追い打ちをかけるように現れたゴジラがこの国を負(マイナス)に叩き落とす」という意味があるそうです・・・。
『ゴジラ』シリーズでは37作目であり、国産の実写作品としては通算30作目。『シン・ゴジラ』以来7年ぶりとなり、ゴジラ生誕70周年記念作品と位置付けられています。
第96回アカデミー賞では邦画・アジア映画史上初の視覚効果賞を受賞したことはニュースでも大きく取り上げられたので、皆さん周知の事かと思います。それまでに歴代のアカデミー賞の中で、監督として視覚効果賞を受賞したのは『2001年宇宙の旅』のスタンリー・キューブリックのみであり、山崎監督は55年ぶり、史上2人目の受賞監督となりました。
映画史に名を残す錚々たる大作が並ぶ視覚効果賞の歴代受賞作と比較して、製作費が15億円以下とかなりの低予算であることもアメリカの映画関係者を驚かせたのも皆さんよく御存知の話かと。
少しネタバレになりますが、映画は・・・
第二次世界大戦末期の昭和20年。敷島浩一は特攻へ向かう途中で零戦が故障したと偽り、小笠原諸島に位置する大戸島の守備隊基地に着陸する。その日の夜、島の伝説で語り継がれる、全長15メートルほどの恐竜のような生物「呉爾羅(ゴジラ)」が基地を襲撃する
昭和21年夏。ビキニ環礁で行われた米軍による核実験「クロスロード作戦」により、その近海にいたゴジラは被曝し、体を焼き尽くされたが、それによってゴジラの細胞内でエラーが発生し、その体は体高50.1メートルまでに巨大化する。
そう、まさにこれがゴジラ誕生の逸話で、その時代を取り上げて描いたという意味でも、本作品はとても興味深いものになっています。さすがにこれまでのゴジラ映画を全て見たわけではありませんが、視覚的な話より、映画そのものとしてこれまで中ではTOPクラスのゴジラ映画だった気がします。
一か所だけ銀座の通りで主人公と女性が出会うシーンには無理がありましたが、それ以外は文句なしで、是非怪獣映画だからではなく、見て欲しい映画でした。
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