ちょっと前になりますが、先月5月7日放送の未来アイズ『東北大学大学院農学研究科』の回
ご覧になられましたか?再生可能エネルギーを利用して世界初の試みに挑戦する、東北大学
大学院農学研究科 准教授・多田先生が今回の主役。
多田先生は、宮城県大崎市にある鳴子湯めぐり駐車場内に小規模メタン発酵装置を設置して
います。鳴子温泉の源泉熱を利用して、生ごみが入っているタンクを温めることによって、
メタン菌という微生物の力が活かされ、バイオガス(メタン)が生成されていきます。
そこにはカフェが隣接しており、生ごみを提供してくれた地元の方々は、生ゴミから作り
出されたバイオガスを活用して沸かしたお湯で、お茶やコーヒーを楽しむことが出来るの
です。噂によると美味な乾燥えのき茸が、おつまみとして添えられるとか…。そう、お金
ではなく生ゴミを持って行くと、コーヒーが飲めるという不思議な話…。
メタン発酵を起こして、生ゴミからバイオガスを作り、その過程で残った液体は、液体肥料
となって、再び野菜を作っていく、ゴミが殆ど出ない超エコシステムなのです。
そんな多田先生の目標は2020年、東京五輪の聖火をバイオガスで点すこと。生ごみからエネ
ルギーを生む市民体験型のシステムを確立しようと、バイオガスを使用した様々な取り組みを
行ってきた中、最終目標は、子供たちをはじめとする国民参加型の聖火の実現。五輪終了後も、
地方に持続可能な資源循環システムとして定着させるつもりでいるのです。
環境負荷削減のため、新しいエコシステムの普及に奮闘する多田先生。そんな先生の研究室
では、学生の提案でも微生物燃料電池が作られています。大切にしているものは『自然』。
自然との調和を目指して研究を続けているのです。自然の力を借りてエネルギーを作れれば、
環境にも優しい未来が作れるはずと…素敵な話です。
全く別の視点からになりますが、東京オリンピックの楽しみが、また一つ増えそうです。