ある調査によると『【終活】という言葉を聞いたことがある』という人は全体の9割以上に登る一方、『すでに【終活】を実施している』という人は全体の1割に満たなかったとか。確かに年齢を重ねるにしたがって気になってきた言葉であり、【エンディングノート】なるものは、実際に吟味して親類に差し出したことはあるものの…いざ、自分となると…。
今回、番組の中心となって登場したのは、末期ガンから奇跡の生還を果たした小西博之さん。懐かしい欽ちゃんファミリーの一人です。「生きるための活動なら分かるけど、何で死ぬための活動しなきゃならないんだ」と反対側の意見を強く抱いての登場です。「死ぬ事を念頭に置いた活動など、やっとガンを乗り越えてきたのに縁起でもない」という当たり前の考えの様な強めの意思表示です。
冒頭で対談する事になったのは『ソナエ』という雑誌を出している【終活】のパイオニア的存在との対談です。ぱっと見、強面の小西さんですから、いきなり否定的な発言で対談相手にプレッシャーをかけはじめた時は、これで対談になるのかと心配させる展開でした。
背景としては、一人暮らしが増えてくると、自分の死んだ後の事を考えなければならい世の中になってきたという事。葬儀の小規模化。親の墓と子供の暮らす場所が離れることで生じてしまう、お墓の引っ越し…。最後のお守りを用意しておくことで、何も気にせず生きられるようになる事が目的で、大切なのは、元気なうちにして欲しい活動であって、死を目前にしている状態では出来ない活動なんだと話されていきます。
少しずつ、話を聞くうちに【終活】の本当の意味を理解し始める小西さん。そうすると自身の親ともお墓のことで今のうちに話をしておかなければと行動を起こしていきます。
【エンディングノート】…その存在も、理解していなかった小西さんですが、説明を聞くうちに「こういうことを考えると親とか子供に優しくなれるね」と感心していきます。そして、とどめは【葬儀VTR】。実際にどの様なものかを観せられると、「いいね!いいね!」を連発。「暗い葬儀がお祝い事になるじゃないか!」と絶賛です。
対談を終えて漏らしたのは「死ぬことに自分で心を閉じていた」そう話したのです。終活は死ぬ準備ではなくて、一度リセットして、感謝するため、ありがとうのためだと話す小西さん。これまで大切にしてきた思い入れのあるバイクも、息子にあげる気持ちになれました。物への執着心が無くなるということか、細かい事が決まっていくと楽になって、残りの人生を心安らかに過ごすことができる・・・いわば「お守り」のような物なんだと笑顔で話すようになっていたのです。
小西さんの年齢は、私とほぼ同じ…。番組の後半では、銀座終活座というところで実際に御自身の【葬儀VTR】を撮影されていました。番組では、他にも登場人物がありましたが、年老いて伴侶に先立たれた人が、遺品を整理していく中で【終活カフェ】で相談したり、断捨離をすることで、自分の身に何かあった時に、自分の子供にまで、余計な苦労をさせたくないと考えたり…。ほかにも【生前契約】という「りすシステム」が扱う正式な委任契約が紹介されたりと中身の濃い展開でした。
家内が母親を亡くした時に、家内の父親に「エンディングノート」を渡したことがあります。家内の母親のお墓は、未だに仙台に作るか私の家の近くに作るか決めかねている状態です。少しでも早く、元気な時に話し合う機会を作って、笑顔で話せるように展開していく事、大切かもしれませんね。身近な年寄りだけでなく、つい先日も右ひざの半月板が断裂して足腰への負担が更に拡大している私。小西さんではないけれど、自分自身に関する【終活】にも、しっかり目を向けて…一歩踏み出す勇気が必要かもしれませんかねぇ…
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