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【"関西の老舗"破綻からの復活劇】

2023-5-21 NEW!
カテゴリ:つぶやき

 会社が駄目なのは社長が駄目だからだという話で気付かされた

 

今年の4月20日に放送されたカンブリア宮殿【"関西の老舗"破綻からの復活劇】の回、ご覧になられましたか?噂で聞いたことがある…もしくは既に食べているであろうあの見た目も味も「ほぼカニ」の大ヒット商品【ほぼカニ】を世に送り出したカネテツデリカフーズさんが今回の主役。

 

1975年をピークに市場は右肩下がり、今や半分の規模にまで縮小しているという水産練り製品市場ですが、苦境の業界にあって、見た目も味も本物のカニそっくりというカニカマ「ほぼカニ」で新たな市場を創ったのが、兵庫県の水産練り物メーカー・カネテツデリカフーズさん。さらに「ほぼホタテ」や「ほぼうなぎ」「ほぼカキフライ」など、本物そっくりの"フェイクかまぼこ"を次々発売し、売り上げを伸ばしています。カネテツをけん引するのが会長の村上健。創業家の娘婿として3代目社長となるも、リスク管理の甘さから1998年に経営破綻しましたが、見事に復活。地獄を見た3代目の奇跡の復活劇が今回のメインです。

 

カネテツが2014年に発売した「ほぼカニ」。タラのすり身を使いながら、カニのアミノ酸分析を行って100回近くの試作を重ね、本物のカニに近い味を再現。繊維の向きやほぐれ感なども徹底的に研究して、食感も本物のカニに近づけていきました。昨年、「日本ネーミング大賞2022」の最優秀賞を受賞しています。名付け親は開発当時に社長だった現会長。試食した時に「これ、ほぼカニやん」と言った言葉をそのまま商品名にしたといいます。「ふざけすぎ」と反対する社員もいたそうですが、誤解がないようパッケージに記載した「※カニではありません」がSNSで話題となるなど、若者を中心に大ヒット。長年右肩下がりだった練り物業界で売り上げは発売当初の5倍と急増しています。その後もカネテツは本物そっくりのフェイクかまぼこを次々発売。「ほぼシリーズ」として人気を集め、シリーズ累計6700万パックを売り上げているのです。

 

1926年に創業したカネテツ。イメージキャラクターである鉢巻姿の男の子「てっちゃん」は関西で絶大な知名度を誇っています。現会長は1989年、創業家の娘婿として36歳で3代目社長に就任しましたが、仕入れの7割を任せていた卸業者の社長が突然行方不明になり、手形取引で先払いしていたカネテツは資金繰りが悪化。負債総額170億円を抱え、神戸地裁に和議(現在の民事再生)を申請して、経営破綻してしまいます。

 

責任をとって専務に降格した現会長は再建途上の2002年に社長に復帰しましたが、再び窮地に陥ってしまいます。ある社員が冷凍食品の賞味期限を書き換えて出荷したことが報道され、取引先の信用を失ったのです。どん底に落ちた現会長を救ったのが、稲盛和夫氏の講話。「今、あなたの身の周りに起きていることは、すべてあなたの心に原因がある」。それまで不運が重なったと嘆いていた現会長でしたが、経営者として未熟な自分に全ての原因があると悟っていくのです。社員と共に工場で働くなど一からやり直した結果、2004年には一般債権者に全額繰上げ返済を完了。廃業寸前だった会社を、次々とヒットを生み出す会社へと蘇らせたのです。

 

今年の2月23日にNHKで放送された【雪印 2つの事件】でも企業の破綻と復活に関する話が取り上げられていましたが、こちらはご覧になられましたか?「失敗」への道のりを丹念にたどることで、「失敗から学ぶ」特集番組の第2弾でしたが、かつての乳製品のトップメーカー・雪印が取り上げられれていました。2000年と2002年、わずか2年足らずのうちに立て続けに起きた2つの不祥事で事実上の解体に追い込まれた雪印グループ。なぜ事件は起きてしまったのか? 企業にとって、組織にとって、大切なこととは何か? 2つの事件、そして信頼回復と再生にかけた20年の取り組みを追った番組です。

 

コロナ禍で苦境に立たされた中小企業は数多いと思います。支援金が得られ無利息の借入金が手に入れられたりと、何とかどん底をしのいできた企業も多いのではないかと思います。今、コロナも普通の扱いにレベルダウンし、日常を取り戻しつつありますが、借入金の返済が始まるのはこれからの話です。大変な企業も沢山あると思いますが、社員一丸となって何とか乗り越えて日本の底力を見せて欲しいものです。

 

村上龍の編集後記で、今回のカネテツさんについてこんな風に書かれていました・・・
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1998年、経営破綻した。2002年、賞味期限の改ざんが発覚。弁済まであと少しという事件に社内は揺れた。「倒産でもへこたれなかった社員がだめになっていった」稲盛氏の講話を読んだ。決して不運が続いたのではなく、経営者として未熟な自分自身が危機を招いたのだとわかった。1からやり直そうと、社員と働き、昼休みは社長室の床に寝た。被害者意識を改めたことで、事態が好転しはじめた。「ほぼカニ」は、奇抜なネーミングで瞬く間に人気商品に。村上(現会長)さんの明るさが、すべてを救ったような気がする。
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そんな村上(現会長)さんの金言は、こうでした・・・

『何のために 経営するのか』

 

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