7月11日放送のガイアの夜明け『どこへ行く?ふるさと納税』ご覧になられましたか?
『ふるさと納税』も今年でもう10年を迎えるそうですね。2016年度の全体の寄付額は前年度
比1.7倍の2844億円となり、これまで財政難に喘いでいた地方都市の新たな財源として存在
価値は高まるばかりとのこと。その一方で、返礼品競争の過熱や新たな地域間格差が生ま
れるなど、当初想定していなかった面も出てきているとか。返礼品なる物が過熱してる事は、
恥ずかしながら全く知りませんでした。
石川県七尾市が送るのは、「能登の朝どれ鮮魚の刺身詰め合わせ」。能登半島沖の定置網
でとれた魚を地元の鮮魚店がすぐさま刺身にして発送してくれます。鮮魚を丸ごと送る自治
体が多いなか、魚をさばく手間がかからず手軽に新鮮な刺身を食べられるので好評だとか。
この七尾市、昨年9月から返礼品を送るようになったそうで、そのため、他と差別化しなく
ては寄付を得られないと、鮮魚の刺身をはじめ「人間ドックと温泉宿泊券のセット」や
「空き家管理サービス」など工夫を凝らした返礼品を打ち出したようです。その結果、昨年
9月までわずか320万円だった寄付金は、開始後10ヵ月足らずで2億円を突破したそうです。
そんな中、制度を管轄する総務省が返礼品の一部に“待った”をかけました。今年4月、「商品
券」など換金性のあるものや「電子機器」「家具」といった資産性の高いものを返礼品から
外すこと、返礼率(寄付額に対する還元率)を3割以下とすることなどを全国の自治体に求め
たそうです。表面だけ見てしまえば、一見総務省の対応は正しいようにも思えましたが、事は
そんなに簡単ではありませんでした。
長野県伊那市。テレビや掃除機、炊飯器など40種類にも上る「家電製品」を武器に、昨年度、
72億円もの寄付を集めている自治体です。実は伊那市内には個人経営の電気店が多数ある
うえ、コンデンサーや抵抗器といった家電に欠かせない部品を作る企業も多く軒を連ねて
いるそうです。そうした企業が作る部品を使用している家電製品を地元商店から買い上げ
返礼品にすることで、近年低迷が続く町の産業を活性化させたいと考えていたのです。
一方、高級和牛や焼酎セットなど豪華返礼品で2年連続全国1位の寄付金を集めた宮崎県
都城市。総務省の通達には全面的に従う方針を決めたそうですが、豪華な返礼品を設けて
いた理由は地本の製品を全国に知ってもらいたいからで、集まったお金で潤うつもりは
なかったと話されていました。
換金性のある物はダメだと言われながらも、地元の真珠をアピールしているだけなのにと
嘆く人もいれば、返礼品製造の見込を期待して会社まで立ち上げたのに窮地に追い込まれる
人…。それぞれの地域にそれぞれの事情があるように、一律な対応を考えるのではなくて、
それぞれの地域に合った取り組みができるよう配慮して欲しい物です。
幸い総務省からの通知には強制力がないらしいので、自治体は『らしさ』を忘れずに頑張って
欲しいと思います。私も返礼品調べてどこかに寄付してみたいものですが…きっと家内には
「そんなゆとりがある訳ないでしょ!」と言われて終わるんでしょうねぇ…。「減税でき
るよ?」と言ったところで「収入が増えるわけじゃないでしょ!」で攻め切られるんです
よねぇ…。サラリーマン…辛いものです…。