先日5月22日にNHKで放送された『人生の終い方』をご覧になられた方は、おられますか?
人生の最期に何をするか?誰に何を遺すか?伝えていくか…。つまり人生の“終い方
(しまい方)”をどうするか。そんなテーマで放送されたNHKスペシャルは、『笑点』の
司会を引退したばかりの落語家・桂歌丸さんが進行役を務めていました。
番組の中では、様々な人の終い方が紹介されていました…。
水木しげるさん、声をかける事すら難しい事もあった水木さんは、終末になって笑顔の
写真を残す事で、奥さんの心の支えにしていきました。
団塊世代の父親。 ガンと宣告され、話すことも難しくなった中で、亡くなる直前に
残したものは、3人の家族への感謝の手紙。
末期癌で余命数ヶ月と宣告された35歳の父親、 2人の幼い子供…。子供も病気を知って
おり、子供が卒業式まで、入学式まで…と、生きる力を与えようとします。頑張れよと
言いたいけれど、いざ書こうとすると言葉が浮かんでこない若いお父さん…。考えた末に
お父さんがした事は、残された力を振り絞って家族旅行へ行く事。身体にそんな余裕
などないはずなのに、苦しい顔、辛い顔1つせず、今までで1番楽しかったと笑顔で語り、
立ち向かう事、諦めない事を伝え、その4日後、息を引き取りました。
90歳の母親。伝えたくても伝えられない相手…。66歳の娘は軽度の知的障害者。自分が
いなくなってからのこの子に何を…。泣きながら娘に謝り亡くなっていく母親…。
それでも、母親が経営していた、かつてのお店の常連客が偲ぶ会を設け、残された
66歳の娘を支えてくれました。娘に何も残せなかった母親は、本当は、娘を支えてくれる
『人の和』を残してくれていました。
泣きましたよ。今回のNHKスペシャルは…。亡くなられる前から取材が始まり、
亡くなった人の生前からの映像がドキュメンタリーとして放送される事で、その思いの
強さは痛い程伝わってきました…。長くなりましたが、チーフプロデューサーの
福田さんは、こんな事を言っておられたそうです。
「“死に方(終い方)を考える”ということは、
つまり“生き方を考える”ということなんです」と…。