1ヶ月ほど前に放送されたカンブリア宮殿「倉庫の概念変えた異色経営者」の回、ご覧になられましたか?「倉庫」と言うと、企業の為に預かった荷物を保管し、それを出し入れする所というのが一般的なイメージですが、寺田さんの本社倉庫を、アシスタントの小池さんが訪ねてみると、全く違う世界がそこに広がっていました。
お客の多くは国内外の富裕層と言う話ですが、どんな人が何を預けているかは、一切明かされていないという世界。厳重管理の倉庫の中を、借り手の1人に特別に見せて頂くことになりますが、美大教授でコレクターでもあるその人は、サラリーマン時代から400点もの美術品を収集、その多くを、常時20℃ 湿度50%に管理されている美術品倉庫に保管。ゴージャスな倉庫には、なぜかソムリエまでいて、なんと管理の難しいワインセラーまであったりする贅沢な空間でした。
こんなユニークな倉庫会社を率いる人物は、今まで殆どメディアに出たことのない、中野さん74歳。とても高齢には見えない切れ味のある若い印象を与えるお方でした。2012年に創業家から託されCEOに就任。それまでは企業の品物を預かる“下請け”で、巨大倉庫会社と価格競争を強いられていましたが、わずか7年で変革したのが中野さんです。
中野さんが行った改革は、倉庫の中にとどまらず、羽田からほど近い、運河沿いにある天王洲エリアに、30万平米の倉庫を持ち、そこを丸ごとオシャレな街に変身させてしまいました。
街の建物の壁面には巨大な壁画が描かれ、カフェは、親子連れやカップルで満席。週末には新鮮な野菜が並ぶマルシェや、ラジオの生放送をするブース、運河沿いの「ボードウォーク」など、誰もが来たくなる風景が広がっています。7年前は殺風景な倉庫街でしたが、続々と人が集まるようになり、天王洲エリアのブランド価値を高めることにも成功していたのです。
「値段だけで決められ、他と比較されるのではなく、自分で価格を決めるために、付加価値を持たせる」
…そう語る寺田倉庫の中野さんは、段ボール1箱から預かってくれる個人向けの“ミニクラ”という倉庫サービスも考案し、38センチ四方の段ボールに荷物を詰めて送るだけで、1箱月額250円で入れたものを一つ一つ写真に撮ってデータ管理までしてくれるというサービスを始め、そのままヤフオクに出品することも出来ることもあって、みるみる利用者が増え現在では、2,000万品を保管・管理しているとのこと。
倉庫の常識が覆る仰天“倉庫ワンダーランド”…なかなか面白く観させて頂きました。以前、他の番組で寺田倉庫の事は知っていましたが、こんなに多方面に独創的な展開をしているとは思いませんでした。いつもの社長の金言は【5年ごとに仕事を見つめ直せ】でしたが、こうした金言の持ち主だからこそ、こん独創的な展開を短期間で成し遂げられるのでしょうね。良い刺激を貰えた気がします!!
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