今年6月16日に放送されたガイアの夜明け「レジャーでニッポンを元気に!〜客を呼ぶプロ集団「刀」の野望〜」をご覧になられましたか?
「刀」とは、2年前「西武園ゆうえんち」のリニューアルを「懐かしい昭和の世界」という発想で成功に導いたのが会社です。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンをV字回復させたことで知られる森岡毅さんが立ち上げた「客を呼ぶプロ集団」です。その「刀」が去年から極秘に進めてきたのが、これまでにない「アウトドア施設」の開発。舞台は、近年観光客が激減しているという兵庫県の六甲山。企業の保養所を改装し、食をテーマにした"本能に刺さる"体験をウリにするそうです。衰退が進む地方でこうした施設を水平展開し、日本全体に活気を取り戻そうというのが森岡さんの狙い。知られざる挑戦の舞台裏にガイアのカメラが10カ月間密着し、「刀」の"野望"に迫る回でした。
リニューアルから2年…「西武園ゆうえんち」の“その後”・・・昭和30年代の懐かしい世界観を作り上げ、一大リニューアルを果たした「西武園ゆうえんち」。正直できた当初は「昭和?そんなの直ぐに飽きられるよ」・・・そんな風に思っていましたが、2年経った今も「刀」が集客戦略を担い、順調に客足を伸ばしているとのこと。リニューアル当初はレトロ好きの若い女性が中心だったそうですが、最近では子連れのファミリーも増えており、子供たちに大人気の児童小説「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」をテーマにしたアトラクションや本物の無線機を使用した園内周遊型の謎解きアトラクションなどを次々開発していたのです。
中でもユニークなのが、3月にオープンさせた「食堂車レストラン黄昏号」。レトロな雰囲気の食堂車を再現した体験型レストラン。各テーブルに設置されているのは窓の形をしたモニター。そこに四季折々の絶景などさまざまなシーンが映し出されるという仕掛けです。そんな食堂車レストランで「刀」はまた新たな体験を生み出そうとしていました。「イマーシブシアター」と呼ばれる、客自身も登場人物の一人となる“没入型”演劇。客足が減る3時頃に「アフターヌーンティー」とともに楽しんでもらう計画です。現場の指揮をとるのは、USJから刀に移ったクリエイティブディレクターの興山友恵さん。学生時代、ロサンゼルスで本場のエンターテインメントを学んだ興山さんは、海外で体験したイマーシブシアターの感動を日本の人にも味わってもらいたいと意気込みますが、飲食しながらどう没入してもらうかなど課題は山積みのようでしが、是非参加してみたいと思うものに仕上がっていました。
究極の“感動体験”をアウトドアで!ということで新施設開業の舞台裏にも密着しています。自ら主体となって施設の開発と運営を始めた「刀」。今年5月、神戸の六甲山に「ネイチャーライブ六甲」というグランピング施設をオープンしています。10年前まで50軒もなかったグランピング施設ですが、アウトドアブームやコロナ禍をきっかけに急増。去年だけで200軒以上が開業していて、市場規模は1000億円を超えるといわれています。そもそもグランピングは、アウトドア気分を味わいながらリッチな宿泊体験もできる施設。しかし、料理など全て用意されている場合が多く「本物のアウトドア体験」ができる施設は多くありません。そこで刀が考えたのが、用意されてはいるものの「あたかも自分で成し遂げた」という感覚が味わえる施設。中でも力を入れるのが「食体験」。骨付きの分厚いステーキ肉を客自身が焼き上げる、というのが目玉の体験。しかしプロでも焼くのが難しい厚切り肉を完全に任せては失敗してしまうため、客一組につき一人「グランピングアテンダント」というスタッフが付いて確実に成功するよう導いていきます。客に「自分自身で作り上げた」という“錯覚”を起こしてもらおうという狙いです。
こうした体験づくりを任されたのが濵武広士さん。開業まで1カ月、関係者を招いた試泊が始まります。ところがアンケートを見てみると、子供たちが喜ぶためか家族連れの満足度は高い一方で、大人だけで来る客の中に「食事を作ることが面倒」「体験になっていない」といった意見が多く見られたのです。さっそく大人の2人組で検証することにした濵武さん。打開策を見つけ、“本能を揺さぶる”体験を客に味わってもらうことができたようです。
沖縄テーマパーク計画始動!地方に人を呼ぶ“秘策”・・・刀のトップ、森岡さんが特に力を入れるのが、衰退する地方で体験価値を創造すること。東京や大阪など都心部への一極集中が進み、地方経済が低迷している状況に大きな危機感を募らせているのです。そんな中、刀史上最大のプロジェクトが始動しました。700億円をかけて沖縄の森の中にあるゴルフ場を改装し、大自然を活かしたテーマパークにするというのです。建設場所は沖縄北部の名護市と今帰仁村をまたぐエリア。那覇市のある南部は観光開発が進んでいますが、北部はほとんど手付かずの状態。隣接する本部町には人気の「美ら海水族館」があるそうですが、観光客のほとんどは名護と今帰仁を素通りしてしまうのが現状なんだとか。開業予定は2025年、自治体や地元企業も大きな期待を寄せる新テーマパークの構想は今後が見てのお楽しみですね。
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