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海外ブランド契約解消から見事に自社ブランドで立ち直った巨大メーカー

2018-12-27 NEW!
カテゴリ:つぶやき

 

12月13日放送のカンブリア宮殿『機能性の追求を武器に!スポーツメーカーのサバイバル経営』の回、ご覧になられましたか?ヨーロッパブランドひしめくダウンジャケットの中にあって、国内最強のダウンと称されるまでに成長している「水沢ダウン」。冬には売り切れになるという国産の高級ダウンです。毎年、セレクトショップで大人気となっているそうですが、さんな「水沢ダウン」を製造販売しているのが今回の主役となるスポーツメーカーの【デサント】。

 

デサントは社長の祖父、石本他家男が大阪で1935年に興した紳士服店「ツルヤ」からはじまったそうです。野球少年だった他家男は1953年に野球ユニホームの開発に成功。プロ野球の中日ドラゴンズに採用されると、1970年代後半には12球団中11球団のユニホームに採用されるまでになったのです。社名をデサントに変更したのは私が生まれた1961年。野球ユニホームだけでなく、スキーウエアの開発や海外スポーツブランドのライセンスビジネスにも着手。

 

1970年、アディダスとライセンス契約を結び、プ1997年には売り上げが1000億円を超える企業へと成長しますが、翌年の1998年、アディダスとの契約が解消されてしまいます。ヤマザキナビスコの旧『リッツ』を思い出しました…。デサントは売上の4割を占めていたアディダスがなくなると、赤字に転落し、窮地に陥ってしまうのです。

 

このアディダスショックを教訓として、その後自社ブランド強化に全社一丸となって取り組み、ものづくりの原点に戻って、ついに機能性を追求した水沢ダウンが誕生したのです。さらに、海外展開も強化した結果、2017年度には売り上げも過去最高の1411億円を達成。見事に自社ブランドで立て直していったのです。凄いじゃないですか!!

 

ちなみに「水沢」というのは工場のある岩手県の地名からとられたそうで、もともとは2010年バンクーバー五輪で日本選手団に提供するために全社を挙げて開発し、五輪に先がけ2008年から一般販売されたそうです。究極の機能性を追求した結果、他のダウンとは一線を画すシンプルで洗練されたデザインに帰着。発売以来、トレンドに左右されないことも人気の秘密となっているんだとか。

 

「水沢ダウン」の高機能を実現しているのは、工場のベテラン職人たち。スポーツなどプロ仕様の商品開発に強みを持つデサントは、メジャーリーグで大活躍の大谷選手のアンダーウエアや、サッカー元日本代表の遠藤選手のシューズ、水泳の瀬戸選手のスイムウエアなど、100名以上の一流スポーツ選手をサポートしているそうです。デサントは、こうしたトップ選手の本格的スポーツウェア技術を、広く一般の人にも使えるように商品を展開しています。こうした高機能を武器に、デサントは売り上げを伸ばしていたのです。

 

デサントは、商品の企画開発力が競争力の源泉と位置づけています。2018年7月に大阪府茨木市にスポーツウェアの開発拠点を新しく開設した。人工気象室、人工降雨室、全天候型トラックなど最新鋭の施設には、デサント契約のプロスポーツ選手たちが製品のフィードバックにしばしば訪れ、番組ではサッカーの遠藤さんが映されていました。デサントの商品開発は創業当時から、トップ選手の意見を聞くことに徹底しています。それが高い機能性につながり、一般販売しても快適に着てもらえるウェアになっていたのです。

 

いつもの「村上龍の編集後記」では、こんな事が書かれていました。
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創業者は、4度も召集され、戦後、最終的に、スポーツウエアの開発・生産を選んだ。平和とは何かを示すエピソードだ。アディダスから契約を解消され、重大な危機を迎えたが、生き延びた。むしろショックをバネにして、業績を回復させた。私見だが、その企業理念には、スポーツマインドが中核としてある。デサントとは仏語で滑降だが、他に暴落という意味もあり、社名として反対の声もあった。「社名は辞書ではなく現実で生きる」創業者の言葉だ。デサントは現実を生き、そして今、象徴のような、画期的なダウンを作り上げた。
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創業者の言葉
『トッププレーヤーはトップレベルのユーザーでもある』

デサントの社名の意味は

  【優しく怖い人、うちには厳しく外には優しい】とのこと。

       村上さんが『格好良い!』と言っていたのも印象的でした。
 

 

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