NHK11月20日放送の『がん治療革命』が始まった…プレシジョン・メディシンご覧に
なられましたか?今や日本人の2人に1人がかかると言われる『がん』。その治療が
根底から変わろうとしている…そんな事を特集した番組でした。
進行した大腸がんを患う48歳の男性。再発を繰り返し手術不能でしたが、ある薬の
投与で腫瘍が大きく縮小。その薬とは、全く別のものと思われる皮膚がんの治療薬。
劇的な効果をあげたのは、がん細胞の遺伝子を解析し適切な薬を投与するプレ
シジョン・メディシン(精密医療)。がん細胞の遺伝子を解析し、特定のガンに
対抗すべく生み出されるのが『がんの分子標的薬』だったのです。副作用が少なく、
変異タイプに合わせた投薬なので、効果も抜群。
アメリカでは、オバマ大統領がプレシジョン・メディシンに力を注ぐという演説を
されるなど、積極的に推進し、遺伝子を専門に解析する施設もできているほどでした。
一方日本では、最新治療薬とプレシジョンメディシンを組み合わせるという
『がん治療革命』が起きていますが、この臨床試験をすすめているのが『スクラム
ジャパン』というプロジェクト。現在は235の病院と15の製薬会社が参加して
いるそうです。
国立がん研究センター東病院の後藤功一先生は、プレシジョンメディシンによって
患者さんに合った適切な治療薬を使用することは、今までの倍以上の長生きが
できる可能性があり、医療の進歩につながっていくことは間違いないと言われ
ています。
また、人間だけでは分析しきれない数多くの研究データを人工知能が分析し、人工
知能が遺伝子変異の特性と最適な薬を見つけ出すという展開も生まれてきています。
そこまで進歩しているなら、早く実際の治療薬として…と思ってしまいますが、
特性を見出せないケースもあって、全てが解決出来たわけではないようです。
番組の中では。あと5年もあれば…という話も…。今は解決出来なくても、明日に
向かって動き出す力が湧き出してくる…そんな今回の特集番組でした。何よりも
患者が治療中であっても、近い未来への希望によって、笑顔が見られるように
なってきていることが、その事自体が、生きる力になっていく気がしました。
今後の進展を楽しみにしたいです。