1825(文政8)年、江戸の中村座で「東海道四谷怪談」が初演されました。
東海道四谷怪談(通称「四谷怪談」)は、浪人民谷伊右衛門に毒殺された妻
お岩の復讐話で有名ですよね。
不義密通をはたらいた男女が殺され、戸板に縛られ神田川に流されたという
実在の事件をヒントに四世・鶴屋南北が作った話です。
夏と言えば怪談話ですが、日本の怪談話は、海外のものに比べて、ドロドロ、
ジメジメしていて、見た目の怖さというよりも、深層心理に染み渡るような
重~い怖さ…ですよね。
でも、最近の若い人たちは、この『四谷怪談』や『番町皿屋敷』『牡丹灯籠』
と言った『日本三大幽霊』が登場する怪談を知らないという人も出てきています。
若い人は、『リング』とか『螺旋』とか『トイレの花子さん』?ですかねぇ…
さて、せっかくの幽霊の日なので、怪談話を一つ・・・
『悪の十字架』
それは、となりの町のできごとだった・・・。
夜遅く、男の子がお腹がいたくて目が覚めたんだ。
そして親を起こして、泣いて腹痛を訴えた。
5キロ離れた所に古びた小さな病院があったな。
・・・父親はそう思った。
そして、自転車の後ろに息子を乗せ、
懸命にこいで病院にたどり着いたんだ。
ドンドンドン!!
あけてください! 子供が腹痛で泣いています。
お願いします!
ドンドンドン!!
すると、ドアが開き、中から年老いた女の人が現れた。
こんな真夜中に、どうしましたか? 先生はおらんよ。
明日またお出でなさい。
明日は何時にあくんですか?
10時にあけますよ。
そうか、あくの10時か・・・。
あくのじゅうじか・・・
悪の十字架・・・