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親子2代の拘りが奇跡となった南蛮BACKEN

2018-12-4 NEW!
カテゴリ:つぶやき

 

11月29日放送のカンブリア宮殿『絶品スイーツを陰で支える魔法のオーブン!倒産を乗り越え生み出した"大逆転ものづくり"』の回、ご覧になられましたか?エス・コヤマ、ツマガリ、きのとや等…全国屈指の有名菓子店の御用達となっているオーブンが、今回の主役、福岡県にある七洋製作所が作り上げたオーブン「南蛮バッケン」。

 

価格は他社製品の2.5倍と高価ですが、「驚くほど"しっとり&ふっくら"と焼き上がる」と全国のパティシエたちが憧れる窯なんだそうです。多くのパティシエに支持される最大の理由は、窯の中の温度を一定に保つ驚異的な密閉性と、電気ヒーターをコンピュータで制御し、正確に焼成していくことが可能な点にあります。

 

更に、職人が一度手動で焼き上げると、その温度変化を完全に記憶し、次から全自動で微妙な焼き加減を再現してくれるというのですから大したものです。関西の超人気店エス・コヤマでは、この「南蛮窯・バッケン」を7台も導入し、圧倒的な柔らかさで、有名な「小山ロール」を作り、「クリームは他でマネできても包んでいるパンケーキの部分は他では味わえない」と客を魅了しています。

 

そんな七洋製作所の品揃えは、いまや大量生産向けの巨大なものから、家庭でも使える小型オーブンまで様々。家庭用は50万円からと、かなりお高めではあるものの、こだわりの主婦なら、旦那様がお祝いで買ってあげようものなら、虐げられてきた旦那様も、きっと神の様に崇めて頂けるのでは・・・

 

七洋製作所の前身は、現社長の父・善次が1950年に創業したせんべいの製造販売を生業とする内山商店。ある時、善次は、順調に拡大していたせんべいメーカーから機械メーカーに転身してしまいます。しかし、その経営は厳しく、会社は2度の倒産に見舞われてしまいます。そんな中で善次は最後の望みをかけ、せんべいメーカーで培った「火」のノウハウを駆使した、今までにない菓子の焼き窯の開発に没頭し、密閉性の高い「南蛮窯」を完成させていったのです。

 

ところが、南蛮窯を完成させた善次は、病に倒れてしまいます。そんな父の南蛮窯を受け継いだのが、20代の息子で現社長の素行さんでした。素行さんは、南蛮窯を売り込むために、火の調整が難しい“カステラの製造”に目を付け、カステラを自動で焼ける窯として、トラックで全国を巡って実演会を開催するなど猛烈な営業を仕掛けていきます。実際に購入したお店の人は、目の前で見事なカステラが焼きあがった事に衝撃を受け、購入を決めたと話されていました。

 

素行さんは、甘んじることなく有名パティシエに通い詰め、必死で改良を重ね、これまでにない、絶品を生み出す魔法のオーブンを、父親の意志を継いで作り上げていったのです。家業をせんべいメーカーから機械メーカーに変貌させた父と、父親の"魔法の窯"を信じて改良し、"しっとり&ふんわり"焼き上げる「南蛮窯」に進化させた2代目の【感動を呼ぶ親子2代のタッグ】があったからこそ出来上がった「絶品を生む魔法のオーブン」。素敵な話ではありませんか。

 

また、七洋製作所は、窯を買ってくれた店を「儲けさせる」ことにも、拘ってきました。例えば、店を繁盛させるための「南蛮塾」という勉強会を開催するなど、様々な分野で購入店をサポートしているのです。最近では、「菓子の生地も提供してほしい」との要望を受け、手軽に美味しく焼ける“焼き菓子の生地”や“ケーキの冷凍生地”まで作り、窯を買ってくれた店を支援しているそうです。

 

こうした購入店を支援する七洋製作所の噂を聞きつけ、いまやパン業界からもラブコールがかかり、これまでに無い「魔法のパン焼きオーブン」まで生み出しています。社長の金言は「他より3倍高くても そこに価値があれば売れる」ということでしたが、「良いものを作ると、一生ものになってしまうために、再購入してもらえない」とこぼすシーンもあり、それでも・・・だからこそ開発に力を入れている七洋製作所。

 

作り上げた製品の名前に「BACKEN」「ZEN」「SEVEN」「OCEAN」と名前の最後にNが付くのは「”運”が付く」からと笑顔で語る素行さん。お菓子もパンも作った事のない人がここまでの事を成し遂げてしまうのですから、拘りが奇跡を産むこともあるんだなぁと思ったのでありました。

 

うちの家内にも家庭用オーブンを買って、少しは優しくして貰いたいとも思うのですが…現状では宝くじでも当たらない限り、お小遣いだけでは到底無理なお話でして・・・。また、万が一、奥様から逆に要求されてしまった場合は、「プティ・バッケンの使用には200Vの電源が必要みたいだから、うちでは難しいよ」と言い訳の準備まで考えたりして(^ ^;)・・・。ただ、「思い切って購入して、お店をやろう!」なんて安易な考えは、控えた方が良いですよ。心・志あっての商売ですからねぇ。
 

 

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