3月19日放送のガイアの夜明け『"ヒット商品"の新・方程式!』の回、ご覧になられましたか?
今ではすっかり認知されるようになったクラウドファンディング。何かプロジェクトを立ち上げた人や団体が、試作の段階で情報をネット上に公開し、それを見て欲しいと思った人たちが、資金を提供していきます。目標金額を定め、期限内に達すればプロジェクトがスタートとなり、支援者には何らかのお礼が帰ってくるという仕組みです。
すでに開発資金も購入者もいるため、確実に“売れる製品”を生み出すことができるし、何と言ってもニーズを確認できるので、リスクが低い…。これまでは、どちらかというと資金不足に困っているプロジェクトが多かった印象でしたが、どうやら、斬新な新商品開発を行う事を目的として、大企業が利用し始めているらしいのです。
例えばキングジムさんのメモ機能を持つ商品などは、社内で認められなかったようですが、クラウドファンディングで認められて実現されていくという現象が起きていたのです。昔と違って、日本企業から斬新な製品があまり出なくなったと言われるようになっていますが、特に大企業であればあるほど、新発想の事業や商品が生まれにくい環境になっているため、新しい商品開発の仕組みの一つとして、面白い存在になっています。
最大手のクラウドファンディングサイトを運営するマクアケの利用者は数百万人で、累計プロジェクト約5,500件の実績を持つ、国内NO.1の会社。そんなマクアケが大企業とガッチリ組み、これまでにない新製品を生み出しているのです。
マクアケは3年前、大企業の新規事業・新商品開発を後押しするチーム「MIS = マクアケ・インキュベーション・スタジオ」を立ち上げました。マクアケのスタッフが大企業の中に入り、新商品プロジェクトの立案から関わり、クラウドファンディングで資金調達した上で、製品を生み出すまでバックアップしていくのです。これまで、既にライオンやシャープ、富士通など名だたる大企業から依頼が入り、17社と30のプロジェクトを実際に世に生み出してきたのだそうです。
そんなMISの責任者、木内さんが、今、最も力を入れているのが、繊維業界の老舗企業「東洋紡」とのプロジェクト。主に企業向けの高機能の繊維やフィルムなどの素材を製造する典型的なBtoB企業ですが、そんな東洋紡の悩みが、新しい素材を生み出しても、一般の消費者に一目で“東洋紡の製品”と分かるものがないということ。会社としても今後、一般消費者向けを意識したものづくりをしていかないと先細りになってしまうという危機感があるといいます。
東洋紡の全社員から新商品開発にチャレンジしてみたい希望者を募ったところ、集まったのは30人。そのうちの一人、小松さんは、大学の理系を卒業し、研究所で働く“リケジョ”でした。小松さんは今回のプロジェクトに参加した理由を「東洋紡の技術はすごいのに伝えきれていない」「自分が携わったものが一般消費者に直接届く商品になるのを最初から見てみたかったから」と話していました。
そんな小松さんが、東洋紡の得意分野である高機能生地を使って、家族として暮らす犬用の防寒服を生み出そうとアイデアを練り、試作品作りに取り掛かっていきます。すべてが初めての経験とは言え、見事にマクアケのクラウドファンディングのサイトに掲載するところまで持って行きます。
小松さんが手がけていた犬用の防寒服、大ヒット商品になる気がします。研究一筋だったリケジョの小松さんの表情の生き生きとしていた事…印象的でした。個への対応が求められる時代だけに、大企業に限らず、資金難に困っていたり、リスクの高いものに手を出しにくかったりする中小企業だって、個の反応が直に見られるサイト・・・かなり有効かもしれませんね。新・方程式かぁ・・・。
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