9月4日放送の未来アイズ ご覧になられましたか?
この回は、脳波や心電・筋電などの生体信号の研究をしている、慶應義塾大学 理工学部
システムデザイン工学科 准教授 満倉先生が主役でした。
脳で考えたことをコンピュータで文字にしたり、脳で考えたとおりにパソコンのマウスや
車椅子までも操作してしまう。そればかりか『「美しさ」「心地よさ」「面白さ」などの
感性を脳から読み取る』研究も進めてられており、音楽を聴いたり、雑誌を読んだり、
乗り物に乗ったりしながら、どのように感じているかが自動的に分かってしまうとのこと。
こんな事が出来るようになってきたんですね。また、人の顔の画像を認識する研究も行って
いる満倉先生。画像の中の顔を認識したり、顔から顔の向き・年齢・表情を推定できる
ように研究し、これらの技術をロボットに実装させるなど実際に応用できるように研究を
進められていました。
脳波の組み合わせから心の状態がわかる。辛い時に、明るい気持ちにする電気信号を送る
『人間ガソリンスタンド』のようなものを作りたいと日々研究・開発に邁進する満倉先生
でしたが、話す事が出来なくなったお年寄りに使われているシーンでは、話せなくても
気持ちを感じ取る事ができて、看病されている家族の心の負担を救っていました。
以前、NHKの「サイエンスZERO」で放送された、記憶のメカニズムに関する話と合わせて
行くと、ちょっと『怖い』とも感じてしまった科学の進歩…。
サイエンスZEROでは、どのようにして新しい記憶がインプットされ、どのようにして
保管されていくかがメインとして扱われていましたが、番組の後半では『記憶を操る』を
テーマに、『人工的に記憶を連合』させて、将来的にはPTSやうつ病の治療に役立たせ
たいと語られていました。
良い形で活かされれば良いけれど…悪用されれば、都合の良い記憶に刷り込む恐ろしさも
想像できます…。SF映画で何度か扱われた事のあるネタで、悪徳政府に従順かどうかが
自動的に判断され、一度反乱分子と判断されると、記憶を書き換えられて従順にされて
しまうといったもの…。
科学の進歩は、活かし方1つで救いの神にも、災いの神にもなり得るもの。うつ病など、
心の病が増加している現代だからこそ、この2つの研究で、救われる多くの人がいる事は
間違いありません。是非、良い形で活かされることを願うばかりです。